31 / 76
ボルダード編
では、そろそろ参りましょうかな
しおりを挟む
「そのドレスとこのドレスはこちらに! 他のは売って下さって構いませんわ!」
「畏まりました!」
「奥様、宝石商と美術商の方がおみえになりました」
「この箱とこの箱、それとこの箱以外の宝石類はわたくしに、この箱はフリディカに、それ以外の宝石類は別の部屋に纏めてある美術品や骨董品と一緒に売って構いませんわ!」
「畏まりました!」
背後にある屋敷の開け放たれた窓から漏れ聞こえる声に「ドレスや宝石類、美術品や骨董品まで売るんかい」と突っ込みを入れながら、私は屋敷の裏に生えていた毒草を解毒薬に、薬草を傷薬に変えていた。きちんと囲いが成されているから、生えているというよりは栽培されている、といった感じの方が強い。
その屋敷の中はてんやわんやの大騒ぎである。
現在私やカムイがいるのはルガトの家だったりする。アストとルガトが「どうしても私と一緒に過ごしたい」と言ったせいだった。因みにジェイド達は、怪我をしたおじさんやペロ、エクウスと一緒にデューカスの屋敷にいる。
そのルガトの家は現在引越し作業に伴い、いるものといらないもの、長男とその嫁に贈るものと屋敷に残る二人が使うと言ったもの、屋敷に残しておくものの整理の真っ最中なのだ。
表向きは病弱な娘に会いに行くという話になっているだけなのに、ルガトやその奥さん、アストの二番目の兄も一緒になって住まいと住む国自体も変えてしまおうというのだから、なんとも豪快な一家である。
宰相を辞めたルガトはともかく、二番目の兄の仕事は大丈夫なのか、そこまでする必要はあるのかと心配するものの結局は自分の家のことではないし、残る本人達も出ていく本人達も大丈夫と言っているのだから大丈夫なんだろう。
私の隣では、アストが同じく屋敷の一角に生えている火炎草を、そこら辺に落ちている石に合成して魔導石を作っていた。
魔導石とは、謂わば時代劇なんかに出てくる火打石みたいなもので、竈や暖炉に魔導石をいれ、その魔導石に薪や火を起こすための木を打ち付けると石自体が発火するのだ。
魔導石を作れるのは、今のところ神殿関係だとアストのような最高位の巫女や神官や巫女の一部と、巫女から知識を授けられた一部の専門職のみ。一本の火炎草から、大小様々な石一キロ前後(場合によっては二キロ近く)を魔導石に変える事が出来るので、作れる人が少なくても需要と供給が充分間に合うのだ。
火炎草自体を直接入れてもいいのだが、火炎草を使う場合は草を乾燥させて粉にし、火の中にくべないと使えない上、使い方を間違えると火傷をするという素人では何とも扱いづらい草なのだ。生のまま使えなくもないが、魔導石や粉のように火力が上がるわけではないため、かなり使い勝手が悪い。
因みに、商人がダンジョンに潜ってアイテムを集めるとあるゲームみたいに、口に含んで口から火を吐いてモンスターを倒す、なんてことは出来ない。
私自身は合成は出来ないが、解毒薬や薬草のように丸薬の形にすることが出来る。それを投げつけて小さな爆発を起こすことが出来るのだが、正直、需要がない上に危ないので作ったりはしない。なんせ、爆竹以上ダイナマイト未満の威力が高過ぎる代物だから、投げた本人も怪我しかねないのが難点だったりする。
「んー、私の方はこんなもんかな。アストの方はどう?」
「わたくしもだいたい出来ましたわ。それにしても、サクラが下さったこのキンチャクと言う小さな袋は、サイズを分けて入れられるからとても便利ですわね」
「そうだね。印を決めて巾着に印をつけておけば、誰が見ても中に何が入っているかすぐに分かるし」
「そうですわね。お母様も『宝石を入れるのに便利ですわ』なんて仰っていました」
にっこり笑ってそう言ったアストに、思わず苦笑してしまう。
そもそも、巾着のことを母親に話したのはアストだ。私がリュックの中身を整理するために中身を出していると、アストに「その袋状の布は何ですの?」と聞かれたことから巾着の説明をしたら、アストが欲しいと言いだしたのだ。
いらない紐をもらって使っていない巾着に紐を通してからそれを渡して使い方を説明したのだが、アストがそれを母親に見せたところ、母親も、アストの兄嫁も、屋敷で働く女性達も欲しいと言ったがために、いらない布と紐を使って作り方を説明する羽目になってしまったのだ。
アストに至っては「子供たちにはキンチャクではなく、サクラが使っているそのカバンが欲しいのですが」と言ったのだが、布は重ねれば丈夫になるからいいとして、太めの糸がないとのことなのでそれが手に入るまで保留である。
「これだけあればあのおじさんも喜ぶね」
「そうですわね。後はお父様達の準備が整うのを待つだけですわ」
わくわくしながら楽しそうに話すアスト。自分の両親や兄、子供たちや好きな人、懐かしい神殿関係者と一緒に旅が出来ることがよっぽど嬉しいのだろう。
そもそも傷薬や解毒薬、魔導石を作っていたのは私が助けたおじさんが自分の国で道具屋を営んでいて、店に置く商品を仕入れるためにユースレスに行く途中だったらしい。傷が癒えたおじさんがどうしてもユースレスに行かなけばならないと言ったのでその理由を聞くと、傷薬や解毒薬はシュタールよりもユースレスの方が上質な物が多く、それなりに安く買えるからといった理由だった。
だが、現在のユースレスは治安が危ないこと、私やアストがそういったものを作れることを理由にデューカスの屋敷に留まるように言い、その見返りとしておじさんの国に着いていくことなどを承諾させて商談成立となった。
おじさんがいる国は、レーテが嫁いだセレーノ国よりも更に東にある。ユースレスから直線距離で東の方にあたるが、その国とユースレスの間には山脈があり、道も整備されていないために山脈を迂回するようにボルダードやセレーノを経由しないとシュタールやユースレスに行けないらしい。シュタールに来るまで十日間ほどで、商品仕入れの旅としてはかなり早いペースだったそうだ。
おじさんとアストを助け、ルガトの屋敷に来てそろそろ十日。商品の目処がついたおじさんが「そろそろ国に帰りたい」と漏らしたことで、ルガト達は慌てて出発と言う名の引越し準備を始めたのだった。
「トリィ、セレシェイラ殿、準備が整ったよ」
「え、たった今まで、お屋敷の中はバタバタしてましたよね?!」
「ん? ああ、あれは本当に必要のないものを処分しているだけですからな。出立しようと思えば、いつでも出来るのです」
「はあ、そうですか……」
「後は、デューカス殿の準備が整えば……おや、噂をすれば」
ルガトの声に振り向くと、デューカスとイプセンとおじさん、ラーディやジェイド達がルガトの家の門番と話しているところだった。それを見やると立ち上がって土や薬草なんかの葉を掃うと、側に置いていたリュックを背負って刀を腰に差す。少し離れた場所にいたカムイは、私が立ち上がると同時に側に寄って来ている。
「では、そろそろ参りましょうかな」
「…………この大所帯で、ですか?」
ルガトの家の玄関先には、ルガトとその奥さんのユディエラ、アストの次兄のロルフ、アスト、アストの息子二人、その乳母二人。
デューカス達は、デューカス、イプセン、侍女らしき女性。
ジェイド達七人。
道具屋のおじさん――ウォーグさんと言う――の側には、ペロとエクウス。
そして、私とカムイ。
人間だけでも二十人になってしまい、その全員の格好だけをみれば、商人とその雇い主と護衛騎士や兵士と言った感じで、一体何処の商隊キャラバンだといった感じだった。これはこれで旅は楽しいだろうし安心だろうけど、今の私は一人旅がしてみたい。もしくは、暫く皆一緒に旅をして拠点となるところや住むところを見つけてから一人旅をするかの二つに一つだが、ジェイド達に見つかってしまった以上、暫く一人旅は無理っぽい。
でも。それでも私は、一人旅がしてみたいのだ。
そう思いつつも、とりあえず皆と一緒にルガトの屋敷を後にする。抜け出す機会を窺いながら。でも。
――こっそりカムイの背に揺られて逃げ出す筈が必ず誰かに見つかってしまい、暫く大所帯で移動する羽目になった。
しかも、あれだけ人数がいるのにも関わらず、釣りや狩りが出来ても料理が出来るのはハンナとスニルのみと聞いてしまっては、逃げるに逃げられなくなってしまった。
サバイバルや大所帯の合宿に慣れている私にしてみれば、大所帯の料理を作ったことがない二人では心もとなかったのだ。最初の夜営でそれが判ってしまったのだから、どうしようもない。
(私ってばお人好しなのかな……)
何気に厄介事に巻き込まれ体質なのかも……と内心溜息をつきながらも、料理を覚えたいと言ったユディエラとアルブルク家の侍女のミュラ、ハンナとスニルの五人で晩ごはんを作るのだった。
「畏まりました!」
「奥様、宝石商と美術商の方がおみえになりました」
「この箱とこの箱、それとこの箱以外の宝石類はわたくしに、この箱はフリディカに、それ以外の宝石類は別の部屋に纏めてある美術品や骨董品と一緒に売って構いませんわ!」
「畏まりました!」
背後にある屋敷の開け放たれた窓から漏れ聞こえる声に「ドレスや宝石類、美術品や骨董品まで売るんかい」と突っ込みを入れながら、私は屋敷の裏に生えていた毒草を解毒薬に、薬草を傷薬に変えていた。きちんと囲いが成されているから、生えているというよりは栽培されている、といった感じの方が強い。
その屋敷の中はてんやわんやの大騒ぎである。
現在私やカムイがいるのはルガトの家だったりする。アストとルガトが「どうしても私と一緒に過ごしたい」と言ったせいだった。因みにジェイド達は、怪我をしたおじさんやペロ、エクウスと一緒にデューカスの屋敷にいる。
そのルガトの家は現在引越し作業に伴い、いるものといらないもの、長男とその嫁に贈るものと屋敷に残る二人が使うと言ったもの、屋敷に残しておくものの整理の真っ最中なのだ。
表向きは病弱な娘に会いに行くという話になっているだけなのに、ルガトやその奥さん、アストの二番目の兄も一緒になって住まいと住む国自体も変えてしまおうというのだから、なんとも豪快な一家である。
宰相を辞めたルガトはともかく、二番目の兄の仕事は大丈夫なのか、そこまでする必要はあるのかと心配するものの結局は自分の家のことではないし、残る本人達も出ていく本人達も大丈夫と言っているのだから大丈夫なんだろう。
私の隣では、アストが同じく屋敷の一角に生えている火炎草を、そこら辺に落ちている石に合成して魔導石を作っていた。
魔導石とは、謂わば時代劇なんかに出てくる火打石みたいなもので、竈や暖炉に魔導石をいれ、その魔導石に薪や火を起こすための木を打ち付けると石自体が発火するのだ。
魔導石を作れるのは、今のところ神殿関係だとアストのような最高位の巫女や神官や巫女の一部と、巫女から知識を授けられた一部の専門職のみ。一本の火炎草から、大小様々な石一キロ前後(場合によっては二キロ近く)を魔導石に変える事が出来るので、作れる人が少なくても需要と供給が充分間に合うのだ。
火炎草自体を直接入れてもいいのだが、火炎草を使う場合は草を乾燥させて粉にし、火の中にくべないと使えない上、使い方を間違えると火傷をするという素人では何とも扱いづらい草なのだ。生のまま使えなくもないが、魔導石や粉のように火力が上がるわけではないため、かなり使い勝手が悪い。
因みに、商人がダンジョンに潜ってアイテムを集めるとあるゲームみたいに、口に含んで口から火を吐いてモンスターを倒す、なんてことは出来ない。
私自身は合成は出来ないが、解毒薬や薬草のように丸薬の形にすることが出来る。それを投げつけて小さな爆発を起こすことが出来るのだが、正直、需要がない上に危ないので作ったりはしない。なんせ、爆竹以上ダイナマイト未満の威力が高過ぎる代物だから、投げた本人も怪我しかねないのが難点だったりする。
「んー、私の方はこんなもんかな。アストの方はどう?」
「わたくしもだいたい出来ましたわ。それにしても、サクラが下さったこのキンチャクと言う小さな袋は、サイズを分けて入れられるからとても便利ですわね」
「そうだね。印を決めて巾着に印をつけておけば、誰が見ても中に何が入っているかすぐに分かるし」
「そうですわね。お母様も『宝石を入れるのに便利ですわ』なんて仰っていました」
にっこり笑ってそう言ったアストに、思わず苦笑してしまう。
そもそも、巾着のことを母親に話したのはアストだ。私がリュックの中身を整理するために中身を出していると、アストに「その袋状の布は何ですの?」と聞かれたことから巾着の説明をしたら、アストが欲しいと言いだしたのだ。
いらない紐をもらって使っていない巾着に紐を通してからそれを渡して使い方を説明したのだが、アストがそれを母親に見せたところ、母親も、アストの兄嫁も、屋敷で働く女性達も欲しいと言ったがために、いらない布と紐を使って作り方を説明する羽目になってしまったのだ。
アストに至っては「子供たちにはキンチャクではなく、サクラが使っているそのカバンが欲しいのですが」と言ったのだが、布は重ねれば丈夫になるからいいとして、太めの糸がないとのことなのでそれが手に入るまで保留である。
「これだけあればあのおじさんも喜ぶね」
「そうですわね。後はお父様達の準備が整うのを待つだけですわ」
わくわくしながら楽しそうに話すアスト。自分の両親や兄、子供たちや好きな人、懐かしい神殿関係者と一緒に旅が出来ることがよっぽど嬉しいのだろう。
そもそも傷薬や解毒薬、魔導石を作っていたのは私が助けたおじさんが自分の国で道具屋を営んでいて、店に置く商品を仕入れるためにユースレスに行く途中だったらしい。傷が癒えたおじさんがどうしてもユースレスに行かなけばならないと言ったのでその理由を聞くと、傷薬や解毒薬はシュタールよりもユースレスの方が上質な物が多く、それなりに安く買えるからといった理由だった。
だが、現在のユースレスは治安が危ないこと、私やアストがそういったものを作れることを理由にデューカスの屋敷に留まるように言い、その見返りとしておじさんの国に着いていくことなどを承諾させて商談成立となった。
おじさんがいる国は、レーテが嫁いだセレーノ国よりも更に東にある。ユースレスから直線距離で東の方にあたるが、その国とユースレスの間には山脈があり、道も整備されていないために山脈を迂回するようにボルダードやセレーノを経由しないとシュタールやユースレスに行けないらしい。シュタールに来るまで十日間ほどで、商品仕入れの旅としてはかなり早いペースだったそうだ。
おじさんとアストを助け、ルガトの屋敷に来てそろそろ十日。商品の目処がついたおじさんが「そろそろ国に帰りたい」と漏らしたことで、ルガト達は慌てて出発と言う名の引越し準備を始めたのだった。
「トリィ、セレシェイラ殿、準備が整ったよ」
「え、たった今まで、お屋敷の中はバタバタしてましたよね?!」
「ん? ああ、あれは本当に必要のないものを処分しているだけですからな。出立しようと思えば、いつでも出来るのです」
「はあ、そうですか……」
「後は、デューカス殿の準備が整えば……おや、噂をすれば」
ルガトの声に振り向くと、デューカスとイプセンとおじさん、ラーディやジェイド達がルガトの家の門番と話しているところだった。それを見やると立ち上がって土や薬草なんかの葉を掃うと、側に置いていたリュックを背負って刀を腰に差す。少し離れた場所にいたカムイは、私が立ち上がると同時に側に寄って来ている。
「では、そろそろ参りましょうかな」
「…………この大所帯で、ですか?」
ルガトの家の玄関先には、ルガトとその奥さんのユディエラ、アストの次兄のロルフ、アスト、アストの息子二人、その乳母二人。
デューカス達は、デューカス、イプセン、侍女らしき女性。
ジェイド達七人。
道具屋のおじさん――ウォーグさんと言う――の側には、ペロとエクウス。
そして、私とカムイ。
人間だけでも二十人になってしまい、その全員の格好だけをみれば、商人とその雇い主と護衛騎士や兵士と言った感じで、一体何処の商隊キャラバンだといった感じだった。これはこれで旅は楽しいだろうし安心だろうけど、今の私は一人旅がしてみたい。もしくは、暫く皆一緒に旅をして拠点となるところや住むところを見つけてから一人旅をするかの二つに一つだが、ジェイド達に見つかってしまった以上、暫く一人旅は無理っぽい。
でも。それでも私は、一人旅がしてみたいのだ。
そう思いつつも、とりあえず皆と一緒にルガトの屋敷を後にする。抜け出す機会を窺いながら。でも。
――こっそりカムイの背に揺られて逃げ出す筈が必ず誰かに見つかってしまい、暫く大所帯で移動する羽目になった。
しかも、あれだけ人数がいるのにも関わらず、釣りや狩りが出来ても料理が出来るのはハンナとスニルのみと聞いてしまっては、逃げるに逃げられなくなってしまった。
サバイバルや大所帯の合宿に慣れている私にしてみれば、大所帯の料理を作ったことがない二人では心もとなかったのだ。最初の夜営でそれが判ってしまったのだから、どうしようもない。
(私ってばお人好しなのかな……)
何気に厄介事に巻き込まれ体質なのかも……と内心溜息をつきながらも、料理を覚えたいと言ったユディエラとアルブルク家の侍女のミュラ、ハンナとスニルの五人で晩ごはんを作るのだった。
8
あなたにおすすめの小説
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。
四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」
突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる