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中等部4年編
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しおりを挟む弓術大会が終わり、忙しさが一段落する。ルーカス達は、授業を終えると生徒会室で仕事をこなす。
「皇子殿下、確認をしていただきたいのですが」
ケイリーがルーカスの元へ書記ノートを持って来て尋ねると、ルーカスはそれに真剣に目を通す。
「コリー、こちらへおいで」
「はい」
その後ルーカスがノエルを呼ぶと、すぐにルーカスの元へやってくる。
「この記録の確認をしてみなさい」
そう言って書記ノートを手渡すと、今度はノエルがケイリーの持ってきたノートを確認した。
「どこか不備はあるかい?」
「いえ、大変綺麗にまとめられているかと。欲を言えば、会議の会話内に出た節々の話題も纏められると良いと思いますが」
「そうだね。議題についてだけでなく、今後の行事の話が出た時は、それも書くと良い」
「承知しました」
ノエルの評価に、ルーカスも同意し、ケイリーに向けて助言する。
「けれど、本当に綺麗に纏められている。君の几帳面な性格が出ているんだろう。それに、コリーの評価も適当だった」
そう言うと、ルーカスはケイリーとノエルに向けて腕を伸ばした。
「良く出来ている。次からは二人で互いに確認しあった後僕の元へ持って来なさい」
二人の頭に手を乗せると、優しくぽんぽんと撫でた。彼らは一瞬驚くが、ルーカスからの高い評価となでなでに、嬉しそうに口角を上げたのだった。
生徒会が終わり、ルーカス達は食堂へ向かう。
「あ! 皇子様!」
食堂へ到着すると、コロンがルーカスをつけたようで、嬉しそうに駆け寄ってきた。
「コロン、君も今から夕食かな?」
「はい!」
「良かったら一緒に食べないかい?」
「良いのですか!?」
ルーカスがコロンを夕食に誘うと、コロンは表情を一気に明るくさせ尋ねた。
「もちろん。君が良ければだけど」
「ぜひ!」
「ではこちらで一緒に食べようか」
コロンの快諾に、ルーカスも嬉しそうに微笑んで席に座った。
「 あの! 弓術大会、すっごく格好良かったです!! 弓を射る姿がまるで狩猟の神のようでした!」
「ふふ、君はとても真っ直ぐに褒めてくれるね。少し照れてしまいそうだよ」
ルーカスが笑ってそう言うとコロンは目をきらきらさせて言う。
「照れた皇子様も見てみたいです!」
コロンが楽しそうにそう言うと、リヴァイが静かに席を立った。
「リヴ?」
「厠……御手洗に行ってまいります」
「あ、うん、行っておいで」
リヴァイの様子に、ルーカスは少し戸惑いながら答えると、リヴァイは食堂を出て厠へ向かった。
「リヴ、怒っていた……?」
「ルーカス殿下、お気になさらないでください。いつもの嫉妬でしょうから」
「余程御手洗に行きたかったのでしょう」
ルーカスが気にした様子で居ると、キャサリンが説明し、アレイルは冗談を言った。
「……僕、話過ぎました。すみません……」
「いや、君のせいではないよ後程リヴと話してみるから、気にしないで」
「……はい」
コロンが落ち込んでいるのを見て、キャサリンが言う。
「リヴの事は放って置いて皆で楽しく食べましょう」
「そうだな。落ち着いたらすぐに戻って来ると思いますよ」
「……そうだね。コロン、食べようか」
「はい、」
その後、ルーカス達が会話をしながら食事をしていると、リヴァイが戻って来た。
「……席を離してしまい申し訳ございません」
リヴァイは酷く落ち込んだ様子でルーカスに謝罪する。
「……御手洗に言っていたんでしょう? 何の問題もないよ」
そう言って頭を撫でながら笑うルーカスに、リヴァイは理由を知っている事に気付いた。
「本当に申し訳ございません」
「気にしないで」
ふふふ、耳の垂れた犬みたいだ。
「それよりも、見て、リヴ。今日は全て食べられたんだ」
そう言って空になったお皿を指した。その様子にリヴァイはとても驚いている。
「本当に全て食べたのですか? 気持ち悪さや嘔気はございませんか?」
「平気。今日は凄く調子が良かったんだ。けれど明日は食べ切れるか分からないから、リヴに食べてもらうかもしれない」
「っ、はい。無理はなさらないで下さい」
「本当にルーカス殿下はリヴの扱いが上手いですね」
「当分落ち込ませておけばよろしいのに」
ルーカスとの会話でいつもの様子に戻ったリヴァイに、アレイルとキャサリンは少し強くあたる。それにリヴァイは何とも言い難い表情をした。
(皇子様からノア様への撫で撫でを……!)
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