俺のスキルが無だった件

しょうわな人

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その後の件

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 俺たちはその後、大陸中を旅してまわり海を越えて違う大陸にも向かったんだ。
 
 そこでもSSS級やx級の人々を困らせていた魔物を退治していたら、サヤとマコトがSSS級に俺がy級にと冒険者ランクがアップしていた。
 更にその大陸も二年かけて旅してまわり、いよいよこの世界、最後の大陸へと渡ったんだ。
 もちろんだが合間で魔境の洞窟へ行き、コアに魔力を与えていたし、王国カインへ行き出来上がった魔導具、車も試乗したり、観光温泉村にも行って金精様やコンカッセと何故か来ていたヤーマーラの国王と裸の付き合いをしたりもしているぞ。

 最後の大陸では遂にケンジさんとアカネさんに出会った。そこで驚いたのは、何とアカネさんが男児を出産していた事だった。
 子育ての為に一時的に冒険者の仕事を辞めているアカネさんは、マコトに弟を見せながらこう言った。

「孫の顔を見る前に自分の子が産まれるとは思ってなかったわ。トウジさん、早く孫の顔を見せてね」

 はい、お義母さんすみません。自分たちの楽しみを優先してしまって……

 ケンジさんは現在SSS級認定を受けている。後進の育成を主にしているそうだ。

「中には筋の良い奴が多くいてな。俺の蒼天流を教えてるのも居るんだ。その内武闘家として名を馳せると思う」

 と楽しそうに話していた。俺たちはひと月、その町で過ごしそれからエイダスとエルに会いに行った。エイダスとエルもこの大陸に来ていて、とある料理屋のアドバイザー兼素材卸しをしているそうらしい。

 エイダスとエルにも子供が産まれていたよ。

「サヤちゃん、マコトちゃん!!」

 エルが母になった貫禄の笑顔を見せている。サヤとマコトも嬉しそうにエルに駆け寄りその手にすがる幼子を愛でていた。

 俺はエイダスと話をしている。

「トウジよ、俺とエルはそろそろゴルバード王国に戻るつもりなんだ。お前はこれからどうするんだ?」

「そうか、戻るのか。俺たちもそろそろ戻ろうかなと思ってるんだ。マクド王やナッツンからも催促されてるしな。この大陸も旅してまわったしな」

 俺の返答にエイダスが

「そうか、それなら俺たちと一緒に戻らないか? 俺たちはあの店を再開するようにマクド王から頼まれてるんだ。コチラの料理屋は魔物を卸す後進はもう育ったし、そろそろ良いだろうと考えているんだよ」

 そう言ってきた。その夜、宿屋でサヤとマコトにその話をすると、二人とも

「うん、そろそろ戻ってもいいね」
「私も賛成。落ち着いたら子供が欲しいな……」

 と、言ったので翌朝俺はエイダスに俺たちも戻るよと伝えた。引き継ぎがあるから二日待ってくれと言われた俺たちは二日間、観光してまわり楽しい時を過ごした。

 そして、エイダスとエルと子供を連れて先ずは観光温泉村へと無空間で飛んだ。 

「おお! 久しいの! 良いマグワイをしたようじゃな。可愛い子じゃ。ほれ、もちっと近くにおいで」

 金精様がエイダスとエルの子に優しくそう声をかける。そして、エイダスとエルが止める間もなく祝福を授けた。

「こ、金精様!?」「何を授けたの!?」

 慌てる二人に俺は落ち着くように言う。

「心配するなよ。金精様は子供には健やかに育つようにと体が少しだけ病気や怪我に負けないように祝福して下さっただけだから」

 俺の言葉にホッとする二人。

「そんなに慌てずとも、我だって子供にマグワイの祝福はせぬわっ!!」

 と少しだけ拗ねた金精様に平謝りするエイダスとエル。そこにまた面白い情報がコクアからもたらされた。

「そうそう、エーメイさんとツキミさんが先月来てたわよ。赤ちゃんと一緒に。可愛らしい女の子だったわ」

 その言葉に固まるエイダスと、まあ! と言って喜ぶエル。

「えっと…… 俺の妹だよな……」

 やっと言葉を発したエイダスの呟きが面白かったよ。金精様やコクア、コンカッセには俺たちがゴルバード王国の王都に戻ることを伝えて、観光温泉村を後にした。

 そして、戻ってきた俺たちを待っていたのは……

「この度、トウジ・カミシロに公爵家を興す事を願う!」

 というマクド王の無茶ぶりだった……

「いや、ちょっと待てーいっ!? 何がどうしてそうなるんだ?」

 俺は敬語も忘れて突っ込んでしまった。

「キヒヒヒ、諦めて下さい、トウジさん。陛下も苦渋の作で願うと言っておられるので、出来れば断らずに受けていただければと思います」

 ナッツンの言葉に俺はマクド王を見る。

「トウジ殿、もはや並ぶ者なきそなたをこの国に留めておきたいのが一つ。そして世界の人々を救ってくれた功績にはほど足りぬが、それでも感謝の気持ちをどうにかして伝えたいと思うのがもう一つなのだ。この公爵位は実は我が国だけでなく、またこの大陸にある国だけでもなく、三つあるこの世界の大陸にある国々からの公爵位だ。どこの国に行こうともトウジ殿はその国で公爵となる。コレは世界中の王による決定だ、どうか受けて欲しい」

 玉座から立ち上がり頭を下げるマクド王を見て俺の妻二人は言う。

「トウジ…… これはもう受けてあげないとマクドくんが世界中の王様から非難されちゃうよ」

 とサヤが言えば、マコトも、

「トウジ、外堀は既に埋まってるわ。諦めましょう」

 と言う。だから俺は条件をマクドくんに言ってみた。

「領地なんかは要らないぞ。家族が住めるだけの土地だけで良いし、貴族の集まりなんかにも顔は出せない。俺は自由に過ごしたいからな。それでも良いなら受けよう」

 俺の条件にマクドくんはホッとした顔をして

「勿論だ、トウジ殿。もとよりトウジ殿を貴族の義務に縛り付けるつもりは各国の王家にもない。土地については王宮の西に既に準備してあるから好きに使用して欲しい」

 王宮の西って…… 何かあったら直ぐに呼び出す気が満々な気がするけど…… まあ、良いか。

 俺は仕方なく了承したんだ。そのマクドくんだが、独身のままだ。後継はどうするんだと聞くと、

「姉上とユウキ殿の子を立太子してある。既に三歳だが聡明な子だ。金精様に祝福も頂いておるし、このまま育ってくれたなら立派な王となってくれるだろう」

 との事だった。ナッツンが後から教えてくれたが、どうやらマクド王は同性愛者だということだ。周囲を誤魔化す為の偽装結婚などはするつもりは無いとナッツンに言ってるそうだ。偽装結婚などして女性を不幸にするつもりは無いとの事らしいよ。

 こうして、俺はトウジ・カミシロ公爵となり、サヤとマコトは公爵夫人となった。
 俺たちも子宝に恵まれたよ。サヤとの間には二人の男児と三人の女児。マコトとの間には三人の男児が産まれた。
 
 コレは俺たちの死後の事だが、サヤとの間に産まれた長男がカミシロ公爵家を継ぎ、次男はカミジョウ侯爵家となり、マコトとの間に産まれた長男はカミクロ公爵家となり、次男、三男はそれぞれ伯爵家となった。
 
 何でそれを知ってるのかって?
 
 俺もサヤもマコトも、何故か無の男神と有の女神の眷族として天界に招かれたからだよ。そこにはアキヒトとヒジリも居る。
 こうして死後二百年経っても、天界から俺たちは子孫たちを見守っている……
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