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side 委員長②

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最低限のお金を手に入れた私は、これからやらないといけない事を考えて、優先順位をつける。

まず絶対にやらないといけない事はお金を安定的に稼ぐ事だ。
お金じゃなくてもいいけど、衣食住を無理なく確保する事を考えなくてはいけない。

次にこの世界の事を知る事。
世界も違うのだから、日本の常識が通じるとは思えない。
自分がどう立ち振る舞えばいいのかを知る必要がある。
それに神が私達をこの世界に送った理由も調べないといけない。
それがわかれば、元の世界に帰る方法もわかるかもしれない。

それからレベルを上げる事。
私のスキル[統率]は、私の指揮下の人の能力を上げるらしい。仲間ではなく指揮下だ。
指揮下に入ってもらう為に、まずは自分の力を相手に見せて、下についてもいいと思わせる必要がある。
私が弱いよりは強い方がいいと思うので、レベルは上げておきたい。
レベルの上げ方は今のところわからない。魔物を倒せばレベルが上がるのだろうか?
誰かに聞きたいけど、レベルはこの世界の人皆にあるものかわからない。自分が異世界人だということは、今は隠しておいた方がいいと思うので、それとなく確かめたい。

最後にクラスの皆を探す事。本当はすぐにでも探したいけど、今は自分のことで精一杯だ。
本格的に探すのは後にして、まずは見かけたら声を掛けるくらいで考えておくことにする。
私のスキルはクラスメイトと相性が良さそうなので、正直な話、何人かとは早めに合流したい。

目的は決めたので、次は何をするかを決める必要がある。

お金を集めつつ、レベルを上げて、皆を探しつつ情報を集める。
全てが同時に出来ればいいのに……

私はとりあえず、宿屋の店主に調べ物をしたいが、どこか良いところはないか聞いてみる。
図書館とかインフォメーション的な所があればいいなと思う。

店主によると、衛兵の詰所の側に公共の書庫があるらしい。
ただ、盗難防止の為に身分証を提示しないと中には入れないようだ。
街に住む人は住民証を持っているので問題は無いけど、他所から来た人は別の何かで身分を証明する必要がある。

当然私は住民証など持っていない。そもそも宿屋に泊まってる時点で街に住んでいないということだ。
店主に身分証を発行してもらうのにいい方法はないか聞いたら、簡単な所だとギルド証だと言われた。
冒険者ギルドか商業ギルドに登録すれば貰えるらしい。

どちらも登録にはお金がいるけど、商業ギルドは商人が登録する為の組織で、毎年商業組合に組合費を払わないと登録が抹消されるらしい。
なので身分証が欲しいだけなら冒険者がおすすめだと言われた。
一応、1年以内にFランクに上がらないといけないらしいが、簡単な依頼を選べば子供でもFランクにはなれるようなので問題はなさそうだ。

私は店主にお礼を言って冒険者ギルドへと向かう。

銅貨5枚払うだけで登録することが出来、ギルド証を手に入れた。

私はギルド証を持って詰所の側にある書庫へと向かう。
中に入る際に店主から聞いていた通り、身分証の提示を求められた。
ギルド証を見せると、荷物を全て入り口で預ける事を条件に中に入れてもらえた。
盗難防止の為で、特にカバン類は持ち込めないようだ。
私はそもそもハンカチとお金しか持ってない。
一応預けるか聞いたら、そのくらいは問題ないと言われた。

公共の書庫だと聞いていたので、もっと広い所を想像していた。本の数は多くなく、読むスペースも少ない。

それでも最低限の知識を得るには充分だった。
レベルについて書かれている本もあり、レベルは予想通り魔物を倒すと上がるらしい。他にも素振りなどの訓練でも上がることがあるようだ。
レベルが上がるとスキルを獲得することがあるみたいなので、やはり出来るだけレベルは上げた方が良さそうだ。

それから魔物について書かれている本もあった。
魔物は基本的に人間よりも強いようで、レベルが低い者は最弱のスライムにさえ素手では勝てないと書いてある。
仲間と協力するか、武器を使ってスライムを倒し、レベルを上げるように書いてあった。

この辺りに生息する魔物はスライム、ゴブリン、ウルフ、ボアが基本で、ソロで戦う場合のレベルの目安が書いてあった。
当分はスライム以外に出会ったら、即逃げた方が良さそうだ。

置いてある本のほとんどは実用書で、この世界の歴史などはわからなかったが、とりあえず知りたい事はわかったので書庫を出る。

結構な時間書庫に入り浸っていたようで、辺りは大分日が落ち始めていた。
私は集めた情報から、とりあえず今は冒険者としてお金を稼ぐことに決めた。レベルを上げつつ、少ないながらも報酬が得られるからだ。

というか、レベルを上げる為には魔物を倒すのが基本のようなので、冒険者ギルドで報酬を貰わないのはもったいないというだけだ。
お金に関しては他に効率よく稼ぐ方法があれば、そちらで稼ぎたい。
今の目標は1日で銅貨4枚稼ぐ事。それが出来れば毎日宿に泊まって1食は食べることが出来る。

私は武器屋を探して中に入る。
武器屋の店主に初心者でも扱いやすいお手頃価格の武器を選んでもらう。

両手で持つタイプの剣だけど、そこまで長くはない。
種類的にはロングソードらしいけど、このくらいの長さなら片手で使う人もいるそうだ。

刃は鋭くないので切れにくいけど、その分刃こぼれしにくいそうだ。
研いでもらうにもお金がいるので、お金がないならこれがいいと言われた。

店主が私を騙そうとしている感じはなく、親切に対応してくれているように思えたので、言われるがまま購入した。

時間もいいくらいになったので、宿に戻り不味いパンとスープを食べてから寝た。

目標を変更する。銅貨4枚ではなく5枚だ。
少なくても不味くはない食事がしたい。
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