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12.湊という男③
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湊と一緒にいると、彼女に間違えられることが増えた。小学生であるにも関わらず、だ。そりゃ確かに美少年だとは思うがどう見ても男だろ!それに俺はロリコンじゃない!と、俺は心の中で叫んでいた。
「ごめんねひろ兄…僕がもっと男らしかったら…」
「い、いや湊が悪いわけじゃ無いから」
はぁ~…。
中三の時、そんな俺にも好きな人が出来た。
相手は同じ塾に通う女の子。違う学校だから湊の事も知らない。
たまたま席が隣になって、俺が分からない問題に苦戦している所を教えてもらったのがきっかけだ。
「あ、あのさ…参考書買いに行くの付き合ってもらえないかな?」
「良いわよ。私もちょうど行きたかったから」
ある日、ダメもとで誘ってみたらOKが貰えた。デート…とは言えないけど、二人で出掛けることに成功した。
当日、彼女は普段塾に来る時とは違って可愛らしいワンピース姿だった。…これって、期待しても良いのかな。なんて。
目的の参考書を購入し、ファーストフード店でお昼を一緒に食べて、少し息抜きに街をぶらぶらして…これってデートじゃん!と一人舞い上がったりして。
受験生なのもあって、そんなに長く出歩く訳にもいかず早々に駅に帰り着くも、名残惜しく彼女の家の方向へ送っていった。「ここで」と言う彼女を引き留め、少し立ち話をしていると、
「ひろ兄~!」
と呼ぶ湊の声が聞こえた。内心、「げっ?!」と思った。湊は走り寄ってきて、あろうことか俺の腕にしがみ付いた。
「妹さん?」
あ…やっぱり初対面は女の子に見えるのか…。
「え?あ、いや、幼馴染」
「そう。初めまして」
彼女はにっこりと湊に向かって微笑んだ。おお!湊に対してこんな対応見るの初めてだ!
「初めまして。ねぇひろ兄…昨日怖い夢見ちゃって一人で寝るの怖い…。いつもみたいに、一緒に寝てくれる?」
え?!今、そんな話する?!
「お願い…」
う…。
「ったく、仕方ねぇな~…。っと、ごめん。今日はこいつ連れて帰るわ…」
「そう。じゃあね…」
ん?あれ?…何か不機嫌??そう思うも、湊にぐいぐいと引っ張られ俺はその場を後にした。
「ひろ兄、お風呂も一緒に入ってくれる?」
「わ、分かったから」
「やった~!」
その晩、俺は約束通り湊と風呂に一緒に風呂に入り一緒に眠った。
翌朝、目覚めると湊はすでに起きていて着替えを済ませていた。
「あれ?湊、今朝は早いな」
「うん。ひろ兄と一緒に寝たらぐっすり眠れて、今朝はいつもよりスッキリ起きれたんだ!」
「そっか。じゃ、俺は家に帰るな」
「ありがとうひろ兄!」
そう言って、湊は俺に抱き着いてきた。ふんわりと香る石鹸の匂いに、少しドキッとしたのは内緒…。
その日、塾に行くと彼女は俺の横じゃなく違う席に座った。話しかけようとしたが、交わされて話すことも出来なかった。進展することも無く、俺の初恋は終わりを告げた。俺、何かしたかなぁ…。
高校になってもそんな現象は続いた。あまりにも同じことが事が続いたので分析すると、全て湊に出会ってからだということが判明した。…そりゃ、俺より美少年に魅かれるよな。そして、高校も大学も彼女は出来ないままだった。そして俺は決意した。
”湊が側にいる限り、俺に春は無い!就職は地元を離れる!!”
そして、念願かなって地元を離れ一人暮らしを始めたのだが…。何故か湊と同居する羽目になってしまった。
俺は、湊から離れられないのか~~~~~!!
「ごめんねひろ兄…僕がもっと男らしかったら…」
「い、いや湊が悪いわけじゃ無いから」
はぁ~…。
中三の時、そんな俺にも好きな人が出来た。
相手は同じ塾に通う女の子。違う学校だから湊の事も知らない。
たまたま席が隣になって、俺が分からない問題に苦戦している所を教えてもらったのがきっかけだ。
「あ、あのさ…参考書買いに行くの付き合ってもらえないかな?」
「良いわよ。私もちょうど行きたかったから」
ある日、ダメもとで誘ってみたらOKが貰えた。デート…とは言えないけど、二人で出掛けることに成功した。
当日、彼女は普段塾に来る時とは違って可愛らしいワンピース姿だった。…これって、期待しても良いのかな。なんて。
目的の参考書を購入し、ファーストフード店でお昼を一緒に食べて、少し息抜きに街をぶらぶらして…これってデートじゃん!と一人舞い上がったりして。
受験生なのもあって、そんなに長く出歩く訳にもいかず早々に駅に帰り着くも、名残惜しく彼女の家の方向へ送っていった。「ここで」と言う彼女を引き留め、少し立ち話をしていると、
「ひろ兄~!」
と呼ぶ湊の声が聞こえた。内心、「げっ?!」と思った。湊は走り寄ってきて、あろうことか俺の腕にしがみ付いた。
「妹さん?」
あ…やっぱり初対面は女の子に見えるのか…。
「え?あ、いや、幼馴染」
「そう。初めまして」
彼女はにっこりと湊に向かって微笑んだ。おお!湊に対してこんな対応見るの初めてだ!
「初めまして。ねぇひろ兄…昨日怖い夢見ちゃって一人で寝るの怖い…。いつもみたいに、一緒に寝てくれる?」
え?!今、そんな話する?!
「お願い…」
う…。
「ったく、仕方ねぇな~…。っと、ごめん。今日はこいつ連れて帰るわ…」
「そう。じゃあね…」
ん?あれ?…何か不機嫌??そう思うも、湊にぐいぐいと引っ張られ俺はその場を後にした。
「ひろ兄、お風呂も一緒に入ってくれる?」
「わ、分かったから」
「やった~!」
その晩、俺は約束通り湊と風呂に一緒に風呂に入り一緒に眠った。
翌朝、目覚めると湊はすでに起きていて着替えを済ませていた。
「あれ?湊、今朝は早いな」
「うん。ひろ兄と一緒に寝たらぐっすり眠れて、今朝はいつもよりスッキリ起きれたんだ!」
「そっか。じゃ、俺は家に帰るな」
「ありがとうひろ兄!」
そう言って、湊は俺に抱き着いてきた。ふんわりと香る石鹸の匂いに、少しドキッとしたのは内緒…。
その日、塾に行くと彼女は俺の横じゃなく違う席に座った。話しかけようとしたが、交わされて話すことも出来なかった。進展することも無く、俺の初恋は終わりを告げた。俺、何かしたかなぁ…。
高校になってもそんな現象は続いた。あまりにも同じことが事が続いたので分析すると、全て湊に出会ってからだということが判明した。…そりゃ、俺より美少年に魅かれるよな。そして、高校も大学も彼女は出来ないままだった。そして俺は決意した。
”湊が側にいる限り、俺に春は無い!就職は地元を離れる!!”
そして、念願かなって地元を離れ一人暮らしを始めたのだが…。何故か湊と同居する羽目になってしまった。
俺は、湊から離れられないのか~~~~~!!
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