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第四章 ~空手家という名の闘神、大草原に舞い降りる~
道場訓 二十六 現れた二つの巨悪
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「おい、何だあれは!」
一人の冒険者がある一点を指さしながら声を上げた。
エミリア・クランリーこと私も冒険者が指し示したほうへ意識を向ける。
え……あれって?
私はケンシン師匠が闘っている場所からはるか前方――アリアナ大森林の上空からこちらに飛行してくる不気味な影を見つめた。
その不気味な影は最初こそ小さな黒い点だったが、時間が経つごとに見る見るうちに大きくなっていく。
凄まじい速度で何かがこちらに向かっているのだ。
それはケンシン師匠の上空をあっという間に通過し、私たち冒険者の一団へと近づいてくる。
やがて視力が良かった冒険者の一人が声高に叫んだ。
「ギ……ギガント・エイプだ!」
私たちの間に恐怖と緊張が駆け抜ける。
輪郭がはっきりと見えてきたので、私も視界に捉えることができた。
遠目からでも分かる。
額についている巨大な一本角と、白と黒の斑模様の肉体。
間違いない。
ここに来るまでに聞かされた、ギガント・エイプの身体的特徴と同じだ。
しかし、冒険者の一団が息を呑んだのはギガント・エイプを見たからではない。
いや、確かにギガント・エイプも十分に恐怖を感じる原因の一つだった。
だが、ギガント・エイプがこちらに向かっている移動手段にも全員が驚愕したのだ。
「う、嘘だ……こんなことがあるはずがない」
私の隣にいたキキョウさんが全身を震わせながら呟く。
「なぜ、レッド・ドラゴンの背中にギガント・エイプが乗っているのだ!」
レッド・ドラゴン。
本来はAランク以上のダンジョンの最下層にしか現れない竜種の王。
討伐ランクは当然ながらSランクだった。
そのレッド・ドラゴンの背中にギガント・エイプが乗っており、文字通り空気を切り裂きながら私たち冒険者の一団へと向かって来ているのだ。
このとき、冒険者たちの頭にあった〝敵前逃亡は死罪〟という言葉は粉々に砕け散った。
同時に冒険者たちの恐怖の叫びが大草原に響き渡る。
私は叫び声こそ上げなかったが、心の中でこう思った。
本当の惨劇の幕が上がったのかもしれない、と。
一方、その頃――。
「邪魔だ、お前ら!」
俺は目の前に立ちはだかる魔物どもに向かって声を荒げた。
この場にいる魔物どもが人語を理解できないことは分かっている。
それでも俺は口に出さなければ気がすまなかったのだ。
まさか、アリアナ大森林からギガント・エイプがレッド・ドラゴンに乗って現れるとはまったくの予想外だった。
しかもこの2体のターゲットが俺ではなく、エミリアのいる冒険者の一団に向かったというのが最悪だ。
ギガント・エイプ1体でさえ、200人の冒険者たちが総がかりで挑んでも未曾有の被害が出る。
それなのにレッド・ドラゴンまで出て来てしまっては一巻の終わりだ。
間違いなく、エミリアを含めた冒険者たちは皆殺しになるだろう。
などと思った直後だった。
「ヴォオオオオオオオオオオオオオ――――ッ!」
大気を震わせる咆哮とともに、エンシェント・キマイラどもが突進してきた。
本当は一刻も早くエミリアの元へ向かいたかったが、まるでここにいる魔物どもは時間稼ぎをするように総がかりで襲いかかってくる。
その中でより強く凶悪な存在はエンシェント・キマイラだ。
顔は獅子、胴体はドラゴン、尾は蛇で背中に山羊の顔がついている魔物――エンシェント・キマイラ。
そんなエンシェント・キマイラの弱点は山羊の顔だ。
特にキメラの上位種であるエンシェント・キマイラを倒すとなると、他の部分をどれだけ攻撃しても無駄に終わる。
エンシェント・キマイラの厄介なところは異常な再生能力だった。
弱点以外の場所をどれだけ攻撃して破損させたとしても、すぐに持ち前の異常な再生能力で元通りになってしまう。
なのでエンシェント・キマイラを確実に倒すには、再生能力でも追いつかない威力の攻撃で、弱点である山羊の顔を斬り落とすか粉々にしなくてはならない。
そして俺はどちらの戦法も選択した。
まず俺は1体のエンシェント・キマイラの攻撃を避けながら胴体に飛び乗ると、山羊の顔――正確には胴体と繋がっている首の部分に手刀を走らせる。
ザンッ!
俺は練り上げた気力を纏わせた手刀――〈無影・手刀打ち〉で山羊の顔を胴体から切り離す。
やがて弱点の部位を切り離されたエンシェント・キマイラは絶命した。
すると他のエンシェント・キマイラどもは、どんな鉄剣よりも切れ味のあった俺の〈無影・手刀打ち〉を警戒したのだろう。
四足歩行から二足歩行となり、背中の山羊の顔を守るような態勢となった。
あまい!
俺は二足歩行となったエンシェント・キマイラどもの巨大な爪や牙による、引っ掻き攻撃や噛みつき攻撃を躱しながら山羊の顔に技を叩き込んでいく。
直接ではない。
エンシェント・キマイラの腹部に右拳を押し当て、背中の山羊の顔へと衝撃が通るような特殊な打拳を放つ。
零距離からピンポイントの場所を破壊する打拳――〈当破・正拳突き〉だ。
バガンッ!
耳朶を打つ爆音とともに、山羊の顔が爆裂四散する。
その後、俺は立て続けに〈当破・正拳突き〉を残りのエンシェント・キマイラにも打ち込み、すべてのエンシェント・キマイラを仕留めた。
もちろん、まだ他の魔物どもが残っている。
そして、こいつらをすべて倒さなければエミリアの元へ向かうのは難しかった。
だが、あまり時間をかけすぎては手遅れになる。
俺は四方を囲んでくる魔物どもを見回した。
普通の人間ならばこのような事態に陥ると、パニック状態になって通常の力の半分も出せなくなるに違いない。
けれども俺は違う。
あの戦い――戦魔大戦を経験したせいで、どんな悪夢のような非常事態になっても心が搔き乱されることはなくなった。
代わりに感じるようになったのは、このようなときは目に映る悪の存在を片っ端から壊したくなるという欲求だ。
それは自分が1匹の獰猛な獣になる感覚に似ていたかもしれない。
どちらにせよ、ちまちま闘っていても埒が明かないのは事実だ。
だったら、やることは一つしかない。
コオオオオオオオオオオオオ――――…………
俺は息吹を発しながら、下丹田でさらなる気力を練る。
そして――。
俺はすべてを蹂躙する1匹の拳獣になった。
一人の冒険者がある一点を指さしながら声を上げた。
エミリア・クランリーこと私も冒険者が指し示したほうへ意識を向ける。
え……あれって?
私はケンシン師匠が闘っている場所からはるか前方――アリアナ大森林の上空からこちらに飛行してくる不気味な影を見つめた。
その不気味な影は最初こそ小さな黒い点だったが、時間が経つごとに見る見るうちに大きくなっていく。
凄まじい速度で何かがこちらに向かっているのだ。
それはケンシン師匠の上空をあっという間に通過し、私たち冒険者の一団へと近づいてくる。
やがて視力が良かった冒険者の一人が声高に叫んだ。
「ギ……ギガント・エイプだ!」
私たちの間に恐怖と緊張が駆け抜ける。
輪郭がはっきりと見えてきたので、私も視界に捉えることができた。
遠目からでも分かる。
額についている巨大な一本角と、白と黒の斑模様の肉体。
間違いない。
ここに来るまでに聞かされた、ギガント・エイプの身体的特徴と同じだ。
しかし、冒険者の一団が息を呑んだのはギガント・エイプを見たからではない。
いや、確かにギガント・エイプも十分に恐怖を感じる原因の一つだった。
だが、ギガント・エイプがこちらに向かっている移動手段にも全員が驚愕したのだ。
「う、嘘だ……こんなことがあるはずがない」
私の隣にいたキキョウさんが全身を震わせながら呟く。
「なぜ、レッド・ドラゴンの背中にギガント・エイプが乗っているのだ!」
レッド・ドラゴン。
本来はAランク以上のダンジョンの最下層にしか現れない竜種の王。
討伐ランクは当然ながらSランクだった。
そのレッド・ドラゴンの背中にギガント・エイプが乗っており、文字通り空気を切り裂きながら私たち冒険者の一団へと向かって来ているのだ。
このとき、冒険者たちの頭にあった〝敵前逃亡は死罪〟という言葉は粉々に砕け散った。
同時に冒険者たちの恐怖の叫びが大草原に響き渡る。
私は叫び声こそ上げなかったが、心の中でこう思った。
本当の惨劇の幕が上がったのかもしれない、と。
一方、その頃――。
「邪魔だ、お前ら!」
俺は目の前に立ちはだかる魔物どもに向かって声を荒げた。
この場にいる魔物どもが人語を理解できないことは分かっている。
それでも俺は口に出さなければ気がすまなかったのだ。
まさか、アリアナ大森林からギガント・エイプがレッド・ドラゴンに乗って現れるとはまったくの予想外だった。
しかもこの2体のターゲットが俺ではなく、エミリアのいる冒険者の一団に向かったというのが最悪だ。
ギガント・エイプ1体でさえ、200人の冒険者たちが総がかりで挑んでも未曾有の被害が出る。
それなのにレッド・ドラゴンまで出て来てしまっては一巻の終わりだ。
間違いなく、エミリアを含めた冒険者たちは皆殺しになるだろう。
などと思った直後だった。
「ヴォオオオオオオオオオオオオオ――――ッ!」
大気を震わせる咆哮とともに、エンシェント・キマイラどもが突進してきた。
本当は一刻も早くエミリアの元へ向かいたかったが、まるでここにいる魔物どもは時間稼ぎをするように総がかりで襲いかかってくる。
その中でより強く凶悪な存在はエンシェント・キマイラだ。
顔は獅子、胴体はドラゴン、尾は蛇で背中に山羊の顔がついている魔物――エンシェント・キマイラ。
そんなエンシェント・キマイラの弱点は山羊の顔だ。
特にキメラの上位種であるエンシェント・キマイラを倒すとなると、他の部分をどれだけ攻撃しても無駄に終わる。
エンシェント・キマイラの厄介なところは異常な再生能力だった。
弱点以外の場所をどれだけ攻撃して破損させたとしても、すぐに持ち前の異常な再生能力で元通りになってしまう。
なのでエンシェント・キマイラを確実に倒すには、再生能力でも追いつかない威力の攻撃で、弱点である山羊の顔を斬り落とすか粉々にしなくてはならない。
そして俺はどちらの戦法も選択した。
まず俺は1体のエンシェント・キマイラの攻撃を避けながら胴体に飛び乗ると、山羊の顔――正確には胴体と繋がっている首の部分に手刀を走らせる。
ザンッ!
俺は練り上げた気力を纏わせた手刀――〈無影・手刀打ち〉で山羊の顔を胴体から切り離す。
やがて弱点の部位を切り離されたエンシェント・キマイラは絶命した。
すると他のエンシェント・キマイラどもは、どんな鉄剣よりも切れ味のあった俺の〈無影・手刀打ち〉を警戒したのだろう。
四足歩行から二足歩行となり、背中の山羊の顔を守るような態勢となった。
あまい!
俺は二足歩行となったエンシェント・キマイラどもの巨大な爪や牙による、引っ掻き攻撃や噛みつき攻撃を躱しながら山羊の顔に技を叩き込んでいく。
直接ではない。
エンシェント・キマイラの腹部に右拳を押し当て、背中の山羊の顔へと衝撃が通るような特殊な打拳を放つ。
零距離からピンポイントの場所を破壊する打拳――〈当破・正拳突き〉だ。
バガンッ!
耳朶を打つ爆音とともに、山羊の顔が爆裂四散する。
その後、俺は立て続けに〈当破・正拳突き〉を残りのエンシェント・キマイラにも打ち込み、すべてのエンシェント・キマイラを仕留めた。
もちろん、まだ他の魔物どもが残っている。
そして、こいつらをすべて倒さなければエミリアの元へ向かうのは難しかった。
だが、あまり時間をかけすぎては手遅れになる。
俺は四方を囲んでくる魔物どもを見回した。
普通の人間ならばこのような事態に陥ると、パニック状態になって通常の力の半分も出せなくなるに違いない。
けれども俺は違う。
あの戦い――戦魔大戦を経験したせいで、どんな悪夢のような非常事態になっても心が搔き乱されることはなくなった。
代わりに感じるようになったのは、このようなときは目に映る悪の存在を片っ端から壊したくなるという欲求だ。
それは自分が1匹の獰猛な獣になる感覚に似ていたかもしれない。
どちらにせよ、ちまちま闘っていても埒が明かないのは事実だ。
だったら、やることは一つしかない。
コオオオオオオオオオオオオ――――…………
俺は息吹を発しながら、下丹田でさらなる気力を練る。
そして――。
俺はすべてを蹂躙する1匹の拳獣になった。
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