ゴックン、その口で食べるの? /Osaka発ドラァグドライブ、掛け違いの旅

Ann Noraaile

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【 東南アジアの旅 】

12: 初めてのバリ旅行 ジャランジャランは明日から ⑥ヤナン君と夕日のタナ・ロット寺院

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 お次のツアー展開は、上物の籐細工を手にれる為に、スミニヤックのアシタバというショップへ。
 ところがヤナン君も運転手君も、この店を見つけだせない。
 アシタバのお店を、車の中にいながら発見したのは、なんと相方だった。
 そう言えばヤナン君、「私は余り遊びませんから」と、レギャンを通過した頃に漏らした事がある。
 そんな風に書くと、彼が人の良い内気な田舎者のように感じられるかも知れないが、それは違う。

 ヤナン君が、宗教心篤いバリニーズの中にあって宗教に距離を置けるように、彼にとって街遊びも又、関心の薄い縁遠い行為なのだろう。
 時々、能力的には凄く高いものを持っていて、日常生活も何の支障もなく送れるんだけど、本人をみてると、その心のピントが、社会のどこに合ってるのか?こちらからは窺い知れない人っているよね、、。
 ヤナン君ってそういう人みたい。

 アシタバで、素人が見たって判る良い作りの籐細工を買い込んで(ここは値引きが全然効かない、値引きをしない事でショップイメージを高めているのかも知れないし、あるいは品物にそれだけの自信を持っているのかも、)バスに乗り込む。
 ヤナン君が「どれだけ買いましたか」と聞いてくる。
 相方は嬉しそうに、戦果を報告するのだが、アンはなんとなく憂鬱だった。

 よく考えるとヤナン君がアン達に個人的な質問をしてくるのは「いくら使いましたか?」だけで、しかも毎回の行程の中で必ず金額のチェックが入るのである。
 そして、、「アシタバは日本のガイドブックが紹介するから、日本人よく行くけれど高いよ。村で買う方が安い」と言う。
 もちろんヤナン君の言う「村」っていうのは、彼が案内出来る「地方の店」っていう事なんだけどね。

 ちがうんだよな、、、。
 確かに高い技能をもった職人さんの所に出向いて行って、直接買えば安いに決まってるわけだけど、一観光客にそんなルートが有るはずがない。

 大量に流通してる特産品の価格は、それが売られる場所によってどんどん変動する。
 たぶんヤナン君が案内してくれるような店のレベルの品物なら、安さだけでなら(銀細工なんかは別として)村のパサールで買いたたく方が、ずっと安くなるはずだ。
 アンの欲しいものは、職人さんの技術が手にとった瞬間に判るような、クオリティの高いものなんだよ。
 それが「間違いなく」欲しい。
 その為には、観光客価格だっていいんだ。
 それらって、どのみち日本で買えば、三倍以上の価格になっている筈だから。

 ・・とかぶつぶつ思っている内に、タナロット寺院に到着した。

 いつもガイドブックを見て思うんだけど、こういう寺社仏閣類の名所の紹介には、その前にある土産物屋通りの規模とか様子なんかも、ちらっとでいいから記載すべきだと思うんだよね。
 そりゃ、日本だって有名な寺社仏閣は同じ状況なんだけど、「夕日に沈むタナロット寺院」とか書かれて、拝礼してる人の写真なんか添えられると、すごく厳粛な気持ちになって、「多分、人気のないミステリアスな場所なんだろうな。」みたいな過大な幻想が膨らむわけよ。

 ところが実際は寺院に着くまでの参道(?)は、お土産屋のオンパレードでしょ。
 まるでお伊勢さんみたい。
 コレ見ると、変なイメージで胸一杯になったままだと落胆するよね。
 まあ世界遺産みたいに、それだけで迫力のある場所もあるけどね。
 (ちなみに日本人は世界遺産に指定される事を、ミシュランガイドで星をとる事のように思ってるみたいだけど、それは違うんじゃないかな?)
 今回の場合は、「夕日のタナ・ロット寺院に昼間行ってどうする。」の反省に尽きた感じ。
 それが結論かな(笑)。

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