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◇
「きゅー……くるるるるる」
〈ヒトガキタ……マタコウゲキサレルノカナ〉
海岸の近くの海の中に巨大な首の長い竜みたいな生物がいる。あれが水竜なのかな?
言葉が聞こえたけど、俺の言葉も通じる……?
「な、なあ! ここにいても退治されるだけだぞ? どうしてこの場所にとどまっているんだ?」
「くるる? くるるるるる……」
〈ハナセル? ボク、ナカマトハグレテサビシクテ……〉
「スバル? 一体どうしたんだ」
「水竜と話してるんだ。大丈夫だよ。俺に任せて」
イーサンが前に出た俺を後ろに庇うように俺の前に立ったけど、俺はそれを制して再びイーサンの前に出た。
「そうか。仲間を探しに行かないのか?」
「きゅー……」
〈ドコヲサガセバイインダロウ……〉
「最初から諦めてたら見つかるものも見つからないぞ?」
「くるる」
〈ウン〉
「ここにいたら退治されて死んでしまうよ。早めに海に戻るんだ」
「くるるるる」
〈ワカッタヨ〉
「ここには戻ってきちゃダメだからな!」
「きゅーくるるるる!」
〈ボクガンバッテナカマヲミツケル!〉
「きっと見つかるよ! 頑張れ!」
なんで水竜と話せたのかはわからないけど、退治せずにすんで良かった。
俺達に背を向けて海原を進む背中を見送って、俺は振り返った。
「多分もうここには現れないと思う」
成り行きを見守っていたみんなは呆然としていたけど、グレンがいち早く反応した。
「そっか。また現れたら、今度は退治しなくちゃならないかも」
「そうなって欲しくはないけど……」
「とりあえず、ギルドに報告に行こう」
ライアンさんが微笑んで皆を促した。
「水竜は追い払ったとだけ言おう」
「それがいいですわね」
イーサンの提案にフィーユさんが頷いて、俺達はギルドに向かうことにした。
「きゅー……くるるるるる」
〈ヒトガキタ……マタコウゲキサレルノカナ〉
海岸の近くの海の中に巨大な首の長い竜みたいな生物がいる。あれが水竜なのかな?
言葉が聞こえたけど、俺の言葉も通じる……?
「な、なあ! ここにいても退治されるだけだぞ? どうしてこの場所にとどまっているんだ?」
「くるる? くるるるるる……」
〈ハナセル? ボク、ナカマトハグレテサビシクテ……〉
「スバル? 一体どうしたんだ」
「水竜と話してるんだ。大丈夫だよ。俺に任せて」
イーサンが前に出た俺を後ろに庇うように俺の前に立ったけど、俺はそれを制して再びイーサンの前に出た。
「そうか。仲間を探しに行かないのか?」
「きゅー……」
〈ドコヲサガセバイインダロウ……〉
「最初から諦めてたら見つかるものも見つからないぞ?」
「くるる」
〈ウン〉
「ここにいたら退治されて死んでしまうよ。早めに海に戻るんだ」
「くるるるる」
〈ワカッタヨ〉
「ここには戻ってきちゃダメだからな!」
「きゅーくるるるる!」
〈ボクガンバッテナカマヲミツケル!〉
「きっと見つかるよ! 頑張れ!」
なんで水竜と話せたのかはわからないけど、退治せずにすんで良かった。
俺達に背を向けて海原を進む背中を見送って、俺は振り返った。
「多分もうここには現れないと思う」
成り行きを見守っていたみんなは呆然としていたけど、グレンがいち早く反応した。
「そっか。また現れたら、今度は退治しなくちゃならないかも」
「そうなって欲しくはないけど……」
「とりあえず、ギルドに報告に行こう」
ライアンさんが微笑んで皆を促した。
「水竜は追い払ったとだけ言おう」
「それがいいですわね」
イーサンの提案にフィーユさんが頷いて、俺達はギルドに向かうことにした。
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