ゴックン、その口で食べるの? /Osaka発ドラァグドライブ、掛け違いの旅

Ann Noraaile

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【 はじめに、自己紹介をかねて 】

03: てんのじ村と大須界隈

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 遠出、近場を問わず旅行が大好きです。
 日本列島の地図上に、行った事のある場所をピンで刺して行ったら「北は北海道から南は沖縄まで」ってやつですね。
 でも数立つピンには粗密があって、例えば近場の大都市で言うと、意外に名古屋は訪れた回数が少ないんです。
 名古屋って、最近では「都市ブランドイメージ調査」で「最も魅力のない都市」を2回連続で獲得という不名誉に輝いたらしいですけど。

 観光都市として神戸や京都と比べるのは元から無茶だけど、この訪問数の少なさは何っ?て感じです。
 個人的にいうと、生粋の大阪人としては「名古屋」は東西の丁度真ん中で、中途半端な場所という妙なイメージがあるからかも知れませんね。
 「大阪からお隣の大都市である名古屋に行くなら、そのまま東京へ行っちゃう方がコスパ高いよ」みたいな。

 そんな名古屋なんですが、最近何度か相方のお供で出向くようになっています。
 相方の経営してるお店で、装飾用に使っているアンティーク品を手に入れる為です。
 一番付き合わされるのは、大須観音の骨董市。
 相方にとって京都・東寺の「弘法市」なんて当たり前ですから。
 で名古屋市内のアンティーク調達の二番手は、ノスタルジックモール金山、その次が、、って、取り敢えず今回は、大須界隈の話題を。

 大須は個人的にも大好きな場所なんです。
 何故かというと、大須って(アンが想像する)昔の「てんのじ村」界隈の雑多で猥雑なエネルギーを今でも保持していて、そこに懐かしさを感じさせてくれる場所だからです。
 そうなんです、「てんのじ村」界隈は、アンの第二の故郷なんですよ。
 アンのいう、てんのじ村は「上方演芸発祥の地」という綺麗なイメージ上の地点ではなくて、大阪は山王を中心にしたもう少し、広くてディープな場所です。

 「てんのじ村」側の通天閣界隈は、今も賑わっていますが、最近の賑わいは、ちょっと「違う」気がしますね。
 元来、派手やかな旅行情報誌とかに紹介されるような場所じゃないのに?って感じです。
 ちなみに、若くて生息だったアンが、時々ほっつき歩いていた頃の「てんのじ村」は、既に歴史上の幻の残影状態だったけれど、それでも嗅ごうと思えば、大阪デーブサウスそのものの臭いが幽かにしてました。
 (「鯛よし百番」とかは、今でも生き残っていますけどね。)

 上町台地の断層境界線が、丁度、阿倍野と飛田新地の間に走っているらしく、「てんのじ村」をほっつき歩いていると突然、崖・壁や、急坂に突き当たって、その上が「阿倍野」になり、逆に「阿倍野」界隈で遊んだ帰りに奥へ迷い込むと、「てんのじ村」に滑り落ちてしまうという不思議な体験を何度もしたものです。

 大人の世界の情けなさや愛おしさを肌で教えられたのがこの村だったけれど、「てんのじ村」を徘徊していた時に常に感じていたのは、時代に取り残され、「寂れ果てる」事への恐怖感だったような気もします。
 時の流れは、昭和は遠くなりにけりどころか、平成は遠くの入り口ですからね。
「てんのじ村」が華やかな頃には、芸人さんたちが、普通にヒロポン(覚醒剤)を打って、元気倍増してたって話ですよ。
 その雰囲気の残滓みたいなものが「てんのじ村」界隈には確かにあったんです。

 だからその反動で下町の沸騰するような賑わいに強く心惹かれるんです。
 もちろん大須界隈が、昔の大阪の賑わう下町情緒をそっくり持っているワケじゃないんですけどね。
 微妙に空気感が違うんです。
 「ああココは大阪で言うたら、あそこやん!」とは言えるけれど、何処かが違う(笑)。
 旅は、そこが面白いんですけど。

 大須観音に入る商店街(観音通)の雰囲気とか、コメ兵・大須ういろ本店の並び方と言うか、、てんのじ村界隈のそれと良く似ているんだけど、親戚同士が血縁者で良く似ているけれど、やっぱり違うみたいな。
 正直言って、大須の方がオシャレ度が若干高いかも知れませんね。
 大阪はじゃりン子チエだけど、名古屋大須はじゃりン子ミッチーみたいな。
 でも大須観音の境内から見上げる近隣ビル側面の「大須仁王門通り」の大天狗のペイントを見てやっぱりニヤリですよ。
「このセンス、一緒やん、やっぱりこーゆー場所には、イチビリいてるやん」。

 ところで大須観音の境内で開催される骨董市の方だけど、相方に言わせると「ここは古布が豊富やね」との事。
 そう言えば、大須に着いてから、やけに衣料品関連の建物が目に付くと思ったけれど、ここはかって衣料品の問屋が多かったそうです。
 相方が骨董品を品定めし始めると相当時間がかかるので、その間、周辺をぶらついていたら、何処かのお店の若い子にタウンペーパーみたいなのを手渡されたんだけど、それがエネルギー感に溢れた街おこし感バリバリの一枚で、こういう点は大阪とはちょっと違うなーと思いました。

 聞くところによると、大須の再生には、若年者の自営業の立ち上げが相次いでいることが大いに役立っているらしいですね。
 結局の所、地方の再生って、こういう部分が一番大切で、お年を召した地方のお偉いさん達が「儂が儂が」と、いくら知恵を絞ろうが、かけ声を上げようが、あまり意味がないのかも知れませんね。
 月並みだけど「額に汗して明日の成功を夢見て働く若い人達」が、「その場所」に沢山いること、それが一番重要だなって(笑)。
 「てんのじ村」にはそれがない。
 ・・でも安倍野・天王寺の再開発は、「ハルカス」含めてハンパないですけどね。


 そうそう、天王寺と言えば、こんな思い出があります。
 高校の文化祭で、嫌々無理矢理の振りをしながら女装して、その日の帰り、そのままの格好で、友人男子と天王寺美術館の裏側にある日本庭園に寄り道をしたんです。

 この頃、裏のアンは、メイクもかなり上達していたので、自分一人で「綺麗に」化ける自信はあったんですが、表の普通の高校生としてはそれも出来ず、クラス女子の下手っピーで遊び半分のお化粧に身を任せてました。
 そして、いもしない親戚のお姉さんから借りたストレート・セミロングのウィッグと、セーター・ミニスカートを持参しての基本がためをし、他のファーハーフコートやらブーツやらの小道具は、クラス女子の調達物でまかない、ちょっとファニーなイケイケギャルの出来上がりでした。

 そんな寄せ集めの文化祭女装でしたけれど、その帰り道、悪戯半分でアンを誘った男子友人は、夕闇迫る林の中で何故かそわそわし始めているんです。
 その時ですね、アンに「悪女が降りて来た」のは、女の子みたいに友人に腕を絡めて肩を寄せてやったら、その彼がいきなり、がばぁとアンを抱きすくめて来たのです。
 友人のズボンの前の膨らみが、アンの下腹部にあたって吃驚しました。
 キスは駄目でしたよ、普段遊んでいる奴だったから。
 でもこの時には、悪女が降りてきてるから、しゃがみ込んでオチンチンを思い切りいじってやりました。
 あとはお察しして下さいませー。






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