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3、ローズヒップティー

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「…っぷ、はははっ、聞いたかルーク!」

「ああ、聞いてるさ。だが、俺はいま心底安堵している。」

システィーナの後ろに控える近衛隊長のルークは、爆笑している王をよそに、近くの侍従にカーテンを閉めるよう指示を出した。
その表情は、ひどく感銘を受けた様子だ。

「…ははは、貴方は相変わらずだな、システィーナ姫。そろそろあの件は、水に流さないか?」

「ご安心くださいませ。もう流しております。」

「いや、君の最も大事なティータイムを邪魔したあの時の罪は重いな…すまなかった。お詫びと言っては何だが、今からティータイムはいかがだろうか。」

カイゼンは、普通の令嬢であれば卒倒するであろう、誘うような表情をつくり、システィーナを見つめる。
しかし、彼女の表情は依然変わらず、うなずきもしない。

「陛下もお人が悪いですね。いままで多くの淑女が、恋を患い正気を失ってしまったのは、陛下のそういう悪ふざけが原因なのでは?」

毅然とした態度で言い放つシスティーナに、ルークが力強く何度もうなずく。

「やっぱり根に持ってるだろう。」

「いいえ、ですが陛下が今後、お困りにならないよう身を挺して進言しているのです。」

カイゼンは、短くため息を吐き、再び笑顔をつくりシスティーナを見た。
システィーナもまた一段と、綺麗に微笑む。

「気を付けよう。そうだ、君が飲みたがっていた王家の薔薇で作られたローズヒップティーを準備した。」

「ローズヒップティー…ぜひ、ご一緒させていただきますわ。」

カイゼンは席を立ち、システィーナに歩み寄ると、手を差し出した。

「お手をどうぞ、未来の王妃陛下。」
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