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恨みの晴らしかた
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数日後、次の街に到着した僕達は、到着したのが昼過ぎだったこともあり、夕食は別で食べることになった。
その為、ヨツバが泊まる宿が見つかったので、解散することになった。
ヨツバは僕が日本に帰ったと思っているだろうけど、実際にはファストトラベルで数日前まで滞在していた街に戻ってきていた。
もちろん薬師さんを殺す為である。
さて、薬師さんは宿屋にいるかな?
僕は薬師さんが泊まっているはずの宿に行き、部屋をノックする。
「……えっとどちら様ですか?」
薬師さんは人が訪ねてくるとは思っていなかったのか、ゆっくりとドアを開ける。
「部屋にいてよかったよ。ちょっと話忘れていたことがあったから戻ってきたんだ」
「立花さんはいないの?斉藤君だけ?」
「僕のスキルで戻ってきたんだよ。ファストトラベルっていうんだけど、一度行ったことのある街になら一瞬で移動が出来るんだ。僕しか移動は出来ないから、ヨツバは次の街で待ってるよ」
「斉藤君のスキルは便利なんだね。それで話ってなにかな?」
「あまり人に聞かれたくない話なんだよね。木原君への恨みの件なんだけど、街の外で話そうか。ついでだから薬草の採取を手伝うよ」
「もう何かしたの?」
「木原君は前に僕達がいた街に移動したみたいだからね。さっき説明したスキルですぐに追いついたよ。詳しくは移動してからでいい?」
「わかったわ」
僕達は街を出て、森の中に入っていく。
周りに人はいないから、この辺りでいいかな。
「この辺りで大丈夫だよ」
「やっぱり森の中って魔物が襲ってきそうで怖いね。当分の間は薬草は買うことにした方が良さそう。それで木原君に何をしたのか教えてくれるんだよね?」
「あ、ごめん。それ嘘なんだ」
「え?」
「いやー、木原君の件で色々とやり過ぎたかなって思ったんだよね。ギルドも巻き込んじゃったし。それで何かあった時に僕の事を知ってるのは薬師さんだけだと思ってね。なにか僕にとって不都合なことが漏れる前に殺しておこうと思ったんだよ」
「え、何言ってるの?」
薬師さんは困惑している
「ヨツバが僕に木原君も殺すの?みないなこと言ってたでしょ?あれ実は田中君のことじゃないんだよね。もう2人殺してるんだ。鈴原さんと冴木さんなんだけど、薬師さんはわかるよね?死体も持ってるんだけど、見たいなら見せようか?結構グロいから見ない方がいいと思うけど……」
「嘘……よね?驚かせようとしてるんでしよ?」
「嘘をつくためにわざわざこんな所まで来るわけないじゃん。まあ、薬師さんが信じなくても別にいいや。死んでね」
「い、嫌」
薬師さんは僕から離れようとしているけど、足がすくんで動けないようだ。
「ウォーターボール!」
僕は鈴原さんの時のことを反省して火魔法ではなく、水魔法をつかうことにする。
ウォーターボールを喰らった薬師さんは衝撃で気絶した。
気絶してくれたのはラッキーだな。今後、余裕がある相手は眠らせたりする方法を考えよう。
僕は薬師さんに近づき、手で口と鼻を覆い窒息死させた。
僕は死体を回収して現場を立ち去る。
数日後、僕は薬師さんが見つかったという情報が誰でも得られる状態になったのを確認してから、薬師さんの所へと向かった。
そして今、薬師さんの部屋に僕はいる。
「全て終わったから、約束通り説明しにきたよ」
僕は薬師さんに告げる
「私を殺した理由を説明しにきたの?それならニュースとかを見て予想はついてるよ」
「違うよ。その話もするつもりではいるけど、そっちは毎回説明するのは面倒だなぁと思ってるんだよね」
「違うの?それに面倒?」
「その話だけなら面倒だから自分から出向いたりはしないよ。向こうから聞きにくるなら説明するくらいでいいかなって思ってる。考えてみてよ、僕が向こうでクラスメイトを殺すたびに、こっちでなんで殺したかを説明しないといけないんだよ。1回目は僕がなんであんなことをしたのか説明しないといけないって思ってたけど、2回目にはもう面倒になってきてたよ。同じ話を後何回しないといけないのかなって」
「斉藤くんがめんどくさがっているのはわかったけど、私は知りたいから説明してもらっていいかな?」
薬師さんは呆れているようだ。
「薬師さんには説明しないといけないから、元々話をするつもりではあったよ」
僕は神との会話を薬師さんに説明する
「やっぱりそういうことなのね。それでこれ以外に何か話があるの?」
「あるよ。この話は前置きなんだから、本題はここからだよ。もしかして忘れてる?薬師さんの恨みはその程度だったの?」
「木原君のこと?もちろん今でも恨んでるけど、あれは私を騙すための詭弁じゃなかったの?」
「ちゃんと代わりに薬師さんの恨みが晴れるようにしたから、その報告にきたんだよ」
「恨みが晴れるようにって、痛めつけて殺しでもしてくれたの?」
薬師さんはこのゲームを理解していないようだ。
「逆だよ。殺さなかったんだ」
「どういうこと?」
「さっき説明した通り、死んだらこっちの世界に帰って来られるんだよ?殺すっていうのは、こっちの世界に帰りたい人が相手なら救うってことなんだ。薬師さんは死んでこっちの世界に戻れてよかったとは思ってない?真実を知った今でも死にたくなかった?木原君には冒険者として汚点を付けた上で、殺さずに向こうの世界に置いてきたんだ。冒険者を続けるのも苦労するだろうし、他の仕事をするにも向こうとこっちでは常識が違うから苦労する。殺したい程の恨みを晴らすにはいい案だと思ったけどどうかな?」
「ありがとう。十分すぎるわ。ふふふ……あんなやつもっと苦しめばいいのよ」
企画して実行したのは僕だけど、不敵に笑う薬師さんを見て僕は少し怖いなって思ってしまった。
「今度会った時に反省しているようだったら、またその時に殺してあげることにするよ」
「どうせ反省なんてしないわよ」
「そ、そうかもね」
薬師さんの闇は大分根深いようなので、これ以上僕は言わないことにした。
その為、ヨツバが泊まる宿が見つかったので、解散することになった。
ヨツバは僕が日本に帰ったと思っているだろうけど、実際にはファストトラベルで数日前まで滞在していた街に戻ってきていた。
もちろん薬師さんを殺す為である。
さて、薬師さんは宿屋にいるかな?
僕は薬師さんが泊まっているはずの宿に行き、部屋をノックする。
「……えっとどちら様ですか?」
薬師さんは人が訪ねてくるとは思っていなかったのか、ゆっくりとドアを開ける。
「部屋にいてよかったよ。ちょっと話忘れていたことがあったから戻ってきたんだ」
「立花さんはいないの?斉藤君だけ?」
「僕のスキルで戻ってきたんだよ。ファストトラベルっていうんだけど、一度行ったことのある街になら一瞬で移動が出来るんだ。僕しか移動は出来ないから、ヨツバは次の街で待ってるよ」
「斉藤君のスキルは便利なんだね。それで話ってなにかな?」
「あまり人に聞かれたくない話なんだよね。木原君への恨みの件なんだけど、街の外で話そうか。ついでだから薬草の採取を手伝うよ」
「もう何かしたの?」
「木原君は前に僕達がいた街に移動したみたいだからね。さっき説明したスキルですぐに追いついたよ。詳しくは移動してからでいい?」
「わかったわ」
僕達は街を出て、森の中に入っていく。
周りに人はいないから、この辺りでいいかな。
「この辺りで大丈夫だよ」
「やっぱり森の中って魔物が襲ってきそうで怖いね。当分の間は薬草は買うことにした方が良さそう。それで木原君に何をしたのか教えてくれるんだよね?」
「あ、ごめん。それ嘘なんだ」
「え?」
「いやー、木原君の件で色々とやり過ぎたかなって思ったんだよね。ギルドも巻き込んじゃったし。それで何かあった時に僕の事を知ってるのは薬師さんだけだと思ってね。なにか僕にとって不都合なことが漏れる前に殺しておこうと思ったんだよ」
「え、何言ってるの?」
薬師さんは困惑している
「ヨツバが僕に木原君も殺すの?みないなこと言ってたでしょ?あれ実は田中君のことじゃないんだよね。もう2人殺してるんだ。鈴原さんと冴木さんなんだけど、薬師さんはわかるよね?死体も持ってるんだけど、見たいなら見せようか?結構グロいから見ない方がいいと思うけど……」
「嘘……よね?驚かせようとしてるんでしよ?」
「嘘をつくためにわざわざこんな所まで来るわけないじゃん。まあ、薬師さんが信じなくても別にいいや。死んでね」
「い、嫌」
薬師さんは僕から離れようとしているけど、足がすくんで動けないようだ。
「ウォーターボール!」
僕は鈴原さんの時のことを反省して火魔法ではなく、水魔法をつかうことにする。
ウォーターボールを喰らった薬師さんは衝撃で気絶した。
気絶してくれたのはラッキーだな。今後、余裕がある相手は眠らせたりする方法を考えよう。
僕は薬師さんに近づき、手で口と鼻を覆い窒息死させた。
僕は死体を回収して現場を立ち去る。
数日後、僕は薬師さんが見つかったという情報が誰でも得られる状態になったのを確認してから、薬師さんの所へと向かった。
そして今、薬師さんの部屋に僕はいる。
「全て終わったから、約束通り説明しにきたよ」
僕は薬師さんに告げる
「私を殺した理由を説明しにきたの?それならニュースとかを見て予想はついてるよ」
「違うよ。その話もするつもりではいるけど、そっちは毎回説明するのは面倒だなぁと思ってるんだよね」
「違うの?それに面倒?」
「その話だけなら面倒だから自分から出向いたりはしないよ。向こうから聞きにくるなら説明するくらいでいいかなって思ってる。考えてみてよ、僕が向こうでクラスメイトを殺すたびに、こっちでなんで殺したかを説明しないといけないんだよ。1回目は僕がなんであんなことをしたのか説明しないといけないって思ってたけど、2回目にはもう面倒になってきてたよ。同じ話を後何回しないといけないのかなって」
「斉藤くんがめんどくさがっているのはわかったけど、私は知りたいから説明してもらっていいかな?」
薬師さんは呆れているようだ。
「薬師さんには説明しないといけないから、元々話をするつもりではあったよ」
僕は神との会話を薬師さんに説明する
「やっぱりそういうことなのね。それでこれ以外に何か話があるの?」
「あるよ。この話は前置きなんだから、本題はここからだよ。もしかして忘れてる?薬師さんの恨みはその程度だったの?」
「木原君のこと?もちろん今でも恨んでるけど、あれは私を騙すための詭弁じゃなかったの?」
「ちゃんと代わりに薬師さんの恨みが晴れるようにしたから、その報告にきたんだよ」
「恨みが晴れるようにって、痛めつけて殺しでもしてくれたの?」
薬師さんはこのゲームを理解していないようだ。
「逆だよ。殺さなかったんだ」
「どういうこと?」
「さっき説明した通り、死んだらこっちの世界に帰って来られるんだよ?殺すっていうのは、こっちの世界に帰りたい人が相手なら救うってことなんだ。薬師さんは死んでこっちの世界に戻れてよかったとは思ってない?真実を知った今でも死にたくなかった?木原君には冒険者として汚点を付けた上で、殺さずに向こうの世界に置いてきたんだ。冒険者を続けるのも苦労するだろうし、他の仕事をするにも向こうとこっちでは常識が違うから苦労する。殺したい程の恨みを晴らすにはいい案だと思ったけどどうかな?」
「ありがとう。十分すぎるわ。ふふふ……あんなやつもっと苦しめばいいのよ」
企画して実行したのは僕だけど、不敵に笑う薬師さんを見て僕は少し怖いなって思ってしまった。
「今度会った時に反省しているようだったら、またその時に殺してあげることにするよ」
「どうせ反省なんてしないわよ」
「そ、そうかもね」
薬師さんの闇は大分根深いようなので、これ以上僕は言わないことにした。
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