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第三部 宰相閣下の婚約者
780 公爵たちの四面楚歌(前)
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エドヴァルドのエスコートを受け、共に閣議の間へと向かう間にも、多くの官吏が傍を走り抜けて行く。
公共の廊下はお静かに――などという礼儀作法は、既にまるっと無視されている。
いかに王宮全体が、それぞれの公務以上の仕事を抱えて余裕を失っているかということだ。
そうと察しているエドヴァルドも、立ち止まって礼を取ろうとする官吏の大半を、片手を振って遮っていた。
公務に集中すればいいと、無言で示していた。
「エドヴァルド様、今更ですけどクレト・ナルディーニ卿の様子は見なくてもよかったんですか?」
カトル・アルノシュト伯爵令息の容態があまりに衝撃的で、それよりも先にナルディーニ侯爵の実弟・クレト卿も運び込まれていたらしいことを、うっかり失念してしまっていた。
確か〝痺れ茶〟を大量摂取させられた過剰摂取の状態で、こちらも事情聴取すらままらないのではなかったか。
「既にある程度は軍神の間で語られていたことでもあるし、症状も対処法すらも確立されていない、カトル・アルノシュトとは状況が異なる。確かに今はまだ口もきけぬようだが、医局の連中が慌てていなかったことを考えれば、そちらは単純に、療養させれば回復が可能だと思っているのだろう」
医局長を始め、誰一人医局でクレトの名を出さなかったのだから、恐らくは「通常の病人」と同じに扱われている。
ならば単純に、回復を待つしかないとエドヴァルドは言った。
「死の淵にでもあれば、さすがに声をかけてきただろうがな。ならば無理に意識を戻させて、身体どころか記憶が損傷してしまいかねない危険を負う必要もない。どうせこのあと、まだしばらくは我々も閣議の間での会議からは抜けられない」
「……なるほどです」
どうやら、会議の途中で意識を取り戻してくれればラッキー、くらいの心境でいたらしい。
そこまで重篤な状況ではなかったということなんだろうか。
夫人はともかく、何も知らない子どもを二人抱えている人だから、いずれ回復するというのであれば、それは喜ばしいことなのかも知れない。
そしていよいよ閣議の間に入ろうかというところまで来た時。
冗談抜きで、扉を守る王宮近衛騎士の顔色が悪かった。
もしかしてあの顔色からすると、既に部屋の中には該当者全員が顔を揃えていて、自分達が一番最後という状態になっているのかも知れない。
既にある程度の情報が共有されてしまっているなら……それは確かに、中は大混乱だろう。
誰が舵取りをしたのかと考えれば、尚更に。
「……すまない、レイナ。もう少しだけ耐えて欲しい」
確実にこちらの耳にも届いたため息と共に、そんな風に言葉を発したエドヴァルドも、恐らくは私と同じ想像を巡らせている気がした。
「あ、はい……もちろんです」
私がそう答えるのとほぼ同時に、騎士が部屋の中に向けて声を張り上げ、エドヴァルドと私が中に入ることを代わって告げている。
個人の執務室を訪れるのであれば、返答を待つところだ。けれどこれから入るのは、それなりの人数を収容している閣議の間。
まして予め来ることが分かっている者でもあるため、その扉は中の返事を待つことなく、静かに開けられたのだ。
「ようやく来たか、宰相。安心しろ、時間は有効に使うべきだろうと考えた私が、率先して情報共有をしておいてやった。何せ私も、物理の説教に手を貸している。無関係とは言えまい? 説得力のある話が出来たと自負していたところだ」
「……っ」
――聞こえてきたのは、場違いなほどの明るい声。
声の主をいち早く察したエドヴァルドは、答える以前に、それはもう盛大に眉を顰めていた。
「陛下……」
「責任問題の絡む公爵連中が話すよりも、よほど公平だろうが。何故そんな忌々しそうな顔をされねばならん」
「元よりこんな顔ですが。だいたい私にケチをつけるくらいなら、その笑いしか見えない口元を、もう少し引き締めてはいかがです」
口元、とは多分エドヴァルドなりに控えめに言ったつもりなんだろう。
私から見れば、口元どころかそれはもう楽しそうな、満面と言ってもいい笑みにしか見えないからだ。
陛下、思ったよりも早くお越しになっていらっしゃるようですが、書面の一枚もチェックなさったのでしょうか。
エドヴァルドのこめかみが痙攣ってますけど。
「私も元よりこんな顔だが?」
「そうですか。それは存じませんでした」
「良かったな、新しいコトが知れて」
はははっ、と笑っているのは国王陛下ただ一人だ。誰一人つられてもいない。
後ろ暗いところがあった日には、あんな笑顔は恐怖体験だろうと思うのだけれど、この閣議の間にいる面々には、果たしてどう映っていたのか。
見渡せば、エドヴァルド以外言葉すら発していない。
イル義父様は片手で額を覆っているし、俯くコンティオラ公爵とクヴィスト公爵代理の表情は、こちらからは見えない。
腕組みをしたまま、黙って目を閉じて座っているのは、テオドル大公とスヴェンテ老公爵だ。敢えて表情を読まれないよう、口元も真一文字に結ばれている。
二人してさすが年の功、とでも言うような表情の隠し方だった。
未だ会議前であることを思えば「会議は踊る。されど進まず」というわけでもない。
どちらかと言えば、今は「笛吹けども踊らず」――に近い状況なんじゃないかと思った。
最初に「笛を吹いた」陛下を前にして、だれが積極的に踊れるのか……というのが一番近い気がした。
「ああ、叔父上は体調不良で部屋に籠るそうだ。まあ仮病でもなさそうだったし『どのみち自分は永久赴任を甘んじて受ける以外の道は残されていないのだから、どうとでもすればいい』と達観していたようだったから、私も敢えて引き留めなかったぞ」
いや、諦観か? などと陛下は笑っている。
そういうのって、刑事ドラマや2時間サスペンスとかだと、一人になって自害していたり殺されたりしているフラグに繋がっているのだけど、大丈夫なんだろうか?
エドヴァルドの目がスッと細められたのも、きっと同じことを内心で考えていたからだろう。
ただ陛下は「ないない」と、見透かしたかのように片手を振っていた。
「単にあのお茶が効きすぎているだけだ。叔父上は、ただこのアンジェスで王になる可能性が潰えただけで、なろうと思えばサレステーデの事実上の統治者にはなれる。その可能性を捨てて死ぬなどと、愚か者の所業だろうが」
サレステーデで己の王国を作ればいい。あくまで自治であり、他の国よりは下の位置付けになる。それでもアンジェスにおける王位争いに敗れた身と考えれば、充分なはず。
レイフ殿下本人も、それはよく分かっていると陛下は言った。
折り合いも悪かったようだし、殿下の方は常にフィルバートの玉座を狙っていたと言っても良かった。ただフィルバートにとっては、相手にもならなかったということか。
……あるいはまさか、それなりに叔父と甥としての情はあったとか。
さすがに怖くて聞けないので、私はエドヴァルドの隣で表情を強張らせていることしか出来なかったのだけど。
「どうやら何人か、サレステーデに同行させたい『子飼い』はいるようだがな。まあ、そのあたりどうするかは今、この場で検討してくれ」
「……なるほど」
複雑そうにエドヴァルドが口を閉ざしたところで、陛下が「さて、スヴェンテ」と、老公爵に向かって声をかけた。
「先ほど言った通り、今日の議長はおまえだ。せいぜい公平に取り仕切ってくれ」
公平に、のところにもの凄く含みがある。
名指しされたスヴェンテ老公は、一瞬ギュッと眉根を寄せた後――ゆっくりと、閉じていた目を開いた。
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「死の淵にでもあれば、さすがに声をかけてきただろうがな。ならば無理に意識を戻させて、身体どころか記憶が損傷してしまいかねない危険を負う必要もない。どうせこのあと、まだしばらくは我々も閣議の間での会議からは抜けられない」
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「陛下……」
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