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ひきこもりは転移する

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俺はクオン。中学生だが学校には行かずに警備員の仕事をしている。もちろん、自宅の警備だ

……はい、ひきこもりです

別に本当にひきこもっているわけではない。
部屋から出ようと思えば出れるし、コンビニだって行ける。
学校だって行こうと思えば…行けるはずだ。

僕が部屋にひきこもりだしたのはゲームがきっかけだ。

そのゲームはVR機器を使ったオンラインゲームだった。
オープンフィールドの自由度の高い内容と、現実とも錯覚しそうなほどクオリティの高い映像に僕は引き込まれた。

ゲームにどハマりしていた僕は、イベントをこなす為に学校をずる休みした。
その時はイベント終了後、学校にちゃんと行ったが、次のイベントでも休む事になる。

そんな事を続けているうちに、僕は学校に行かなくなった。
なんだか行きにくいだけだ。行こうと思えば行けるはずだ。……多分

そして今日も僕はゲームを起動する。
新しい武器を作る為の素材を手に入れるために火山でドラゴンと戦う。
ドラゴンと戦っていると、急に画面が真っ暗になった

「なんだよ、いいところだったのに!」

ゲーム機のエラーだと思い、リセットする為にVRを外すと
、そこは真っ白な空間だった

自室じゃない。周りには何もない

わけがわからないまま呆然としていると、目の前に白い服を着た少年が現れる。誰だ?

「なんで君だけここにいるんだい?みんな待ってるよ」

意味がわからないまま少年に連れて行かれる

連れて行かれた先には、クラスメイトの姿があった。
う、気まずい。
久しぶりに会うのもそうだけど、少年が言うには、僕が来るのを待たされていたようだし。

「これで全員揃ったね。説明するから、まずは静かに聞いてね。君達にはこれから違う世界に行ってもらう。拒否権はないよ。あっちの世界には魔法があるよ。魔物もいるから気をつけてね。このまま転移したらすぐに死んじゃうと思うけど安心してね。みんなには僕からプレゼントをあげるよ。少しのお金と異世界言語のスキルを全員にと、君達に合ったスキルをランダムに授けてあげる。説明は以上だけど何か聞きたいことはあるかな?」

よくわからないけど、異世界に飛ばされるらしい。
魔法があって、魔物がいるってゲームみたいな世界なのかな?

「地球に帰ることは出来ないんですか?」
委員長が少年に聞く。多分、今も委員長だ

「出来ないよ」
少年は否定する

「あなたは誰ですか?なんで私達が行かないと行けないんですか?」

「僕は君達にわかるように言うなら神だよ。地球のではなく、これから君達が行く世界のだけどね。君達が行くことになったのは地球の神が僕との賭けに負けたからだよ。賭けの品として君達は売られたんだね」

「そんな……」
委員長がショックを受ける。
流石にこれは酷いと思う。世界を救って欲しいとか言われれば、まだ納得して転移出来るのに……賭けはないよ

「他にはないかな?」

「俺達はこれからどうなるんだ?」
桜井くんが問いかける

「その話をしてなかったね。全員を一つの場所に転移すると世界のバランスがおかしくなるから、バラバラに転移するよ。離れたくない人がいる人は頑張って向こうで探してね。大きな街の近くに転移するようにするから何人かとはすぐに会えるんじゃないかな?」
みんなと一緒にいるのが気まずかったので、少しありがたいな

「そろそろいいかな?それじゃあ、いってらっしゃい!」

少年がそう言うと足元が輝きだして意識を失った。

目を覚ますと僕は草原にいた。

「スゴイ!」

遠くには高い山々がそびえ立っており、見たことのない生き物も見える。
僕は感動する

何かスキル貰えるって言ってたけど、何が貰えたんだろう?
ゲームだったらステータス画面から確認できるけど…
セレクトボタンなんて無いからな

定番だとステータスオープンかな……

「ステータスオープン!」

目の前に半透明のボードが表示される
ボードに書かれている表示は何故か見たことがある表示だ。

「なんでゲームと同じなんだろう?」
僕のやってたオンラインゲームの管理画面と同じ物が表示されていた

僕は名前の所を指で触る

「触ったら反応するんだな。変更出来るし変えておくか。[クオン]っと」

ステータスを触る

LV:1
HP:10/10
MP:1/1
STR:1
VIT:1
DEX:1
AGI:1
INT:1

パラメータポイント:10
スキルポイント:10

「ゲームと同じだ。どうしようかな、とりあえずスキルを見るか」

僕は表示を一つ戻してスキルを触る

異世界言語

あれ、異世界言語しか無い。
もう一つランダムで貰えるって言ってたのに。
騙された…

触ると詳細が見れた

異世界言語
異世界の言葉を理解することができる。
理解できる言葉は共通語に限る

なるほど。他の種族とかの言葉までわかるってことじゃ無いのかな?

戦えるスキルが無いことが分かったのでポイントを振り分けることにする。

まずはスキルポイントからだ

ゲームでは剣士だったけど、魔法を使ってみたいな。

10ポイント全て使って水魔法を覚えた。
火魔法と迷ったけど、近くにあるはずの街までの水分確保を考えて水魔法にした。

パラメータポイントも振り分ける

LV:1
HP:10/10
MP:5/5
STR:1
VIT:2
DEX:1
AGI:2
INT:5

魔法重視で俊敏さと体力も気持ち上げておいた。
本当はMPが切れた時のために筋力も上げたかったけどしょうがない。

画面を戻して、次は称号を触る

異世界人

なんか獲得してる。

異世界人
異世界から来たものに与えられる称号

称号は特に恩恵とかはないのかな?
ゲームでも称号はやり込み要素でしかなかったな。
持ってる称号によって受けれるクエストとかはあったなぁ

画面を戻して技を触る

水魔法

さらに触ると

ウォーターボール OFF

と表示された。OFFを触るとONに変わった

ゲームだとコマンド入力で発動出来たけど、どうすればいいのかな?

「ウォーターボール」
手を前に出して技名を唱えたら水の球が手から勢いよく飛び出した

スゴイ、魔法が使えた

確認するとMPが4/5に減っていたので、もう一度使うのは諦める

戻って今度はアイテムを触る

VR機

触るとVR機器が目の前に現れた。
電気がないので使えるかはわからない。

VR機器を触りながら意識するとアイテム欄に戻った

ストレージが使えるのは便利だな。
倉庫に送る選択があるけど、送ったらどこに行くんだろう?
ここにあっても使えないし、VR機を倉庫に送ってみる

アイテム欄からVR機が消えた。
どこに行ったかは不明だ……

戻ってマップを触る

表示が地図になったけど、行ったことあるところしか表示されないのはゲームと同じだ。
今は点が表示されているだけた。

戻って設定を触る

これは反応しなかった。
反応しないならなんで表示させてるんだ?

お金を触る。表示は100Gだ

数字を選択できるので10Gを選択してみる
目の前に銅貨が1枚出てきた。見たことない硬貨だ
表示は90Gに減っている。
銅貨も意識すると消えて、表示が100Gに戻った

後はこれだけだな
これもどうせ反応しないだろうと思いながらもログアウトを触る

視界が一瞬ブレたと思ったら僕は自室にいた

え?地球に戻って来ちゃった


作品紹介
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」

「イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・」
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