私が拾ったのは子猫なんですけど!そして私は男じゃない!

わらいしなみだし

文字の大きさ
19 / 280
子猫の雨月と男の子の雨月

14

しおりを挟む
 根気よく聞きながら男の子、雨月と向き合うことにした。

「何か話せることある?」

 そういうと、嬉しそうに私の顔を見ながら

「おにーさん!」

 という。
 だから違うんだって。

「あのね、私は『おにーさん』じゃないの。強いて言うなら『おねーさん』なの!わかる?」

 あ、また首を傾げてわからないというのがどうやら雨月のポーズみたいだった。

 そしてまた

「おにーさん!」 そう言って私に抱きつこうとする。

 それを慌てて止める。
 だって、右手に食べかけの焼き鮭。左手に握りしめたご飯。そのまま抱きつかれたら……大惨事必死だもん!

 そういえばまだ一言も「おにーさん」以外の言葉を聞いていない。
 もしかして、この男の子雨月は話せる言葉がほとんどないのかもしれない……。
 言葉だって知らないものが多そうで意思疏通がこの先うまくいくとは限らない。

 これはかなりの難題かも……!

 何よりも先に朝食が先決!先決!切り替えていこう!

 不安な想いを振り切るかのように私は握りこぶしを胸にあて、よし!と一声気合いを注入して立ち上がった。

「おとなしく座っててね!」

 雨月に言葉をかけてから私は台所へ向かいタオルを水で濡らして軽く絞り、レンジでチンして持っていった。
 雨月の手から焼き鮭を取り上げ、左手のご飯はご飯粒がとれるだけ取ってほかほかのタオルで両方の手をきれいに拭いてあげた。
 それをニコニコ顔で見ている雨月。
 綺麗になった両手をくるくる回しながら楽しそう。

 困った……。

 お箸で食べられそうにない雨月。
 私は意を決して雨月を私の膝の上に乗せて私がお箸でご飯とおかずを雨月の口の中へ入れていくことにした。
 膝の上に乗った雨月は楽しそうでそわそわしながらゆさゆさ体を揺らしている。

「ね、ご飯食べようね!雨月」

 雨月は喜んで私の顔を見ながら食べたいものを指で指して教えてくれる。
 私はそれに従って雨月の口の中へと入れていき、合間に自分のご飯を食べることにした。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...