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第四章 ~空手家という名の闘神、大草原に舞い降りる~
道場訓 二十七 前門の大猿、後門の巨竜
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「うわああああああああああ――――ッ!」
阿鼻叫喚とはまさにこのことだった。
大草原の一角に冒険者たちの悲痛な叫びが響き渡る。
無理もない、とエミリア・クランリーこと私は思った。
圧倒的な恐怖とはこういうことを言うのだろう。
Sランクのギガント・エイプと、同じくSランクのレッド・ドラゴン。
この二つの絶望を絵に描いたような巨悪に囲まれ、正気を保てた者など200人の冒険者の中でも上位ランクの冒険者しかいない。
事実、私の周囲にいた下位ランクの冒険者たちは突飛な行動を始めた。
泣きながら何もかも捨てて逃げ出す者。
その場にうずくまって神に祈り始める者。
魂が抜けたように呆然と立ち尽くす者。
ただし下位ランクの冒険者の中には、絶望の権化とも呼べるギガント・エイプに立ち向かう者たちもいた。
勇敢さからではない。
気が激しく動転したことによる狂気の沙汰だ。
そして――。
「ウキャキャキャキャキャキャキャ――――ッ!」
ギガント・エイプは狂気を含んだ叫び声を上げながら、自分に向かってくる下位ランクの冒険者たちを一人残らず血祭りに上げていく。
それは闘いではなく、一方的な殺戮だった。
ギガント・エイプが腕を薙ぎ払えば血の雨が降り注ぎ、蹴り上げれば冒険者たちの身体が天高く飛んで地面に落下する。
当然ながら全員が全員とも即死だ。
だが、そんな下位ランクに混じって上位ランクの冒険者たちが動いた。
中距離用の長槍や薙刀を持った上位ランクの冒険者たちは、何とか隙を見つけてギガント・エイプの肉体に攻撃したのだ。
けれども長槍や薙刀で肉体を突いたとしても、遠目からでもギガントエイプの肉体がみっちりと鋼の筋肉が詰まっていることは一目瞭然だった。
しかも白と黒の斑模様の毛もかなりの硬度があるのだろう。
鋼鉄製の長槍や薙刀の刃を受けてもギガント・エイプは平然としている。
まったくギガント・エイプの肉体に刃が刺さっていないのだ。
「キャキャキャキャキャキャキャ――――ッ!」
ギガント・エイプは高らかに笑いつつ、上位ランクの冒険者たちを返り討ちにしていく。
5メートル以上ある巨体をフルに活用し、圧倒的な身体能力で死体の山を築いていくギガント・エイプ。
一方、反対側ではレッド・ドラゴンが冒険者たちに猛威を振るっていた。
Aランク以上のダンジョンの最下層にいる竜種の王――レッド・ドラゴン。
尻尾まで合わせれば20メートルはあるだろうか。
肉体は鋼のような硬い鱗で覆われ、全身は血を浴びたように真っ赤だ。
口内の隙間から覗く牙は太く鋭い。
四肢の先端にある爪も、人間はおろか巨木すら一撃で薙ぎ倒すだろう。
翼竜とも呼ばれていたワイバーンとは明らかに違う。
まさに竜種の王たる威厳が全身からありありと感じられる。
これが本物のドラゴンなんだ。
私は気力のおかげなのか、正気を失わずに冷静に場を見渡すことができた。
その中でも私が一番目を引いたのはレッド・ドラゴンだ。
巷で流行っている小説などにはドラゴンがよく登場している。
私もそのような小説が好きだったのでよく読んでいた。
虚構の世界では主人公たちの強さを引き立たせる役割のドラゴンたち。
強大な相手として登場しても、最後には主人公たちに倒されるドラゴンたち。
どんなに大きく、どんなに恐ろしく、どんなに強くても、小説の中に登場する主人公たちには倒される運命のドラゴンたち。
そんな小説の中にはドラゴンが主人公たちと意思疎通できたり、それこそ頼りになる仲間や友人として描かれることも多かった。
そのため実際に本物のドラゴンを見たことのない人間は、もしかしたら現実でも意思疎通ができるかもという思いを抱いていた人間もいたかもしれない。
私がそうだった。
人間と同じくらいかそれ以上の知能があるというドラゴンの中には、人間を仲間として見てくれる個体もいるかもしれないという淡い幻想があったのだ。
しかし、そんな馬鹿げた妄想は本物を目の前に一瞬にして崩れ去った。
ヴォオオオオオオオオオオオオオオ――――ッ!
大気を震わせる咆哮とともに、レッド・ドラゴンは巨大な鉤爪を縦横無尽に振るわせる。
大地に降り注ぐ冒険者たちの鮮血や臓腑。
周囲からは耳を塞ぎたくなるほどの悲鳴が轟き、鼻が曲がりそうな臓物臭が立ち込める。
そんな地獄絵図と化した戦場の中、私と同じように呆然と立ち尽くしていたキキョウさんに動きがあった。
「ああああああああああ――――ッ!」
キキョウさんは気が狂ったように大声を上げ、刀を構えたままレッド・ドラゴンに突進していく。
今、向かったらダメ!
私はハッと我に返ると、すぐさま地面を蹴ってキキョウさんの後を追った。
気力で強化された私の肉体は瞬時にキキョウさんに追いつき、背中からがっしりとキキョウさんを抱き締めて動きを静止させる。
そして私はキキョウさんを抱き締めたまま真横に大きく飛び、地面に倒れたあとはキキョウさんも一緒に伏せるような態勢を取った。
「お主、一体何を――」
と、キキョウさんが私を睨みつけた直後だった。
レッド・ドラゴンは私とキキョウさんが数秒前にいた場所に火炎を吐いたのだ。
ボオオオオオオオオオオオオオオオオ――――ッ!
熱風とともに巨大な火炎が冒険者たちを焼き尽くす。
その威力は凄まじいの一言だった。
触れなくても肌を焼き焦がすほどの火炎は、冒険者だけでは飽き足らず地面すらも沸騰させてドロドロに溶かしていく。
間一髪とはこのことだった。
もしも私が少しでも動くかどうか逡巡していれば、キキョウさんと私は火だるまになりながら死んでいただろう。
「キキョウさん、大丈夫ですか?」
私がそう尋ねると、キキョウさんは再び私を睨みつけてくる。
「よ、余計な真似をするな。あれぐらい、拙者ならば容易く避けられた」
こんなときに強がりなんて言わなくてもいいのに。
いくら私でもキキョウさんが意地を張っていることぐらい分かった。
だが、今はそんな強がりや見栄を張っている場合じゃない。
何とか全員の力を合わせて時間を稼ぐべきだ。
などと思ったとき、私はキキョウさんの胸元から零れ落ちた何かに気づいた。
ガラス製の小瓶だ。
え? これって……。
最初は回復薬か魔力回復薬のどちらかと思ったが、中身の液体の色からしてどちらでもない。
回復薬は青色で魔力回復薬は赤色をしているのに、キキョウさんが持っていた小瓶の中身の液体は乳白色だったのだ。
「やめろ! 見るな!」
キキョウさんは大慌てで小瓶を掠め取ると、すぐさま自分の懐に仕舞い直す。
「キキョウさん。あなた、まさか非合法の……」
私が真相を問いただそうとしたのも束の間、ふと気がつくとレッド・ドラゴンの狂暴な双眸がこちらに向けられていた。
それだけではない。
反対側からもギガント・エイプが凶悪な笑みを浮かべながら近づいてくる。
このとき、私の脳裏に今までの記憶が走馬灯のようによぎった。
魔抜けと分かった途端に、私との縁を簡単に切った王家の一族。
箱庭で魔抜けの私にも武術を教えてくれた最初の師匠。
私に優しく接してくれた冒険者ギルドの人たち。
そして――。
ケンシン師匠……。
私は二人目の師匠と決めた空手家の姿を思い浮かべた。
そのときだ。
「〈神遠拳〉!」
腹の底にまで響くような声が聞こえてきた。
同時に二つの黄金色の光の塊がどこからか凄まじい速度で飛んで来る。
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ――――ッ!
その二つの光の塊はギガント・エイプとレッド・ドラゴンの腹部に直撃した。
大草原に轟くギガント・エイプとレッド・ドラゴンの悲痛な叫び。
致命傷にはならなかったようだが、確実にギガント・エイプとレッド・ドラゴンにダメージを与えたようだった。
ギガント・エイプとレッド・ドラゴンは苦痛に顔を大きく歪めている。
私はその光の塊が飛んで来たほうに顔を向けた。
キキョウさんも他の冒険者も、自然と私と同じ方向に視線を移す。
「あ……ああ……」
私は歓喜に打ち震えた。
今ほどまで全身を蝕んでいた、恐怖という鎖が音を立てて千切れていく。
「エミリア、無事か!」
そこには二人目の師匠と決めた空手家――ケンシン師匠の姿があった。
阿鼻叫喚とはまさにこのことだった。
大草原の一角に冒険者たちの悲痛な叫びが響き渡る。
無理もない、とエミリア・クランリーこと私は思った。
圧倒的な恐怖とはこういうことを言うのだろう。
Sランクのギガント・エイプと、同じくSランクのレッド・ドラゴン。
この二つの絶望を絵に描いたような巨悪に囲まれ、正気を保てた者など200人の冒険者の中でも上位ランクの冒険者しかいない。
事実、私の周囲にいた下位ランクの冒険者たちは突飛な行動を始めた。
泣きながら何もかも捨てて逃げ出す者。
その場にうずくまって神に祈り始める者。
魂が抜けたように呆然と立ち尽くす者。
ただし下位ランクの冒険者の中には、絶望の権化とも呼べるギガント・エイプに立ち向かう者たちもいた。
勇敢さからではない。
気が激しく動転したことによる狂気の沙汰だ。
そして――。
「ウキャキャキャキャキャキャキャ――――ッ!」
ギガント・エイプは狂気を含んだ叫び声を上げながら、自分に向かってくる下位ランクの冒険者たちを一人残らず血祭りに上げていく。
それは闘いではなく、一方的な殺戮だった。
ギガント・エイプが腕を薙ぎ払えば血の雨が降り注ぎ、蹴り上げれば冒険者たちの身体が天高く飛んで地面に落下する。
当然ながら全員が全員とも即死だ。
だが、そんな下位ランクに混じって上位ランクの冒険者たちが動いた。
中距離用の長槍や薙刀を持った上位ランクの冒険者たちは、何とか隙を見つけてギガント・エイプの肉体に攻撃したのだ。
けれども長槍や薙刀で肉体を突いたとしても、遠目からでもギガントエイプの肉体がみっちりと鋼の筋肉が詰まっていることは一目瞭然だった。
しかも白と黒の斑模様の毛もかなりの硬度があるのだろう。
鋼鉄製の長槍や薙刀の刃を受けてもギガント・エイプは平然としている。
まったくギガント・エイプの肉体に刃が刺さっていないのだ。
「キャキャキャキャキャキャキャ――――ッ!」
ギガント・エイプは高らかに笑いつつ、上位ランクの冒険者たちを返り討ちにしていく。
5メートル以上ある巨体をフルに活用し、圧倒的な身体能力で死体の山を築いていくギガント・エイプ。
一方、反対側ではレッド・ドラゴンが冒険者たちに猛威を振るっていた。
Aランク以上のダンジョンの最下層にいる竜種の王――レッド・ドラゴン。
尻尾まで合わせれば20メートルはあるだろうか。
肉体は鋼のような硬い鱗で覆われ、全身は血を浴びたように真っ赤だ。
口内の隙間から覗く牙は太く鋭い。
四肢の先端にある爪も、人間はおろか巨木すら一撃で薙ぎ倒すだろう。
翼竜とも呼ばれていたワイバーンとは明らかに違う。
まさに竜種の王たる威厳が全身からありありと感じられる。
これが本物のドラゴンなんだ。
私は気力のおかげなのか、正気を失わずに冷静に場を見渡すことができた。
その中でも私が一番目を引いたのはレッド・ドラゴンだ。
巷で流行っている小説などにはドラゴンがよく登場している。
私もそのような小説が好きだったのでよく読んでいた。
虚構の世界では主人公たちの強さを引き立たせる役割のドラゴンたち。
強大な相手として登場しても、最後には主人公たちに倒されるドラゴンたち。
どんなに大きく、どんなに恐ろしく、どんなに強くても、小説の中に登場する主人公たちには倒される運命のドラゴンたち。
そんな小説の中にはドラゴンが主人公たちと意思疎通できたり、それこそ頼りになる仲間や友人として描かれることも多かった。
そのため実際に本物のドラゴンを見たことのない人間は、もしかしたら現実でも意思疎通ができるかもという思いを抱いていた人間もいたかもしれない。
私がそうだった。
人間と同じくらいかそれ以上の知能があるというドラゴンの中には、人間を仲間として見てくれる個体もいるかもしれないという淡い幻想があったのだ。
しかし、そんな馬鹿げた妄想は本物を目の前に一瞬にして崩れ去った。
ヴォオオオオオオオオオオオオオオ――――ッ!
大気を震わせる咆哮とともに、レッド・ドラゴンは巨大な鉤爪を縦横無尽に振るわせる。
大地に降り注ぐ冒険者たちの鮮血や臓腑。
周囲からは耳を塞ぎたくなるほどの悲鳴が轟き、鼻が曲がりそうな臓物臭が立ち込める。
そんな地獄絵図と化した戦場の中、私と同じように呆然と立ち尽くしていたキキョウさんに動きがあった。
「ああああああああああ――――ッ!」
キキョウさんは気が狂ったように大声を上げ、刀を構えたままレッド・ドラゴンに突進していく。
今、向かったらダメ!
私はハッと我に返ると、すぐさま地面を蹴ってキキョウさんの後を追った。
気力で強化された私の肉体は瞬時にキキョウさんに追いつき、背中からがっしりとキキョウさんを抱き締めて動きを静止させる。
そして私はキキョウさんを抱き締めたまま真横に大きく飛び、地面に倒れたあとはキキョウさんも一緒に伏せるような態勢を取った。
「お主、一体何を――」
と、キキョウさんが私を睨みつけた直後だった。
レッド・ドラゴンは私とキキョウさんが数秒前にいた場所に火炎を吐いたのだ。
ボオオオオオオオオオオオオオオオオ――――ッ!
熱風とともに巨大な火炎が冒険者たちを焼き尽くす。
その威力は凄まじいの一言だった。
触れなくても肌を焼き焦がすほどの火炎は、冒険者だけでは飽き足らず地面すらも沸騰させてドロドロに溶かしていく。
間一髪とはこのことだった。
もしも私が少しでも動くかどうか逡巡していれば、キキョウさんと私は火だるまになりながら死んでいただろう。
「キキョウさん、大丈夫ですか?」
私がそう尋ねると、キキョウさんは再び私を睨みつけてくる。
「よ、余計な真似をするな。あれぐらい、拙者ならば容易く避けられた」
こんなときに強がりなんて言わなくてもいいのに。
いくら私でもキキョウさんが意地を張っていることぐらい分かった。
だが、今はそんな強がりや見栄を張っている場合じゃない。
何とか全員の力を合わせて時間を稼ぐべきだ。
などと思ったとき、私はキキョウさんの胸元から零れ落ちた何かに気づいた。
ガラス製の小瓶だ。
え? これって……。
最初は回復薬か魔力回復薬のどちらかと思ったが、中身の液体の色からしてどちらでもない。
回復薬は青色で魔力回復薬は赤色をしているのに、キキョウさんが持っていた小瓶の中身の液体は乳白色だったのだ。
「やめろ! 見るな!」
キキョウさんは大慌てで小瓶を掠め取ると、すぐさま自分の懐に仕舞い直す。
「キキョウさん。あなた、まさか非合法の……」
私が真相を問いただそうとしたのも束の間、ふと気がつくとレッド・ドラゴンの狂暴な双眸がこちらに向けられていた。
それだけではない。
反対側からもギガント・エイプが凶悪な笑みを浮かべながら近づいてくる。
このとき、私の脳裏に今までの記憶が走馬灯のようによぎった。
魔抜けと分かった途端に、私との縁を簡単に切った王家の一族。
箱庭で魔抜けの私にも武術を教えてくれた最初の師匠。
私に優しく接してくれた冒険者ギルドの人たち。
そして――。
ケンシン師匠……。
私は二人目の師匠と決めた空手家の姿を思い浮かべた。
そのときだ。
「〈神遠拳〉!」
腹の底にまで響くような声が聞こえてきた。
同時に二つの黄金色の光の塊がどこからか凄まじい速度で飛んで来る。
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ――――ッ!
その二つの光の塊はギガント・エイプとレッド・ドラゴンの腹部に直撃した。
大草原に轟くギガント・エイプとレッド・ドラゴンの悲痛な叫び。
致命傷にはならなかったようだが、確実にギガント・エイプとレッド・ドラゴンにダメージを与えたようだった。
ギガント・エイプとレッド・ドラゴンは苦痛に顔を大きく歪めている。
私はその光の塊が飛んで来たほうに顔を向けた。
キキョウさんも他の冒険者も、自然と私と同じ方向に視線を移す。
「あ……ああ……」
私は歓喜に打ち震えた。
今ほどまで全身を蝕んでいた、恐怖という鎖が音を立てて千切れていく。
「エミリア、無事か!」
そこには二人目の師匠と決めた空手家――ケンシン師匠の姿があった。
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