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「……面白いね、それ」
「「ええ゛!?」」
「中々みんな一緒にやってくれない理由だよね、それ。難しい、経験者有利、脱落者は暇、一回が長い、GMはゲームに参加出来ない」
「ど、どどどうした!? あ、あのマコトが、人狼ゲームの悪口なんて……壊れちゃったのか!?」
「はははっ。違うよ、コウ……そうか、その手があったか」
「何がだよ!」
「お姫様の望む人狼ゲーム。つまり、オリジナルの人狼ゲームを作るんだよ!」
「そんな事、出来るの~~!?」
「そんな、こ、コイツの為とか! わがまま、聞かなくて良いんじゃねー!?」
「フフッ。とか言いつつ、気になるんだ?」
「私の為……?」
「ミホちゃんの為っていうか……もしこれが作れれば、ミホちゃんと同じ理由で人狼ゲーム避けてた子達もやってくれるはず。大人数局も、夢じゃ無いよ」
「ふ、ふーーーん? じゃ、じゃあ、良いんじゃね? 具体的に、どうすんのさ?」
「コウも考えるの、手伝ってよ?」
「あ、当たり前だろーっ!」
「私も、手伝いた~い!」
「勿論。絶対形にしよう!」
「「「オオーーーッ!!!」」」

 教室にいた他の生徒からの視線を背中に感じながら、俺達3人は円陣を組んで、めいいっぱいの大きい声を出して誓った。

“誰も死なない。GMも参加出来る。運ゲー人狼ゲーム”

 完成させる。そして必ず、大人数局を絶対実現させる。そう、誓い合った。


ーーこの時は気付けなかったけど。
 もう1人がこちらを見ていて。そいつも入れた4人で、ゲームのルールを完成させたんだ。
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