18 / 38
第18話 悶絶の理由
しおりを挟む
――甘い…この男、どこまでも甘い――
そう思ってしまうソシャリーは現在大きなバスタブで湯に浸っている。
「ほら、手。出せ」
パシャっ「はい」
「細いな~。さっきも思ったんだが王都ではちゃんと食べていたのか?」
――えぇ…お腹と二の腕を直視するのが怖いくらいに――
事後、妻の体を労り綺麗にするのは夫の務めだとウィザードはソシャリーの体を洗ってくれている。髪の毛を洗うのがものすごく気持ちいい。
「(わしゃわしゃ)気持ちいいか?」
「はい~。すごく気持ちいいです」
「それは良かった。さっきはごめんな。あんなに痛がると思わなくてさ」
――えぇ。今も異物を抱え込んでいる感じです――
しかし、こんなに献身的に尽くしてくれるものなのだろうか。
足の指の間も丁寧に洗ってくれて行為を抜きにするなら癖になってしまいそうな心地よさ。
「俺はさぁ、春と秋は親父と屋敷を空ける事も多いから一緒にいられる時間は出来るだけ一緒にいようと思ってるんだ」
「どこかにお出かけですの?」
「討伐だな。夏はこの暑さだろ?冬は寒すぎるから自然が守ってくれるが春と秋は敵も動きやすいんだ」
「そんなに敵が侵入してくるんですか?」
「まぁな。ここを落とせば王都を落としたも同じだからなぁ。しっかし…足も細いな。折れそうだ」
――いえ、サーカスの象と変わらないと兄は言ってました――
そんなに細くもないのにきっと女性をあまり見たことがないんだろうなと褒めちぎってくれるウィザードに申し訳なさも感じてしまう。
「よし、これでいい。湯殿から出たら髪も乾かしてやるからな」
「自分で出来ると思いますけど」
自信はない。
伯爵家の令嬢で一通りは自分で出来るが、ポリーにはいつも「しっかりと水気を取らないと!」と拭き上げをされてしまっていた。
「とっておきがあるんだよ。気持ちいいぞ?」
「とっておき?なんですの?」
「自然乾燥装置だ。ちょっと前に寄ってくれるか?」
「前に?こうですか?」
バスタブの中で膝をもう少し折り曲げるように体を前に寄せると、ウィザードが背中を抱きかかえるようにバスタブに入ってきた。
「体を後ろに倒せ」
「え?でも」
「俺に凭れ掛かればいい。溺れやしないって」
結婚の話を受けた時から覚悟はしていたが、ちょっとこんなのは聞いてないし学んでいない。
遠慮をしていると「ほれ!」後ろから二の腕を掴まれて体が後ろに倒れた。
「な?溺れないって。これから一緒にいる時は毎晩だな。ソシャリー」
――ほんとに事後で名前呼びなんだわ――
ならソシャリーも名前でウィザードを呼ばねばならないと思い呼んでみた。
「ウィザード様」
「待て」
――なんでここで待て?――
「名前で呼ばれると…不味い・・洗ったばかりなのに」
お尻のあたりに感じるトランスフォーム。
慌てて体を起こすと意図せずソシャリーの頭がウィザードの顎を直撃した。
ガツッ!!
「うごっ!!」
「ご、ごめんなさい!大丈夫?」
体を反転させた時、ソシャリーの手がウィザードの太ももにおかれた…までは良かったが、ズルっと滑り変化中の部位を体重をかけて押しつぶしてしまった。
「フフォォォーッ!!」
「だっ大丈夫?!」
「だ、だいじょ‥‥うぐぅっ…」
男性にしかわからないこの痛み。
下腹部が温度を失い痛み以外の全ての感覚が消えていく。
快適温度のバスタブの中、ウィザードは全身から冷や汗が噴き出す。
懸命に痛みを堪えていたが「すまない」小さく断りを入れると先にバスタブから出て壁に手を当ててぴょんぴょんと飛び跳ねはじめた。
――変化中に触れちゃいけなかった?――
1人バスタブに取り残されたソシャリーはウィザードの悶絶する原因が判らなかった。
そう思ってしまうソシャリーは現在大きなバスタブで湯に浸っている。
「ほら、手。出せ」
パシャっ「はい」
「細いな~。さっきも思ったんだが王都ではちゃんと食べていたのか?」
――えぇ…お腹と二の腕を直視するのが怖いくらいに――
事後、妻の体を労り綺麗にするのは夫の務めだとウィザードはソシャリーの体を洗ってくれている。髪の毛を洗うのがものすごく気持ちいい。
「(わしゃわしゃ)気持ちいいか?」
「はい~。すごく気持ちいいです」
「それは良かった。さっきはごめんな。あんなに痛がると思わなくてさ」
――えぇ。今も異物を抱え込んでいる感じです――
しかし、こんなに献身的に尽くしてくれるものなのだろうか。
足の指の間も丁寧に洗ってくれて行為を抜きにするなら癖になってしまいそうな心地よさ。
「俺はさぁ、春と秋は親父と屋敷を空ける事も多いから一緒にいられる時間は出来るだけ一緒にいようと思ってるんだ」
「どこかにお出かけですの?」
「討伐だな。夏はこの暑さだろ?冬は寒すぎるから自然が守ってくれるが春と秋は敵も動きやすいんだ」
「そんなに敵が侵入してくるんですか?」
「まぁな。ここを落とせば王都を落としたも同じだからなぁ。しっかし…足も細いな。折れそうだ」
――いえ、サーカスの象と変わらないと兄は言ってました――
そんなに細くもないのにきっと女性をあまり見たことがないんだろうなと褒めちぎってくれるウィザードに申し訳なさも感じてしまう。
「よし、これでいい。湯殿から出たら髪も乾かしてやるからな」
「自分で出来ると思いますけど」
自信はない。
伯爵家の令嬢で一通りは自分で出来るが、ポリーにはいつも「しっかりと水気を取らないと!」と拭き上げをされてしまっていた。
「とっておきがあるんだよ。気持ちいいぞ?」
「とっておき?なんですの?」
「自然乾燥装置だ。ちょっと前に寄ってくれるか?」
「前に?こうですか?」
バスタブの中で膝をもう少し折り曲げるように体を前に寄せると、ウィザードが背中を抱きかかえるようにバスタブに入ってきた。
「体を後ろに倒せ」
「え?でも」
「俺に凭れ掛かればいい。溺れやしないって」
結婚の話を受けた時から覚悟はしていたが、ちょっとこんなのは聞いてないし学んでいない。
遠慮をしていると「ほれ!」後ろから二の腕を掴まれて体が後ろに倒れた。
「な?溺れないって。これから一緒にいる時は毎晩だな。ソシャリー」
――ほんとに事後で名前呼びなんだわ――
ならソシャリーも名前でウィザードを呼ばねばならないと思い呼んでみた。
「ウィザード様」
「待て」
――なんでここで待て?――
「名前で呼ばれると…不味い・・洗ったばかりなのに」
お尻のあたりに感じるトランスフォーム。
慌てて体を起こすと意図せずソシャリーの頭がウィザードの顎を直撃した。
ガツッ!!
「うごっ!!」
「ご、ごめんなさい!大丈夫?」
体を反転させた時、ソシャリーの手がウィザードの太ももにおかれた…までは良かったが、ズルっと滑り変化中の部位を体重をかけて押しつぶしてしまった。
「フフォォォーッ!!」
「だっ大丈夫?!」
「だ、だいじょ‥‥うぐぅっ…」
男性にしかわからないこの痛み。
下腹部が温度を失い痛み以外の全ての感覚が消えていく。
快適温度のバスタブの中、ウィザードは全身から冷や汗が噴き出す。
懸命に痛みを堪えていたが「すまない」小さく断りを入れると先にバスタブから出て壁に手を当ててぴょんぴょんと飛び跳ねはじめた。
――変化中に触れちゃいけなかった?――
1人バスタブに取り残されたソシャリーはウィザードの悶絶する原因が判らなかった。
2,055
あなたにおすすめの小説
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい
高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。
だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。
クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。
ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。
【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】
私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません
藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は
愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。
夫が愛人を持つことも、
その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。
けれど――
跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。
その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。
私は悟ったのだ。
この家では、息子を守れないと。
元々、実家との間には
「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。
ならば話は簡単だ。
役目を終えた私は、離縁を選ぶ。
息子と共に、この家を去るだけ。
後悔しているようですが――
もう、私の知るところではありません。
結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?
秋月一花
恋愛
本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。
……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。
彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?
もう我慢の限界というものです。
「離婚してください」
「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」
白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?
あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。
※カクヨム様にも投稿しています。
【完結】旦那は堂々と不倫行為をするようになったのですが離婚もさせてくれないので、王子とお父様を味方につけました
よどら文鳥
恋愛
ルーンブレイス国の国家予算に匹敵するほどの資産を持つハイマーネ家のソフィア令嬢は、サーヴィン=アウトロ男爵と恋愛結婚をした。
ソフィアは幸せな人生を送っていけると思っていたのだが、とある日サーヴィンの不倫行為が発覚した。それも一度や二度ではなかった。
ソフィアの気持ちは既に冷めていたため離婚を切り出すも、サーヴィンは立場を理由に認めようとしない。
更にサーヴィンは第二夫妻候補としてラランカという愛人を連れてくる。
再度離婚を申し立てようとするが、ソフィアの財閥と金だけを理由にして一向に離婚を認めようとしなかった。
ソフィアは家から飛び出しピンチになるが、救世主が現れる。
後に全ての成り行きを話し、ロミオ=ルーンブレイス第一王子を味方につけ、更にソフィアの父をも味方につけた。
ソフィアが想定していなかったほどの制裁が始まる。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
王命での結婚がうまくいかなかったので公妾になりました。
しゃーりん
恋愛
婚約解消したばかりのルクレツィアに王命での結婚が舞い込んだ。
相手は10歳年上の公爵ユーグンド。
昔の恋人を探し求める公爵は有名で、国王陛下が公爵家の跡継ぎを危惧して王命を出したのだ。
しかし、公爵はルクレツィアと結婚しても興味の欠片も示さなかった。
それどころか、子供は養子をとる。邪魔をしなければ自由だと言う。
実家の跡継ぎも必要なルクレツィアは子供を産みたかった。
国王陛下に王命の取り消しをお願いすると三年後になると言われた。
無駄な三年を過ごしたくないルクレツィアは国王陛下に提案された公妾になって子供を産み、三年後に離婚するという計画に乗ったお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる