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第28話 1つ屋根の下で暮らす提案をする正妻
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騒然とするルワード公爵家。
コリンナが乗り込んできてルビーが魔法を繰り出すまでの時間は2分に足らないくらい。あっという間の出来事だったので3階に部屋があるルワード公爵夫妻が駆けつけて来た時にはコリンナの手が後ろ手に縛りあげられた後だった。
ルワード公爵夫妻から更に遅れる事10分。エクセがやってきた。
「コレは一体どういう事だ。この女は本宅にはまだ入れない。そういう約束だっただろう!」
エクセもルビーと結婚となった時に、どうしてそうするのか。何度も説明をされていた。
エクセが父に言われたように、エクセはコリンナにもちゃんと説明をしたのだ。だからコリンナが本宅に来ることはなかったし、どこかに出かける時もコリンナは正門ではなく裏門から出入りをしていた。
なのに鉈を庭師から盗み、ルビーを襲おうとしたことにエクセも驚き、「こっちが知りたい」とルワード公爵に嚙みついた。
「エクセが…エクセが別れるって言うから!アタシは悪くない!アタシはちゃんと言われたことは守ってきたし、早く一緒に住めるように!後継ぎだって産めるように頑張ったの!どうせあんたが体でエクセを誘惑したんでしょう?!この売女ッ!」
――ないない。ないわぁ――
誘惑どころか、エクセと話をした事も本当に少ししかない。
ルワード公爵家に来て一緒に食事なんて1日3食チャンスはあるけれど、ただの1度もないのだ。
初夜の夜にちょこっと話をして、その次は使用人やその子供に文字を教えているといきなり部屋にやって来て結局何がしたかったのか、言いたかったのかも判らない。
体で誘惑と言うが、双璧は明らかにコリンナの方が豊かで例えるならコリンナは育ちすぎたスイカで、ルビーは誇張をしたら姫リンゴだろうか。
――確かに世の中には貧乳好きもいるとは言うけど――
だとしても人間の性癖がそう簡単に代わるはずもなく、エクセのタイプはおそらくコリンナ。
別れようと言われたのならその原因はルビー以外にあるはず。
――きっと長く付き合っているから倦怠期なのね――
ならばこの場合解決方法は1つだ。
「あのぅ…ルワード公爵様」
「ルビー。どうしたんだ?」
「彼女、夫人の部屋も空いてますし、2階でエクセ様と生活をしてみたらどうでしょう。きっと同じ敷地内と言えど本宅と離れですし、名目上、書面上と言え正妻という立場の女性がいると不安になったんだと思うんです。この通り私はこれからの事業で忙しいですし、エクセ様とは基本的に接点がないというのを一緒に住めば解って頂けると思うんですよね」
しかし、これには何故かエクセとサーディス、そしてエルヴィーが声を揃えて言う。
<< 絶対にダメだ >>
「何故ダメなんです?エクセ様」
「コリンナとはもう別れると決めたんだ。これからは君の事を1番に――」
「却下です。そもそもで初夜にご自分が何と言われたか覚えていらっしゃいます?愛する人がいるんですよね?私は書面上の妻と念押しされましたよね?私はアナタの言葉の通り自由にさせて頂いておりますが、前言撤回をされるのであればこの結婚そのものも王家を交えて撤回するくらいの覚悟でお願いします」
「王家だなんて…無理だよ」
「その無理。道理を引っ込めて無理を押し通したんです。周囲がどれだけ迷惑を被っているかも考えない浅はかな言動。反省するのは大いに結構ですが引き返せない所まできて何甘えた事を言ってるんです?」
「だってこの女!子供までいるんだ!僕はずっと騙されていたんだ」
ヒュっとコリンナが息を飲む音が聞こえるがルビーは介しない。
「それが何です?子供の1人や2人」
「3人だ」
「・・・・(人数の問題じゃないわよ)」
「知ってたの?」コリンナは泣きそうな声で小さく呟くと、エクセはクワっと目を大きく広げ捲し立てた。
「何もかも知ってるさ!祖父母?祖父なんかいないじゃないか!母親も祖母もお前の子供の世話で手一杯!病気になろうが怪我をしようが痛いだなんだと言ってられない程にな!その上借金まであるなんて!とんだ大噓つき、さっきルビーの事を売女と言ったがお前の方が売女だ!何が母親の顔が見たいだ!10人以上の男と楽しんで最低だな!」
今にも縛られたコリンナに飛び掛かりそうなエクセだったが、ルビーはやはり意に介さない。
夫婦にだってお互い秘密を抱えるもの。
知らなかったから騙されたなんて言い訳にもならない。
その程度で壊れるような愛で王家まで出張ったとなれば大変な騒ぎになる。
これはもうとっとと仲直りをして頂き、コリンナの市井に住む家族は公爵家で話し合って落としどころを決めて貰わないと周囲がまた迷惑をする。
「ルワード公爵様、とどのつまり痴話喧嘩ですわ。男と女ですから倦怠期と申しますかそう言うこともあるでしょう。子供については私はどうでもいいので公爵家でどうするかお決めください。どの道私はコリンナさんが産んだ子を、私が産んだ子として届け出るという約束の元でここにいるだけですので」
余りにもあっさりとルビーが取り決めを認めている風に言うし、ルビーは自身が死んだことになる話まで受け入れているのだから完全に腹を括っている。ルワード公爵の方が怯んでしまった。
「ならルビーはこの女と一つ屋根の下で暮らしても良いというのか?」
「良いか悪いかではなく、ありもしない妄想でまた鉈を振り回されては堪りません。庭師さんの鉈を鉄くずにしたのは私なので、私が弁償しますが2度も3度も茶番や痴話喧嘩に巻き込まれるのはごめんです。こんな事にお金は使いたくないので」
「いいや!ダメだ!こんな危険な場所には置いておけない。ルビーはコハマ家に引き取らせてもらう!」
サーディスがルビーの腕をグイっと引っ張り、ルワード公爵を睨みつけた。
コリンナが乗り込んできてルビーが魔法を繰り出すまでの時間は2分に足らないくらい。あっという間の出来事だったので3階に部屋があるルワード公爵夫妻が駆けつけて来た時にはコリンナの手が後ろ手に縛りあげられた後だった。
ルワード公爵夫妻から更に遅れる事10分。エクセがやってきた。
「コレは一体どういう事だ。この女は本宅にはまだ入れない。そういう約束だっただろう!」
エクセもルビーと結婚となった時に、どうしてそうするのか。何度も説明をされていた。
エクセが父に言われたように、エクセはコリンナにもちゃんと説明をしたのだ。だからコリンナが本宅に来ることはなかったし、どこかに出かける時もコリンナは正門ではなく裏門から出入りをしていた。
なのに鉈を庭師から盗み、ルビーを襲おうとしたことにエクセも驚き、「こっちが知りたい」とルワード公爵に嚙みついた。
「エクセが…エクセが別れるって言うから!アタシは悪くない!アタシはちゃんと言われたことは守ってきたし、早く一緒に住めるように!後継ぎだって産めるように頑張ったの!どうせあんたが体でエクセを誘惑したんでしょう?!この売女ッ!」
――ないない。ないわぁ――
誘惑どころか、エクセと話をした事も本当に少ししかない。
ルワード公爵家に来て一緒に食事なんて1日3食チャンスはあるけれど、ただの1度もないのだ。
初夜の夜にちょこっと話をして、その次は使用人やその子供に文字を教えているといきなり部屋にやって来て結局何がしたかったのか、言いたかったのかも判らない。
体で誘惑と言うが、双璧は明らかにコリンナの方が豊かで例えるならコリンナは育ちすぎたスイカで、ルビーは誇張をしたら姫リンゴだろうか。
――確かに世の中には貧乳好きもいるとは言うけど――
だとしても人間の性癖がそう簡単に代わるはずもなく、エクセのタイプはおそらくコリンナ。
別れようと言われたのならその原因はルビー以外にあるはず。
――きっと長く付き合っているから倦怠期なのね――
ならばこの場合解決方法は1つだ。
「あのぅ…ルワード公爵様」
「ルビー。どうしたんだ?」
「彼女、夫人の部屋も空いてますし、2階でエクセ様と生活をしてみたらどうでしょう。きっと同じ敷地内と言えど本宅と離れですし、名目上、書面上と言え正妻という立場の女性がいると不安になったんだと思うんです。この通り私はこれからの事業で忙しいですし、エクセ様とは基本的に接点がないというのを一緒に住めば解って頂けると思うんですよね」
しかし、これには何故かエクセとサーディス、そしてエルヴィーが声を揃えて言う。
<< 絶対にダメだ >>
「何故ダメなんです?エクセ様」
「コリンナとはもう別れると決めたんだ。これからは君の事を1番に――」
「却下です。そもそもで初夜にご自分が何と言われたか覚えていらっしゃいます?愛する人がいるんですよね?私は書面上の妻と念押しされましたよね?私はアナタの言葉の通り自由にさせて頂いておりますが、前言撤回をされるのであればこの結婚そのものも王家を交えて撤回するくらいの覚悟でお願いします」
「王家だなんて…無理だよ」
「その無理。道理を引っ込めて無理を押し通したんです。周囲がどれだけ迷惑を被っているかも考えない浅はかな言動。反省するのは大いに結構ですが引き返せない所まできて何甘えた事を言ってるんです?」
「だってこの女!子供までいるんだ!僕はずっと騙されていたんだ」
ヒュっとコリンナが息を飲む音が聞こえるがルビーは介しない。
「それが何です?子供の1人や2人」
「3人だ」
「・・・・(人数の問題じゃないわよ)」
「知ってたの?」コリンナは泣きそうな声で小さく呟くと、エクセはクワっと目を大きく広げ捲し立てた。
「何もかも知ってるさ!祖父母?祖父なんかいないじゃないか!母親も祖母もお前の子供の世話で手一杯!病気になろうが怪我をしようが痛いだなんだと言ってられない程にな!その上借金まであるなんて!とんだ大噓つき、さっきルビーの事を売女と言ったがお前の方が売女だ!何が母親の顔が見たいだ!10人以上の男と楽しんで最低だな!」
今にも縛られたコリンナに飛び掛かりそうなエクセだったが、ルビーはやはり意に介さない。
夫婦にだってお互い秘密を抱えるもの。
知らなかったから騙されたなんて言い訳にもならない。
その程度で壊れるような愛で王家まで出張ったとなれば大変な騒ぎになる。
これはもうとっとと仲直りをして頂き、コリンナの市井に住む家族は公爵家で話し合って落としどころを決めて貰わないと周囲がまた迷惑をする。
「ルワード公爵様、とどのつまり痴話喧嘩ですわ。男と女ですから倦怠期と申しますかそう言うこともあるでしょう。子供については私はどうでもいいので公爵家でどうするかお決めください。どの道私はコリンナさんが産んだ子を、私が産んだ子として届け出るという約束の元でここにいるだけですので」
余りにもあっさりとルビーが取り決めを認めている風に言うし、ルビーは自身が死んだことになる話まで受け入れているのだから完全に腹を括っている。ルワード公爵の方が怯んでしまった。
「ならルビーはこの女と一つ屋根の下で暮らしても良いというのか?」
「良いか悪いかではなく、ありもしない妄想でまた鉈を振り回されては堪りません。庭師さんの鉈を鉄くずにしたのは私なので、私が弁償しますが2度も3度も茶番や痴話喧嘩に巻き込まれるのはごめんです。こんな事にお金は使いたくないので」
「いいや!ダメだ!こんな危険な場所には置いておけない。ルビーはコハマ家に引き取らせてもらう!」
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