13 / 16
13.湊は…
しおりを挟む
朝。
体を起こし下を見ると、すでに湊は起きているようだ。昨日のお詫びに朝食でもと思ったのだが…。
何か手伝えることがあるかもと、俺はリビングへ向かった。
「おはよう湊」
「あ、おはようひろ兄!体、大丈夫?」
「あ、ああ。何ともないよ。それより、運んでくれてありがとな。重かったろ?」
「全然!むしろ俺的にはラッ…楽勝だったよ!」
「楽勝って、何だよそれ」
「あ、コーヒー先に飲む?」
「あ…今日は俺が煎れるよ」
話しながらも朝食の準備をする湊の横に並び、コーヒーメーカーの準備をする。流石に、男二人が並ぶと狭いな。…隣にいる湊からは、ふんわりといい香りがした。
「もうすぐ出来るからね」
手際よくベーコンエッグを焼きながら、手早くサラダとヨーグルトを小皿に盛り付ける。まるで喫茶店のモーニングだな。
「完成~!」
「こっちも出来たぞ」
出来上がったコーヒーをマグカップに注ぎ、湊の分にはたっぷりのミルクも注ぐ。こんなとこはまだ幼いんだけどな~。
「「いただきます」」
う~ん、実家にいた時よりも充実した朝食だな。母さん、トーストだけだったし…。
「ひろ兄、今日から仕事始まるの?」
「ん?あ~そうだな…。研修期間だけど定時まで会社だな」
「そっか…。じゃあ、俺美味しいご飯用意して待ってるね!」
「あ…ああ、うん」
ニコニコと天使の笑みで俺に笑いかける湊。待て。その会話は恋人とする会話じゃないのか?!
「あ、ひろ兄口元付いてる」
「へ?」
「ここ」
スッと湊の手が伸びてきて、俺の口の横についていたドレッシングを拭い取り、その指を自分の口に運びペロッと舐めた。
「え?」
「あ?!ご、ごめん!つい自分のつもりで…」
「あ、ああ…いや…サンキュ」
「うん」
…びっくりしたー!!あまりにも自然で一瞬何が起きたのか分からなかった…。まぁ、湊とは兄弟みたいなもんだから気にはしないけど。てか、なんか俺の方が弟のような気になるのは何故だろう…。
「「ごちそうさまでした」」
「洗い物は俺がするから」
「ありがと」
「あ!昨日できなかった洗濯は今日の夜するから触るなよ!」
「は~い」
ふ~。俺の当番でもすぐ湊はしようとするからな。年上として出来るってとこもちゃんと見せとかないと!
食器籠に洗ったお皿を並べて、飛び散った水も布巾で拭いて…よし完璧!(多分)
さて、そろそろ支度しないと遅刻だ。
洗面を済ませ部屋に入ると、ちょうど湊が着替えている所だった。
「…っ!わ、悪い」
「ふふ。悪いって、いまさら言ってんだよひろ兄」
「そ、それもそうだな…」
いや、なんか、朝日を浴びた湊がキラキラと綺麗すぎて、何度も一緒に着替えてるはずなのにまともに見たのが衝撃的だった。ちょっと気恥ずかしくて湊に背を向けて着替えていると、鏡越しに湊と視線がぶつかった。
「何だ?」
「ひろ兄って、着やせするタイプだよね」
「そうか~?」
「そうだよ。あ!またネクタイ曲がってる~」
湊は、俺の方に寄って来て昨日同様ネクタイを直してくれた。何故か俺の心臓はバクバクしている…。
「はい、出来たよ」
「悪いな」
「どういたしまして」
「じゃ、行ってくるわ」
「うん、いってらっしゃい!」
満面の笑みで俺を見送る湊。その顔はまさに美の女神!!って、さっきから俺は何を考え考えてるんだ!湊は男だ!!
体を起こし下を見ると、すでに湊は起きているようだ。昨日のお詫びに朝食でもと思ったのだが…。
何か手伝えることがあるかもと、俺はリビングへ向かった。
「おはよう湊」
「あ、おはようひろ兄!体、大丈夫?」
「あ、ああ。何ともないよ。それより、運んでくれてありがとな。重かったろ?」
「全然!むしろ俺的にはラッ…楽勝だったよ!」
「楽勝って、何だよそれ」
「あ、コーヒー先に飲む?」
「あ…今日は俺が煎れるよ」
話しながらも朝食の準備をする湊の横に並び、コーヒーメーカーの準備をする。流石に、男二人が並ぶと狭いな。…隣にいる湊からは、ふんわりといい香りがした。
「もうすぐ出来るからね」
手際よくベーコンエッグを焼きながら、手早くサラダとヨーグルトを小皿に盛り付ける。まるで喫茶店のモーニングだな。
「完成~!」
「こっちも出来たぞ」
出来上がったコーヒーをマグカップに注ぎ、湊の分にはたっぷりのミルクも注ぐ。こんなとこはまだ幼いんだけどな~。
「「いただきます」」
う~ん、実家にいた時よりも充実した朝食だな。母さん、トーストだけだったし…。
「ひろ兄、今日から仕事始まるの?」
「ん?あ~そうだな…。研修期間だけど定時まで会社だな」
「そっか…。じゃあ、俺美味しいご飯用意して待ってるね!」
「あ…ああ、うん」
ニコニコと天使の笑みで俺に笑いかける湊。待て。その会話は恋人とする会話じゃないのか?!
「あ、ひろ兄口元付いてる」
「へ?」
「ここ」
スッと湊の手が伸びてきて、俺の口の横についていたドレッシングを拭い取り、その指を自分の口に運びペロッと舐めた。
「え?」
「あ?!ご、ごめん!つい自分のつもりで…」
「あ、ああ…いや…サンキュ」
「うん」
…びっくりしたー!!あまりにも自然で一瞬何が起きたのか分からなかった…。まぁ、湊とは兄弟みたいなもんだから気にはしないけど。てか、なんか俺の方が弟のような気になるのは何故だろう…。
「「ごちそうさまでした」」
「洗い物は俺がするから」
「ありがと」
「あ!昨日できなかった洗濯は今日の夜するから触るなよ!」
「は~い」
ふ~。俺の当番でもすぐ湊はしようとするからな。年上として出来るってとこもちゃんと見せとかないと!
食器籠に洗ったお皿を並べて、飛び散った水も布巾で拭いて…よし完璧!(多分)
さて、そろそろ支度しないと遅刻だ。
洗面を済ませ部屋に入ると、ちょうど湊が着替えている所だった。
「…っ!わ、悪い」
「ふふ。悪いって、いまさら言ってんだよひろ兄」
「そ、それもそうだな…」
いや、なんか、朝日を浴びた湊がキラキラと綺麗すぎて、何度も一緒に着替えてるはずなのにまともに見たのが衝撃的だった。ちょっと気恥ずかしくて湊に背を向けて着替えていると、鏡越しに湊と視線がぶつかった。
「何だ?」
「ひろ兄って、着やせするタイプだよね」
「そうか~?」
「そうだよ。あ!またネクタイ曲がってる~」
湊は、俺の方に寄って来て昨日同様ネクタイを直してくれた。何故か俺の心臓はバクバクしている…。
「はい、出来たよ」
「悪いな」
「どういたしまして」
「じゃ、行ってくるわ」
「うん、いってらっしゃい!」
満面の笑みで俺を見送る湊。その顔はまさに美の女神!!って、さっきから俺は何を考え考えてるんだ!湊は男だ!!
22
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説

とある冒険者達の話
灯倉日鈴(合歓鈴)
BL
平凡な魔法使いのハーシュと、美形天才剣士のサンフォードは幼馴染。
ある日、ハーシュは冒険者パーティから追放されることになって……。
ほのぼの執着な短いお話です。

フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)


【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。

失恋したのに離してくれないから友達卒業式をすることになった人たちの話
雷尾
BL
攻のトラウマ描写あります。高校生たちのお話。
主人公(受)
園山 翔(そのやまかける)
攻
城島 涼(きじまりょう)
攻の恋人
高梨 詩(たかなしうた)
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる