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勝負
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モーガン周辺で起きていた恋愛事情に意図せず巻き込まれに行き、僕も立花さんのことをちゃんと考えないといけないのかなと思いながらも、ルージュさんに会いに王城に入る。
「クオン君、お疲れ様。成果はどうだったの?」
宰相の部屋を仮で使っているルージュさんの元に向かっている途中で委員長に声を掛けられる。
「僕の成果はまあまあだけど、元冒険者の人を焚き付けたら思っていたよりもいい成果をあげてくれたよ。委員長はこんなところで何してるの?」
「今日で討伐祭が終わったから、誰に恩賞を与えるか決めるのに、ルージュさんに手を貸して欲しいって頼まれて手伝っているのよ」
「そうなんだ。帰還方法は何か見つかった?」
「変わらないわね。もしかしたら最初の神事を行った時点でフランちゃんの心情が変わるかもしれないけど、期待薄かな」
「委員長はさ、この世界で何かやり残したこととかないの?」
「そうね……日頃から悔いの残らない選択をするように心掛けているから、クオン君に騙され続けていることに対して反撃してないことくらいかな。もしかして、私を殺す気になった?」
「いや、なってないよ。別に委員長を殺す必要はないし」
「それじゃあなんでこんなこと聞いたの?」
「やることもなくなってきたし、そろそろこのゲームを終わらせようかなって。ほら、もうすぐ新しくこの世界に拉致されてくる人がいるわけだから、いつまでも前のプレイヤーが居続けるのもね」
「クオン君は好きに終わらせられるみたいな言い方ね。それとも、クオン君はもうこっちに来るのをやめるって話?」
「いや、委員長もそろそろ帰りたいかなって。色々と片付いたからタイミング的には悪くないでしょ?」
「確かにタイミングはいいと思うけど、私はこの世界に来てからずっと帰りたいとは思っているわよ」
「そっか。それじゃあこの紙のどちらかを選んでくれる?2通りやり方を考えてて、どっちがいいか迷っているんだよね。だから委員長の運に任せるよ」
両手に封をした紙を持って、委員長に選ばせる。
「そんなに帰る方法があるの?」
「前に委員長が考えただけでも4つ見つかったんだよ。他にもいろんなところにヒントは散りばめられていたってこと。どっちも厳しい道のりではあるから、運に任せようかなって」
「……それじゃあこっちにするわ」
委員長が右手に持っていた紙を選ぶ。
見せる前に混ぜているから、僕も委員長がどっちを選んだかは知らない。
「開いていいよ」
「……何も書かれていないわよ?」
「そう、そっちが選ばれたんだね。何をするのかはお楽しみに。何かやり残したことを思い出したらお早めにね」
偶然か必然かわからないけど、予想していた通り委員長は白紙の紙を選んだ。
話したら敵対すると言われている秘密を書いた紙の方ではなく。
敵対するということは、都合の良いように考えるなら戦うフラグが立つということなので、あの少年姿の最高神が出てくるのか、選ばれた刺客が出てくるのかわからないけど、勝てればゲームクリア、倒せず殺されてもゲームオーバーで元の世界には帰れると僕は思っている。
単純に50パーセントを外したのか、何らかの力が働いたのかはわからないけど、この方法は一旦却下することにする。
「また何をするのか教えてくれないんだ?」
委員長からジト目を向けられる。
「そうだね」
「クオンくんが自覚しているのかわからないけど、クオンくんが話してもいいことを秘密にしているのを見たことがないのよね。楽しみにしててって言いつつ、今ここで私に話したら、私が止めるようなことをやろうとしているでしょ?」
「それはどうかな。ただ委員長にサプライズを考えているだけかもしれないよ」
実際には委員長の言う通り、話せば正論を言って邪魔してきそうなことをやるつもりではいる。
「私が驚くとしても、それはハッピーなサプライズじゃないと思う。ねえ、私と勝負をしない?もちろん殺し合いじゃなくて、クオン君の好きなゲームでね」
「ゲームね。この世界でバーチャルゲームを見たことはないけど、どんなゲームを提案するつもりなの?」
「テーブルゲームをやりましょう。どのゲームをやるのかはクオン君が決めていいわよ。私が知らないゲームでもいいわ。ただ、ルールはこの場で説明してもらって、本来のルールとは異なっていたとしても、ここで話したことを正とする。勝負は10日後にしましょう。それまでに練習するから。それで、私が勝ったらクオン君は何をしようとしているのか話す。どう?」
この勝負を受ける必要が僕にはない。
しかし、これだけ僕に有利な条件を出されて引き下がるわけにもいかない。
「僕が勝ったら?」
「何か1つ言うことを聞くわ。もちろん常識的な範囲のことで、耳を疑うようなことは断らせてもらうけど」
「わかった。その勝負受けてあげるよ。勝負の内容は考えるから少し待ってもらえるかな。ルージュさんに用事があるし、その後にもう一度話をしようか。それと、勝負は8日後にしてもらえるかな。討伐祭の恩賞の授与式が終わったら、神事の準備に取り掛かることになると思うし、その前には終わらせたい」
恩賞の授与式は9日後を予定しており、その前に委員長との勝負を終わらせたい。
「わかったわ。私もルージュさんのところに向かっているところだったから、ルージュさんへの用が私がいても問題ないことなら一緒に行きましょうか。詳しい話はその後で」
「僕が受け取る恩賞の話をしにきただけだから、委員長が聞いてても問題ないよ。今回かなりの大物を狩ってきたから、僕の成果を無視して何も恩賞を与えないという選択は出来ないと思うんだ。だから、貴族にしたりとか、僕の望んでいない事を恩賞として無理矢理受け取らせるのはやめてねって言いにきたんだよ」
「そうなのね。嘘が混じってそうに聞こえたけど、そういうことにしておくわ。勝負に勝てればそのあたりもわかりそうだからね」
「僕ってそんなに顔に出るかな?」
「顔に出るっていうより、今回はルージュさんにわざわざそんなこと頼まなくても、ルージュさんがクオン君を貴族にすることなんてないと思っただけよ」
「確かにそうかもね。でも、委員長の前で話をするんだから、話の内容は言った通り恩賞の話だよ」
疑いの目を向ける委員長と一緒にルージュさんの所に行く。
「討伐祭の恩賞の話ですけど、フレイムレックスのものと思われる魔石とヒートドラゴンの鱗を手に入れてきたんです。ルージュさんが把握している限りで構いませんが、僕は恩賞をもらえますか?」
「素材を手に入れたということは、ヒートドラゴンも討伐したのですか?可能なら鱗以外の素材も納めて頂きたいのですが」
「鱗以外はやり過ぎたようで消えてしまいました」
「冒険者ギルドからの報告を受けないと確かなことは言えませんが、ヒートドラゴンを討伐されたのであれば元団長も恩賞を授かることになると思います」
「さっき委員長にも言ったんですが、そろそろ本当の意味で元の世界に帰ろうと思っているんです。恩賞をもらう人の内の一部はフランちゃんから直接貰えるので、最後くらい目立とうと頑張ってみました。そういうわけで、僕を貴族にしたりはしないでくださいと、一応言いにきました」
「わかりました。帰られるというのはお二人ともですか?」
「そうです。なので、何か用があればお早めにお願いします」
「わかりました」
「用件はこれだけです。このあと少し委員長を借ります」
「クオン君、お疲れ様。成果はどうだったの?」
宰相の部屋を仮で使っているルージュさんの元に向かっている途中で委員長に声を掛けられる。
「僕の成果はまあまあだけど、元冒険者の人を焚き付けたら思っていたよりもいい成果をあげてくれたよ。委員長はこんなところで何してるの?」
「今日で討伐祭が終わったから、誰に恩賞を与えるか決めるのに、ルージュさんに手を貸して欲しいって頼まれて手伝っているのよ」
「そうなんだ。帰還方法は何か見つかった?」
「変わらないわね。もしかしたら最初の神事を行った時点でフランちゃんの心情が変わるかもしれないけど、期待薄かな」
「委員長はさ、この世界で何かやり残したこととかないの?」
「そうね……日頃から悔いの残らない選択をするように心掛けているから、クオン君に騙され続けていることに対して反撃してないことくらいかな。もしかして、私を殺す気になった?」
「いや、なってないよ。別に委員長を殺す必要はないし」
「それじゃあなんでこんなこと聞いたの?」
「やることもなくなってきたし、そろそろこのゲームを終わらせようかなって。ほら、もうすぐ新しくこの世界に拉致されてくる人がいるわけだから、いつまでも前のプレイヤーが居続けるのもね」
「クオン君は好きに終わらせられるみたいな言い方ね。それとも、クオン君はもうこっちに来るのをやめるって話?」
「いや、委員長もそろそろ帰りたいかなって。色々と片付いたからタイミング的には悪くないでしょ?」
「確かにタイミングはいいと思うけど、私はこの世界に来てからずっと帰りたいとは思っているわよ」
「そっか。それじゃあこの紙のどちらかを選んでくれる?2通りやり方を考えてて、どっちがいいか迷っているんだよね。だから委員長の運に任せるよ」
両手に封をした紙を持って、委員長に選ばせる。
「そんなに帰る方法があるの?」
「前に委員長が考えただけでも4つ見つかったんだよ。他にもいろんなところにヒントは散りばめられていたってこと。どっちも厳しい道のりではあるから、運に任せようかなって」
「……それじゃあこっちにするわ」
委員長が右手に持っていた紙を選ぶ。
見せる前に混ぜているから、僕も委員長がどっちを選んだかは知らない。
「開いていいよ」
「……何も書かれていないわよ?」
「そう、そっちが選ばれたんだね。何をするのかはお楽しみに。何かやり残したことを思い出したらお早めにね」
偶然か必然かわからないけど、予想していた通り委員長は白紙の紙を選んだ。
話したら敵対すると言われている秘密を書いた紙の方ではなく。
敵対するということは、都合の良いように考えるなら戦うフラグが立つということなので、あの少年姿の最高神が出てくるのか、選ばれた刺客が出てくるのかわからないけど、勝てればゲームクリア、倒せず殺されてもゲームオーバーで元の世界には帰れると僕は思っている。
単純に50パーセントを外したのか、何らかの力が働いたのかはわからないけど、この方法は一旦却下することにする。
「また何をするのか教えてくれないんだ?」
委員長からジト目を向けられる。
「そうだね」
「クオンくんが自覚しているのかわからないけど、クオンくんが話してもいいことを秘密にしているのを見たことがないのよね。楽しみにしててって言いつつ、今ここで私に話したら、私が止めるようなことをやろうとしているでしょ?」
「それはどうかな。ただ委員長にサプライズを考えているだけかもしれないよ」
実際には委員長の言う通り、話せば正論を言って邪魔してきそうなことをやるつもりではいる。
「私が驚くとしても、それはハッピーなサプライズじゃないと思う。ねえ、私と勝負をしない?もちろん殺し合いじゃなくて、クオン君の好きなゲームでね」
「ゲームね。この世界でバーチャルゲームを見たことはないけど、どんなゲームを提案するつもりなの?」
「テーブルゲームをやりましょう。どのゲームをやるのかはクオン君が決めていいわよ。私が知らないゲームでもいいわ。ただ、ルールはこの場で説明してもらって、本来のルールとは異なっていたとしても、ここで話したことを正とする。勝負は10日後にしましょう。それまでに練習するから。それで、私が勝ったらクオン君は何をしようとしているのか話す。どう?」
この勝負を受ける必要が僕にはない。
しかし、これだけ僕に有利な条件を出されて引き下がるわけにもいかない。
「僕が勝ったら?」
「何か1つ言うことを聞くわ。もちろん常識的な範囲のことで、耳を疑うようなことは断らせてもらうけど」
「わかった。その勝負受けてあげるよ。勝負の内容は考えるから少し待ってもらえるかな。ルージュさんに用事があるし、その後にもう一度話をしようか。それと、勝負は8日後にしてもらえるかな。討伐祭の恩賞の授与式が終わったら、神事の準備に取り掛かることになると思うし、その前には終わらせたい」
恩賞の授与式は9日後を予定しており、その前に委員長との勝負を終わらせたい。
「わかったわ。私もルージュさんのところに向かっているところだったから、ルージュさんへの用が私がいても問題ないことなら一緒に行きましょうか。詳しい話はその後で」
「僕が受け取る恩賞の話をしにきただけだから、委員長が聞いてても問題ないよ。今回かなりの大物を狩ってきたから、僕の成果を無視して何も恩賞を与えないという選択は出来ないと思うんだ。だから、貴族にしたりとか、僕の望んでいない事を恩賞として無理矢理受け取らせるのはやめてねって言いにきたんだよ」
「そうなのね。嘘が混じってそうに聞こえたけど、そういうことにしておくわ。勝負に勝てればそのあたりもわかりそうだからね」
「僕ってそんなに顔に出るかな?」
「顔に出るっていうより、今回はルージュさんにわざわざそんなこと頼まなくても、ルージュさんがクオン君を貴族にすることなんてないと思っただけよ」
「確かにそうかもね。でも、委員長の前で話をするんだから、話の内容は言った通り恩賞の話だよ」
疑いの目を向ける委員長と一緒にルージュさんの所に行く。
「討伐祭の恩賞の話ですけど、フレイムレックスのものと思われる魔石とヒートドラゴンの鱗を手に入れてきたんです。ルージュさんが把握している限りで構いませんが、僕は恩賞をもらえますか?」
「素材を手に入れたということは、ヒートドラゴンも討伐したのですか?可能なら鱗以外の素材も納めて頂きたいのですが」
「鱗以外はやり過ぎたようで消えてしまいました」
「冒険者ギルドからの報告を受けないと確かなことは言えませんが、ヒートドラゴンを討伐されたのであれば元団長も恩賞を授かることになると思います」
「さっき委員長にも言ったんですが、そろそろ本当の意味で元の世界に帰ろうと思っているんです。恩賞をもらう人の内の一部はフランちゃんから直接貰えるので、最後くらい目立とうと頑張ってみました。そういうわけで、僕を貴族にしたりはしないでくださいと、一応言いにきました」
「わかりました。帰られるというのはお二人ともですか?」
「そうです。なので、何か用があればお早めにお願いします」
「わかりました」
「用件はこれだけです。このあと少し委員長を借ります」
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