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13.湊は…
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朝。
体を起こし下を見ると、すでに湊は起きているようだ。昨日のお詫びに朝食でもと思ったのだが…。
何か手伝えることがあるかもと、俺はリビングへ向かった。
「おはよう湊」
「あ、おはようひろ兄!体、大丈夫?」
「あ、ああ。何ともないよ。それより、運んでくれてありがとな。重かったろ?」
「全然!むしろ俺的にはラッ…楽勝だったよ!」
「楽勝って、何だよそれ」
「あ、コーヒー先に飲む?」
「あ…今日は俺が煎れるよ」
話しながらも朝食の準備をする湊の横に並び、コーヒーメーカーの準備をする。流石に、男二人が並ぶと狭いな。…隣にいる湊からは、ふんわりといい香りがした。
「もうすぐ出来るからね」
手際よくベーコンエッグを焼きながら、手早くサラダとヨーグルトを小皿に盛り付ける。まるで喫茶店のモーニングだな。
「完成~!」
「こっちも出来たぞ」
出来上がったコーヒーをマグカップに注ぎ、湊の分にはたっぷりのミルクも注ぐ。こんなとこはまだ幼いんだけどな~。
「「いただきます」」
う~ん、実家にいた時よりも充実した朝食だな。母さん、トーストだけだったし…。
「ひろ兄、今日から仕事始まるの?」
「ん?あ~そうだな…。研修期間だけど定時まで会社だな」
「そっか…。じゃあ、俺美味しいご飯用意して待ってるね!」
「あ…ああ、うん」
ニコニコと天使の笑みで俺に笑いかける湊。待て。その会話は恋人とする会話じゃないのか?!
「あ、ひろ兄口元付いてる」
「へ?」
「ここ」
スッと湊の手が伸びてきて、俺の口の横についていたドレッシングを拭い取り、その指を自分の口に運びペロッと舐めた。
「え?」
「あ?!ご、ごめん!つい自分のつもりで…」
「あ、ああ…いや…サンキュ」
「うん」
…びっくりしたー!!あまりにも自然で一瞬何が起きたのか分からなかった…。まぁ、湊とは兄弟みたいなもんだから気にはしないけど。てか、なんか俺の方が弟のような気になるのは何故だろう…。
「「ごちそうさまでした」」
「洗い物は俺がするから」
「ありがと」
「あ!昨日できなかった洗濯は今日の夜するから触るなよ!」
「は~い」
ふ~。俺の当番でもすぐ湊はしようとするからな。年上として出来るってとこもちゃんと見せとかないと!
食器籠に洗ったお皿を並べて、飛び散った水も布巾で拭いて…よし完璧!(多分)
さて、そろそろ支度しないと遅刻だ。
洗面を済ませ部屋に入ると、ちょうど湊が着替えている所だった。
「…っ!わ、悪い」
「ふふ。悪いって、いまさら言ってんだよひろ兄」
「そ、それもそうだな…」
いや、なんか、朝日を浴びた湊がキラキラと綺麗すぎて、何度も一緒に着替えてるはずなのにまともに見たのが衝撃的だった。ちょっと気恥ずかしくて湊に背を向けて着替えていると、鏡越しに湊と視線がぶつかった。
「何だ?」
「ひろ兄って、着やせするタイプだよね」
「そうか~?」
「そうだよ。あ!またネクタイ曲がってる~」
湊は、俺の方に寄って来て昨日同様ネクタイを直してくれた。何故か俺の心臓はバクバクしている…。
「はい、出来たよ」
「悪いな」
「どういたしまして」
「じゃ、行ってくるわ」
「うん、いってらっしゃい!」
満面の笑みで俺を見送る湊。その顔はまさに美の女神!!って、さっきから俺は何を考え考えてるんだ!湊は男だ!!
体を起こし下を見ると、すでに湊は起きているようだ。昨日のお詫びに朝食でもと思ったのだが…。
何か手伝えることがあるかもと、俺はリビングへ向かった。
「おはよう湊」
「あ、おはようひろ兄!体、大丈夫?」
「あ、ああ。何ともないよ。それより、運んでくれてありがとな。重かったろ?」
「全然!むしろ俺的にはラッ…楽勝だったよ!」
「楽勝って、何だよそれ」
「あ、コーヒー先に飲む?」
「あ…今日は俺が煎れるよ」
話しながらも朝食の準備をする湊の横に並び、コーヒーメーカーの準備をする。流石に、男二人が並ぶと狭いな。…隣にいる湊からは、ふんわりといい香りがした。
「もうすぐ出来るからね」
手際よくベーコンエッグを焼きながら、手早くサラダとヨーグルトを小皿に盛り付ける。まるで喫茶店のモーニングだな。
「完成~!」
「こっちも出来たぞ」
出来上がったコーヒーをマグカップに注ぎ、湊の分にはたっぷりのミルクも注ぐ。こんなとこはまだ幼いんだけどな~。
「「いただきます」」
う~ん、実家にいた時よりも充実した朝食だな。母さん、トーストだけだったし…。
「ひろ兄、今日から仕事始まるの?」
「ん?あ~そうだな…。研修期間だけど定時まで会社だな」
「そっか…。じゃあ、俺美味しいご飯用意して待ってるね!」
「あ…ああ、うん」
ニコニコと天使の笑みで俺に笑いかける湊。待て。その会話は恋人とする会話じゃないのか?!
「あ、ひろ兄口元付いてる」
「へ?」
「ここ」
スッと湊の手が伸びてきて、俺の口の横についていたドレッシングを拭い取り、その指を自分の口に運びペロッと舐めた。
「え?」
「あ?!ご、ごめん!つい自分のつもりで…」
「あ、ああ…いや…サンキュ」
「うん」
…びっくりしたー!!あまりにも自然で一瞬何が起きたのか分からなかった…。まぁ、湊とは兄弟みたいなもんだから気にはしないけど。てか、なんか俺の方が弟のような気になるのは何故だろう…。
「「ごちそうさまでした」」
「洗い物は俺がするから」
「ありがと」
「あ!昨日できなかった洗濯は今日の夜するから触るなよ!」
「は~い」
ふ~。俺の当番でもすぐ湊はしようとするからな。年上として出来るってとこもちゃんと見せとかないと!
食器籠に洗ったお皿を並べて、飛び散った水も布巾で拭いて…よし完璧!(多分)
さて、そろそろ支度しないと遅刻だ。
洗面を済ませ部屋に入ると、ちょうど湊が着替えている所だった。
「…っ!わ、悪い」
「ふふ。悪いって、いまさら言ってんだよひろ兄」
「そ、それもそうだな…」
いや、なんか、朝日を浴びた湊がキラキラと綺麗すぎて、何度も一緒に着替えてるはずなのにまともに見たのが衝撃的だった。ちょっと気恥ずかしくて湊に背を向けて着替えていると、鏡越しに湊と視線がぶつかった。
「何だ?」
「ひろ兄って、着やせするタイプだよね」
「そうか~?」
「そうだよ。あ!またネクタイ曲がってる~」
湊は、俺の方に寄って来て昨日同様ネクタイを直してくれた。何故か俺の心臓はバクバクしている…。
「はい、出来たよ」
「悪いな」
「どういたしまして」
「じゃ、行ってくるわ」
「うん、いってらっしゃい!」
満面の笑みで俺を見送る湊。その顔はまさに美の女神!!って、さっきから俺は何を考え考えてるんだ!湊は男だ!!
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