ゴックン、その口で食べるの? /Osaka発ドラァグドライブ、掛け違いの旅

Ann Noraaile

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【 旅と温泉グルメ しゃぶれどもしゃぶれども(中国編) 】

17: 岡山・鳥取 人形峠とカレイの一夜干し

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 今、食べているカレイの一夜干しが、美味しい。
 肉厚で、サイズだって結構ゴージャス。
 第一、料理が簡単(笑)。
 境港の直販市場で買って来たものだ。

 実を言うと、松葉カニの時期が終わりそうなので先週末、米子に出かけたのだ。
 三月に入って暫くは、気温が高めで高速道路のチェーン規制も聞かれなかったし、アンのノーマルツーシーターでもOKかなという読みがあっての事だったんだけれど。

 で、これが、出かける二日前から寒波のぶり返し、ホテルも食事も予約を入れてしまっていたし、結局、タイヤネットを積んで出発する事にした。
 チェーンというか、ネットをタイヤに付けた事が一度もないのは不安だった。
(暖かい助手席に座って、チェーンを付ける男の人の背中に雪が降り積もる光景は何度か見たけど。) 

 案の定、米子道はチェーン規制。
 途中で高速を諦めて、一般道に変えてみた。
 みぞれ混じりの雪も降っていたけど、さすがに車全体のバランスで、走行性能を高めているツーシーターだけあって、結構、楽勝走行。
 、、の筈だったんだけど、人形峠の下りで、とうとうコントロールが危うくなってしまった。
 でやっぱり、ネットを張るはめに、、。

 しまった、こんなのだったら誰かを連れて来れば良かったと、思ったんだけど後の祭り、、、。
 寒かったんだよー。
 こんな時は、普通誰かがやってきて「手伝いましょうか?」ってなる筈なんだけど、アンの書いてる小説のネガティブ設定みたく、誰も止まってくれない。
 二十分程、悪戦苦闘してネットを付けて走り始めたら、今度は五分も経たない内に、路面状態が元通りに、、泣きましたよ、ホントにもう(笑)。

 ところでこの「人形峠」って名前、面白いですよね。
 きっと何かがあるはずだと思って調べてみたら、やっぱり「日本昔ばなし」の世界。

   ・・・・・・・・・

 この峠にはかつて、巨大な蜘蛛がいて、峠を越えようとする旅人を捕まえては食べていました。
 あるとき、大蜘蛛を退治しようとする勇敢な男がいて藁人形の囮を用意し、これを峠に置いておくと、狙い通り、大蜘蛛が囮に襲いかかりました。
 その隙に、この男は大蜘蛛を弓矢で射殺し、見事に退治することができたのです。
 以来、この峠を「人形峠」と呼ぶようになりました。

 他にも別バージョンがあって、峠で旅人を襲う化け物は、蜘蛛の代わりに巨大な蜂になっていて、人形は藁製ではなく人型の石像で、蜂はこれを刺そうとして死んでしまうというもの。
 もう一つは、どちらかと言うと怪談じみていて、母と小さい娘が峠で霧のためはぐれてしまい、母は娘を探すが見つからない。
 ようよう霧が晴れると、女の子に似た人形が1体あるだけだった、と言うもの。
 最後のは、怖いというより、なんだか象徴的でもあり、すごく哀れさを感じますね。

 実際の人形峠(と言っても舗装された道路だけど)を、何回か走ったアンからすると、2番目の大蜂のが一番「人形峠」の雰囲気に合っているような気がします。
 まあ寒い中、ネット式チェーンを付けてると、蜂も蜘蛛もあったもんじゃありませんが(笑)。

 寒い思いをした分、その日の夜に温かいお部屋で食べた松葉ガニの美味しい事。
 特に焼きガニの味噌が日本酒に合う事と言ったらもう、、日本の国に生まれて良かったってホント思いましたよ。
 でも、雪・カニ・酒・海・魚・温泉、、、美味しくて綺麗な日本の冬も、もうこれでお終いだね。




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