6 / 87
【1】
1−2
しおりを挟む
「ねえねえ、マコトくん」
ミホが、いつの間にか会話から外れていた事に気が付いた。
見れば、自由帳帳に中々上手なドレスを着た女の子の絵が描かれていた。
ーー本当は、人狼ゲームなんて、好きじゃない癖に。
お絵描きの方が好きで、本当は一緒にお絵描きしたい、とでも言いたいだろうに。
ミホは、一度もそんな事、言った事がない。
俺だってミホが嫌がる遊びに付き合わせたいわけじゃない。
趣味の合う友達を見つけて、そいつらと遊んだら良いと思ってる。
でも、それを言う勇気が俺には無い。
ミホが俺を怒らせてくれれば。
怒りに任せてなら、簡単に言えてしまいそうなのに。
ミホは馬鹿な癖に、気遣い屋だ。
俺を本気で怒らせるような事を絶対に言わない。
マコトにだってそうだった。
「なに? ミホちゃん」
「人狼ゲームに、”お姫様“って役職無いの?」
「んなのあるかよ! ゲームの舞台、村なんだぞ!?」
「ははは。コウもそんな事言わずにさ? お姫様の能力教えてよ、似た様な役職ならあるかもしれないし」
「のうりょく~? えーと……何でも言う事聞いて貰える、とか」
「……はあ。『人狼ゲ~~ム! GMの言う事は~?』……はい」
「「ぜった~~いっ!!」」
「それってGMじゃんか! GMは参加できねーよ。ゲーム破綻すんじゃん」
「まあまあまあ! んーと……何でもっていうのを、もう少し具体的な内容、言える?」
「えーと……誰も死ななくてー、ジャンケンみたいに頭良くなくても出来てー、仲間外れが居ないゲームに……出来る、能力?」
悩みながら、戸惑いながら。
ミホが機嫌を伺いながら、言葉を探り探り言っているのは目に見えてわかった。
この時の俺はまだ、「馬鹿だなー」程度にしか思っていなかった。
ミホが、いつの間にか会話から外れていた事に気が付いた。
見れば、自由帳帳に中々上手なドレスを着た女の子の絵が描かれていた。
ーー本当は、人狼ゲームなんて、好きじゃない癖に。
お絵描きの方が好きで、本当は一緒にお絵描きしたい、とでも言いたいだろうに。
ミホは、一度もそんな事、言った事がない。
俺だってミホが嫌がる遊びに付き合わせたいわけじゃない。
趣味の合う友達を見つけて、そいつらと遊んだら良いと思ってる。
でも、それを言う勇気が俺には無い。
ミホが俺を怒らせてくれれば。
怒りに任せてなら、簡単に言えてしまいそうなのに。
ミホは馬鹿な癖に、気遣い屋だ。
俺を本気で怒らせるような事を絶対に言わない。
マコトにだってそうだった。
「なに? ミホちゃん」
「人狼ゲームに、”お姫様“って役職無いの?」
「んなのあるかよ! ゲームの舞台、村なんだぞ!?」
「ははは。コウもそんな事言わずにさ? お姫様の能力教えてよ、似た様な役職ならあるかもしれないし」
「のうりょく~? えーと……何でも言う事聞いて貰える、とか」
「……はあ。『人狼ゲ~~ム! GMの言う事は~?』……はい」
「「ぜった~~いっ!!」」
「それってGMじゃんか! GMは参加できねーよ。ゲーム破綻すんじゃん」
「まあまあまあ! んーと……何でもっていうのを、もう少し具体的な内容、言える?」
「えーと……誰も死ななくてー、ジャンケンみたいに頭良くなくても出来てー、仲間外れが居ないゲームに……出来る、能力?」
悩みながら、戸惑いながら。
ミホが機嫌を伺いながら、言葉を探り探り言っているのは目に見えてわかった。
この時の俺はまだ、「馬鹿だなー」程度にしか思っていなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる