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子猫の雨月と男の子の雨月

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 まだ雨月との攻防戦は……続いていたりします。

 今度は就寝場所です。
 はい。

 雨月ったら昨日寝ていたタオルケットを口で咥えてベッドのところへ行こうとしているんだもん。

 昨日子猫の雨月に使ったタオルケットはベッドの足元の下に畳んでおいてあったの。休みの日に洗濯しようと思って。脱衣場に置くには邪魔だから一時的にそこに置いていたのよ。それを引っ張り出すんだから!

 脱衣場で脱いだ服を入れるために使用していた丸長の藤の籠に新しくバスタオルを、一枚は下に敷いてもう一枚は雨月をくるめる用にと雨月のための寝場所を用意したんだよ。

 なのになのに……。

 雨月は見向きもせずに、昨日寝た場所で寝ようと寝場所を自分で整えようとしているの。


「昨日は無事だったかもだけど……間違って寝返り打っちゃったら……雨月が潰れちゃうでしょ?だからダメだってば!」

 って何度も言っても聞く耳聞かずで必死になって自分より大きなタオルケットを口に咥えてベッドにのぼろうとしている。

 全然諦める気は全くないみたい。

 たった五分ほど攻防戦の結果……
 白旗を上げたのは私です。はい……。

 子猫の雨月は上気した顔で喜びを露にしている。
 ……完全に私の敗けです。
 可愛い雨月には敵いません。

 今日購入した首輪を思い出した私は赤い首輪を雨月に着けることにした。
 雨月は嬉しそうに私に首を差し出してくる。

 本当にもう、可愛いんだからぁー!

 苦しいのは嫌だろうから……最大の大きさの穴で止めることにした。

 雨月は嫌がることもなく、寧ろ赤い首輪を気に入ってるように首を振りながら体を揺すって

「ニャーニャー!ニャーニャー!」

 と、まるで歌っているかのようです。

 私がお布団にゆっくり滑り込むと、子猫の雨月は漸く私の枕の横にタオルケットで作ってあげた雨月の寝床に入って丸くなっておやすみのポーズをとった。

「雨月……おやすみ!」

 子猫の雨月の背中を撫でながら、雨月の頭にそっとキスをして夢の中へ寝入っていった……。

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