俺のスキルが無だった件

しょうわな人

文字の大きさ
85 / 92

漸く終わった件

しおりを挟む

「スキル【有効ゆうこう】!」

 ケビン(アキヒト)がスキルを発動した。そして、

「今なら滅するつもりで攻撃したら全て有効になる筈だ。いくぞ!」

 と俺に声をかけてから創造神に斬りかかった。いや、何その格好良いスキル。けどコレで分かった。ケビン(アキヒト)は俺の【】とは真反対の【ゆう】のスキル持ちなんだと。
 でもヒジリもそうだったような…… まあ後から考えよう。俺も直ぐにケビン(アキヒト)に続いて滅するつもりで創造神を攻撃した。

 俺達二人が斬った後に消えて逝く腕や体の一部。

「ワシはメノミを愛しておるっ!! グワーッ、き、消える! ワシが消える! ワシが消えたら世界が消えるぞっ!!」

 その言葉にハタと攻撃を止める俺とケビン(アキヒト)。既にもう頭しか残ってないがどうしよう…… ソコでオノミとメノミ、ヒジリ、サヤとマコトが駆けつけた。そして、オノミが俺達に言う。

「トウジくん、アキヒトくん! 世界は消えないから安心してくれ。この日の為に僕とメノミは手を打ってきたんだ。既にこの世界は創造神から外れている」

「トウジくん、アキヒトくん。オノミが言う通りよ。創造神が消えても世界は残るわ」

 それならと俺もケビン(アキヒト)も躊躇せずに頭を斬った。そして、創造神が消えた。

「フウー、終わったか」

「ああ、終わったな。そして、始まりだ!!」

 その言葉と同時に俺に斬りかかって来たケビン(アキヒト)。俺はその刀を受け止めた。鍔迫り合いの状態になる。

「オイオイ、どういうつもりだ? 俺はお前に攻撃される謂れは無い筈だが?」

「いやー、悪いな。あんたに無くても俺にはあるんだ。あんた無回流のトウジだろ? 俺は有界流うかいりゅうのアキって日本で言われてたけど、聞き覚えは?」

「ああ、お前がそうなのか。聞き覚えはあるが、やっぱり攻撃される謂れは無いな」

「フン、眼中に無いって感じだな。俺は事あるごとにあんたの名前を師匠から聞かされて、いつか出会ったら斬ってやるって思ってたんだ。この世界に来た時にはもう会えないと思ったけど、あんたも来てくれたからな。折角だから腕試しだ。どちらが上か、試してみようやっ!!」

 言葉に力がこもり、押し込んでくるアキヒトだが、俺はソレを受け流した。そして、一足一刀の間境まで下がる。気合を込めてアキヒトを見据え、アキヒトが気付かぬ内にアキヒトを一刀両断にした。

「いやー、アキヒト!!」

 ヒジリが叫んで飛び出して来た時には、俺の無傷で怪我一つ無い状態だったけどな。

「いやー、負けた、負けた! 俺では遠く及ばない様だな。流石はあの師匠がべた褒めするだけはある。けど、諦めた訳じゃないぞ。俺も修行してまた再戦を挑ませて貰う」

「いつでも良いぞ」

 俺が返事をした瞬間に、ヒジリとアキヒトが真っ二つになった。驚愕しつつも俺は二人が死ぬ前に無傷をかけ、無碍もかけた。そして、ソコには創造神が立っていた。

「ワシはメノミを愛しておるっ!! 貴様、オノミの眷属よ! ワシを邪魔しおって! 許さん! 許さんぞーっ!!」

 こりゃヤバイ。さっきよりも闇堕ちした神力が溢れかえってるし、持ってる剣も良く斬れそうだ。俺はサヤとマコトにも無碍をかけて隠した。

「全く、あんたみたいなのを地球じゃストーカーって言ってな。接近禁止命令が出るんだよっ!!」

 言って俺は創造神を斬った。が、斬り飛ばす事が出来ない。こりゃ困ったな。俺は考えながら攻防を繰り返していた。
 ソコにアキヒトが現れた。

「オイ、あんたのスキルに無有むうは有るのか?」

「ああ、有るぞ」

「良し、それならもうコイツは滅するのは無理みたいだから封じ込めようや。俺が先にスキルを使用するから、間髪入れずにあんたもスキルを発動してくれ」

「ああ、分かった」

「行くぞ! スキル【有無うむ】!」
「スキル【無有むう】!」

「なっ、何じゃっ! ワシが、ワシが…………」

 そして創造神は封じ込められた。 ……らしい。うん、良く分からないな。俺は素直に聞いた。

「で、何がどうなってんだ?」

 それに答えをくれたのはオノミだった。

「アキヒトくんのスキル【有無】は有って無い状態を作る。一方、トウジくんのスキル【無有】は無いけど有る状態を作る。二つのスキルが合さってかけられた創造神は、神すら知らず分からない空間に封じ込められたんだ。もう二度と出てくる事は出来ないだろうね」

 うん、やっぱり良く分からんが、出て来れないなら良しとしよう。そして俺は無碍を解いた。

「トウジ、良かった」
「トウジ、やっぱり凄い」

 二人が俺を手放しで褒めてくれる。うん、嬉しい。そして、ヒジリがアキヒトの元に行き、

「ア、アキヒト、あの…… 」
「何て顔をしてるんだ、ヒジリ。これからお前も俺の修行に付き合ってくれ」
「うん、喜んで!!」

 顔を赤くして嬉しそうにしているヒジリはやっぱり女の子なんだと再認識した。胸部装甲が俺の好みじゃないから良かったと思う。

 そんな中、オノミとメノミが俺達に言う。

「五人とも、有難う。コレで世界は救われたよ。そして、サヨウナラだ。元々、僕達も創造神が創造した神だから、創造主が消えたら僕達も消えるんだ……」

「そして、この世界にも新たな神が必要だから、トウジくん、よろしくね…… 私達はあと少しで消滅してしまうから……」

 何て言ってやがるが、誰が神なんかになるか。俺は言ってやった。

「あと少しってどれくらい時間があるんだ?」

「もう、時間は無いよ。恐らくこうして喋ってる間に消え…… ないね? どういう事だろう? 分かる、メノミ?」

「えっ、オノミに分からないなら私に分かる訳無いじゃない! でも、どうして消滅しないの」

 ソコで俺は答えを教えてやった。

「二人にかけた【無病息災】はしゅも消し去る。言ってみれば、創造神との因果関係も一種の呪に当て嵌まるから、消しておいたんだ。ソレに今やこの世界中の人々が二人が救ってくれたと考えて信仰しているんだぞ。その信仰心が二人に新たな力と役割をもたらしていると思うぞ。俺は神様なんて柄じゃ無いから、二人にはそのままこの世界の神として仕事をして貰わないと」

 俺がそう言ったら、メノミが俺に抱き付いてきた。

「トウジくん! 有難う!! コレでオノミと目眩めくるめく官能の高みを目指せるわっ!!」

 いや、神様の仕事をして下さい。今は俺も何も言えないが。そんな俺達の間をサヤとマコトが割って入った。

「「女神様でも、トウジを誘惑しちゃダメだよ!!」」

 ソレがこの一連の騒動全てを終えた言葉になった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~

日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!  斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。  偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。 「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」  選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

処理中です...