3 / 5
愛しの直子さん
しおりを挟む
安房直子さんの事を知ったのは10年ちょい前かな。きっかけは1枚の絵からなんだよね。俺昔、音楽やってたから、洋楽邦楽何でも聴くのね。で、さだまさしさんのソロのサードアルバムの『私花集~アンソロジィ~』って作品があって、表紙のジャケットが花に囲まれた少女の絵だったのね。
この絵が素晴らしくてさ~作者すぐ調べたの。味戸ケイコさんって、女性の絵描きさんだった。(ちなみに、さださんのセカンドアルバムの風見鶏も、彼女が描いてるよ。絵は私花集の方が好きで、曲は風見鶏の方が好き)
話は脱線するけど、俺の中で音楽格言があって“さだまさしさんとU2は初期だけを聴け”。さださんは『夢供養』までU2は『WAR』までかな。あくまで俺の中の基準ね。
話を戻して、味戸ケイコさんの絵の事調べていくと、安房直子さんという童話作家さんとよくコンビ組んで描いてるみたいでさ。今度は安房直子さんってどんな童話書いてるのかなぁと思って、読んだのね。
『風と木の歌』って本ね。絵は味戸さんじゃないよ。一話目の“きつねの窓”二話目の“さんしょっ子”いきなり大傑作だったね。ゲス極まりない俺でも刺さっちゃったよ。寂しく切なく美しく、何ともいえない感情にとらわれてさ。三話目からはさすがに若干落ちたけど、トータルでも本当、素晴らしい作品だったね。
安房さんの他の作品も数冊買ってさ。でも風と木の歌よりは下だったな。どうやら俺が最初に手にした本が安房さんの最高傑作だったみたい。それでも素敵な作品多かったよ。
それで他の童話作家さんの本も読んでみようと思ったのが間違いだった。こともあろうに松谷みよ子さんの『わたしのいもうと』読んじゃったの。絵も味戸さんだったし。簡潔に書くとイジメの救われない話。
もう、何とも言えぬ暗い気持ちになってさ。フィクションだろうけど、やるせない気持ちでいっぱいになったよ。モヤモヤが続いたね。可哀想だから本を抱いて寝た日もあったよ。さすがに変態か?
それでまた、安房さんの本を読んだの。『安房直子十七の物語~夢の果て』って本ね。それの最後の話が“星のおはじき”。この話は赦しがテーマでさ、ちょいネタバレ申し訳ないけど、クラスメイトのおはじきが綺麗で思わず3つ自分のポケットに入れちゃってさ、持ち主に返せなくなって家のそばにある柳の木に相談するお話。これをもう一度、先のわたしのいもうとの後に読んだのね。何か泣けてきちゃったよ。星のおはじきは最終的に赦されるお話なんだよね。だからいつも『わたしのいもうと』の本の横に『夢の果て』を置いてあげてるの。何となく。キモい?(笑)
こんな素敵なお話をたくさん産み出してくれた安房直子さんは結構前に若くして病気でお亡くなりになってるんだよね。本当、感謝してます。
この絵が素晴らしくてさ~作者すぐ調べたの。味戸ケイコさんって、女性の絵描きさんだった。(ちなみに、さださんのセカンドアルバムの風見鶏も、彼女が描いてるよ。絵は私花集の方が好きで、曲は風見鶏の方が好き)
話は脱線するけど、俺の中で音楽格言があって“さだまさしさんとU2は初期だけを聴け”。さださんは『夢供養』までU2は『WAR』までかな。あくまで俺の中の基準ね。
話を戻して、味戸ケイコさんの絵の事調べていくと、安房直子さんという童話作家さんとよくコンビ組んで描いてるみたいでさ。今度は安房直子さんってどんな童話書いてるのかなぁと思って、読んだのね。
『風と木の歌』って本ね。絵は味戸さんじゃないよ。一話目の“きつねの窓”二話目の“さんしょっ子”いきなり大傑作だったね。ゲス極まりない俺でも刺さっちゃったよ。寂しく切なく美しく、何ともいえない感情にとらわれてさ。三話目からはさすがに若干落ちたけど、トータルでも本当、素晴らしい作品だったね。
安房さんの他の作品も数冊買ってさ。でも風と木の歌よりは下だったな。どうやら俺が最初に手にした本が安房さんの最高傑作だったみたい。それでも素敵な作品多かったよ。
それで他の童話作家さんの本も読んでみようと思ったのが間違いだった。こともあろうに松谷みよ子さんの『わたしのいもうと』読んじゃったの。絵も味戸さんだったし。簡潔に書くとイジメの救われない話。
もう、何とも言えぬ暗い気持ちになってさ。フィクションだろうけど、やるせない気持ちでいっぱいになったよ。モヤモヤが続いたね。可哀想だから本を抱いて寝た日もあったよ。さすがに変態か?
それでまた、安房さんの本を読んだの。『安房直子十七の物語~夢の果て』って本ね。それの最後の話が“星のおはじき”。この話は赦しがテーマでさ、ちょいネタバレ申し訳ないけど、クラスメイトのおはじきが綺麗で思わず3つ自分のポケットに入れちゃってさ、持ち主に返せなくなって家のそばにある柳の木に相談するお話。これをもう一度、先のわたしのいもうとの後に読んだのね。何か泣けてきちゃったよ。星のおはじきは最終的に赦されるお話なんだよね。だからいつも『わたしのいもうと』の本の横に『夢の果て』を置いてあげてるの。何となく。キモい?(笑)
こんな素敵なお話をたくさん産み出してくれた安房直子さんは結構前に若くして病気でお亡くなりになってるんだよね。本当、感謝してます。
25
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる