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第2章~2回目の小学生~
第7話Part.14~闘いの駆け引き~
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ホルトは正面から敵指揮官に突っ込むと指揮官はそれを突き放すかのように剣を横に薙ぎ払った。
指揮官の動きを見て攻撃を予測したホルトはその攻撃を大剣で受けずに後ろへ飛び退く。彼がさっきまで居た場所は凄まじい風切り音と風圧が通る。そして飛び退いたホルトの身体にその威力が伝わった。
指揮官の攻撃を真っ正直に受けるのはやはり難しそうだと感じたホルトは指揮官を中心に反時計回りに回りながら少しずつ距離を詰めていく。
しかし間合いも指揮官の方が広いので、ホルトの間合いに入る前に横薙ぎが飛んでくる。
だが指揮官の攻撃を避ける最中、二連続の横薙ぎの際に二撃目の威力がかなり落ちると感じたホルトは一度目を外して二度目の横薙ぎを受ける。
攻撃が飛んでくる右方向に自ら移動して威力が乗り切らない横薙ぎを大剣で受けて弾き返すと、その反撃を受けて指揮官はバランスを崩す。
そこを逃さずホルトは指揮官の剣とは逆の方向から斜めに大剣を振るい、指揮官の右肩から袈裟斬りして両断を狙った。
だがホルトの大剣は指揮官の身体を断つには至らなかった。指揮官の纏う漆黒の鎧が彼の身を守ったのだ。ホルトの腕力と大剣の重量を以ってしても鎧を貫ききれず、右肩に大剣が食い込む程度だった。
しかしその際の衝撃までは吸収できていないようで、確かなダメージを与えた手ごたえはホルトも感じた。
指揮官の表情は彼の兜で全く読めないが、控える女性型の魔族の表情は一変しており明らかな動揺が見て取れて、ホルトの力が通じていることを感じさせた。
指揮官はホルトに攻撃を加えられた場所に手を当てる。回復魔術を使うと察知したホルトはそれを防ぐべく攻撃を続行する。
指揮官は両手剣を使っており、場所的にも利き手を魔術に使用せざるを得ないため指揮官は後ろに逃げながら手を当て続けていたが、何度かホルトの攻撃を避けた後それをやめて剣を構える。
彼の姿から回復魔術を使用できたのか諦めたのかははっきりとは分からなかったが、その攻撃は回復魔術が使用できていないことを如実に語っていた。明らかに剣に速さも切れも無い。ダメージは見た目以上に深いようだとホルトは判断した。
ホルトは再び間合いを詰めると指揮官は迎撃のために横薙ぎの体勢に入る。最早一撃目を避ける必要は無いと判断して剣を受ける体勢をとった。
しかし指揮官は先ほどまでのスローな攻撃が嘘であったように鋭い斬撃を放ってきた。さっきまでのスローな攻撃はブラフだったのだ。
ホルトは攻撃の直前になって指揮官から僅かに漏れ出た殺気を察知し、「来るッ!」と後ろに避けた。しかし攻撃を大剣で受けるつもりだったホルトは間に合わず攻撃を左の脇腹に受けてしまう。
指揮官の剣をはじき返すつもりだったホルトが振りに行った大剣が指揮官の剣の威力を多少落としたが、ホルトが危惧していた予感は当たっており、彼の大剣は圧し折られた。
そしてホルトが身につけていた鎧が彼の身体を両断することは許さなかったが、彼の身体は人形か何かのように吹っ飛ばされた。
指揮官の動きを見て攻撃を予測したホルトはその攻撃を大剣で受けずに後ろへ飛び退く。彼がさっきまで居た場所は凄まじい風切り音と風圧が通る。そして飛び退いたホルトの身体にその威力が伝わった。
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しかし間合いも指揮官の方が広いので、ホルトの間合いに入る前に横薙ぎが飛んでくる。
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だがホルトの大剣は指揮官の身体を断つには至らなかった。指揮官の纏う漆黒の鎧が彼の身を守ったのだ。ホルトの腕力と大剣の重量を以ってしても鎧を貫ききれず、右肩に大剣が食い込む程度だった。
しかしその際の衝撃までは吸収できていないようで、確かなダメージを与えた手ごたえはホルトも感じた。
指揮官の表情は彼の兜で全く読めないが、控える女性型の魔族の表情は一変しており明らかな動揺が見て取れて、ホルトの力が通じていることを感じさせた。
指揮官はホルトに攻撃を加えられた場所に手を当てる。回復魔術を使うと察知したホルトはそれを防ぐべく攻撃を続行する。
指揮官は両手剣を使っており、場所的にも利き手を魔術に使用せざるを得ないため指揮官は後ろに逃げながら手を当て続けていたが、何度かホルトの攻撃を避けた後それをやめて剣を構える。
彼の姿から回復魔術を使用できたのか諦めたのかははっきりとは分からなかったが、その攻撃は回復魔術が使用できていないことを如実に語っていた。明らかに剣に速さも切れも無い。ダメージは見た目以上に深いようだとホルトは判断した。
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しかし指揮官は先ほどまでのスローな攻撃が嘘であったように鋭い斬撃を放ってきた。さっきまでのスローな攻撃はブラフだったのだ。
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