幼馴染のせいで彼女が出来ません!~カワイイ年下幼馴染はオオカミに成長しました~

syouki

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9.お祝い

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「あ、ケーキ買って帰ろうぜ。せっかくのお祝いだし」
「そうだね。ひろ兄はもちろんショートケーキでしょ?」
「当たり前だ」

ケーキ屋さんに寄り、ショートケーキとチョコレートケーキを一つずつ買い、家路に着いた。

「「ただいま~」」

キッチンに荷物を置き、着替えるために俺達は寝室へと移動した。

「着替えたらご飯作っちゃうから、ひろ兄は洗濯物お願いね」
「了解」

お互いネクタイを外し、スーツから部屋着へと着替える。意識はしていなかったが、視界の端に湊が入る。細身のわりに意外と筋肉質な体つき。うわ、腹筋割れてるし!それに比べて…。うん、少し運動しよ…。

「どうしたのひろ兄?」
「いや、神様って依怙贔屓だなって思って…」
「何それ?ああ、パンとご飯どっちが良い?」
「ご飯」
「了解!じゃ、支度するね~」

料理好きなのか、湊はご機嫌でキッチンに向かった。さて、俺も役割しないと。



「お待たせ~!!」
「おお~!!」

テーブルには、ビーフシチューとローストビーフサラダ、コロッケとライスがホカホカと湯気を立てて並べられていた。

「美味そう~!」
「あ、残ったワイン飲む?」
「ああ」
「ちょっと待ってね」

湊はキッチンに行くと、ワインとグラスを持ってきてくれた。

「これで良かった?」
「ワイングラス何て無いから何でも良いよ」

少し小ぶりのグラスを受け取ると、湊がワインを注いでくれた。

「サンキュ」
「じゃ、ひろ兄の就職をお祝いして!」
「湊の大学入学をお祝いして!」
「「カンパ~イ!!」」

チンとグラスを合わせて、一口ワインを口に含む。…美味っ!ワインは詳しくないけど、酸味も少なくてめっちゃ飲みやすい!ちょっとハマりそうだな。

「ひろ兄!さ、食べて食べて!!」
「おう。いただきます!」

湊の作ったビーフシチューはしっかり煮込まれたかのようにお肉はホロホロだった。

「うっま~!!短時間でよく作れたな~」
「うん!圧力鍋使ったんだ。真理子さんが入れてくれてた!」
「そ、そっか…」

母さん…もしかして台所用品が多かったのは湊の為か…。ま、まぁ、美味い飯が食べれるから良しとするか。

「お代わりもあるからね!」
「ああ」

ご飯が美味いと、必然的にお酒も進む。俺は調子に乗って、残っていたワインをいつの間にか飲み干してしまっていた。

「ひろ兄、大丈夫?」
「…らい、ろ~ぶ…」
「ほら、ベッド行こう。立てる?」
「…ここれねる…」
「風邪ひいちゃうよ~」
「へい…き……ぐぅ~…」
「もう…」

俺の意識はそこで途絶えた。



※※湊視点※※

「…ぐぅ~…」
「寝ちゃった…。相変わらず、カワイイ寝顔」

俺の気持ちを知らないひろ兄は、全くの無防備で俺の前で酔っぱらって眠ってしまった。
ここ数日、一緒の部屋で寝るだけでも俺の自制心は毎晩ヤバいっていうのに…。
まぁ、初日は不可抗力と称して抱きしめたけどね。
さて、洗い物を先に済ませてベッドに運ばないと。


――数分後――

「ひろ兄~起きれる?ベッド行くよ~」
「う~ん…もう少し…」
「もう仕方ないな~」

まだ寝ぼけてるひろ兄を、俺はお姫様抱っこでベッドまで運んだ。あ~ヤバい…可愛過ぎる。

起こさない様にそ~っとベッドに降ろすと、ひろ兄は寝返りの様に動き俺の腕を体の下に敷いてしまった。

「まじか…」

目に前には、スース―と寝息を立てて眠っている愛おしい人。少し開いた唇がとっても妖艶で艶めかしい。

「好きだよひろ兄…」

俺は、その唇にとうとう自分の唇を重ねてしまった――




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