それぞれの幸せと幸福を

幸姫

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【我儘姫に溺愛を】

変わったこと・成長したこと

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「持ってきたやった、感謝してね」
「本当に感謝しかないよ。ありがとう」

一人の時間を満喫していると晴也が大切な資料を忘れてしまったと電話が来た。アレスにとって電車は初めてだったので、ワクワクしていたら数分後インターホンが鳴り、出てみると晴也の部下らしい人が立っていた。何回も自分の足で行くと説得したが車で行く事が既に決定しているようで、アレスは嫌々車に乗った。
車を出した2人の部下の名は、川下、土屋。

川下はいつもは無表情で恋愛に無頓着だった晴也を見てきた。最近は表情が明るくなり、さらには恋愛の相談までしてきたのだ。
深刻そうな顔をしてこちらにきた前の日、

「川下。俺はどうしても好きな人に愛を伝えたいのだが、俺の好きな人はどうしてか愛を受け入れてくれない。」

「はぁ、?それで晴也さんはどうしたんですか?」

「何回言ってもしつこいと思われるかと思って言った後はならべく近付かないようにしてるよ。」

やっぱり恋愛はした事無いんだな。
川下はハッキリと思った。
川下はいくら会社でモテモテの晴也さんも皆んなと同じ恋愛には不器用なのだと感じた。

「それですよ。何でやめちゃうんですか。
それじゃ、好きっていう言葉をただ言ってるだけじゃないですか。」

「確かに....ありがとう、川下!ちょっと今から行ってくる!」

「え!今仕事中なんですけど!!代表!!」

とても楽しそうで嬉しそうな顔をしていた晴也を川下は止める事ができなかった。
部下として代表の背中を押す事が出来てよかったと安堵した。

晴也が何処かへ言ってしまったとの情報が入ると晴也と同じグループ会社で働いている別の代表から怒られ、仕事が増えていた。トボトボしながら仕事をしている晴也を見て川下は唇の端を上げた。

一方で土屋は晴也に想いを寄せていた。
土屋は新人の時に晴也に色々優しく教えもらった。ここまで支えてくれたのは紛れもない晴也のおかげなのだ。
これから新人ではなく迷惑を掛けるヘマはしなくなった。堂々と晴也の隣に行ける。
それなのに、突然に失恋が来た。
長年想ってきたのにと恋人の方に怒りが湧き上がり、恋人を一目でも見ようと無理矢理来たのだ。

自分の足で行けなくなってしまった、アレスは不機嫌モードで車に乗っていた。

「晴也さんの恋人さんですか?」 
土屋がアレスに言った。

「うん」

「へー、貴方が。」

見下すような目で鼻を高くして話している土屋にムカついたのかアレスも負けずと喧嘩腰になる。

「?何か文句でもあんの?」

「敬語使わないのかな~と」
「??“けいご”?」

アレスはやっとの事でこの世界での生活に慣れていた。文字は読めても文化的なのは無理なのだ。知らない国の御坊ちゃまとなればさらに大変な事になる。

「常識も分かんないとかおかしいんじゃない?それで晴也さんの隣名乗ってんの?」

「何言ってるのかよく分からないけど、貴方は晴也に選ばれなかった。それだけ。」

そう言うと土屋は黙ってしまい、結局会社に着くまでアレスとまた喋る事は無かった。
アレスは自分は何か悪い事を言ってしまったのでは無いかと思っていたが、晴也と別れてロビーを歩いていると目の前に土屋が現れた。

「ごめんなさい。晴也さんは俺のものじゃないのに変な事貴方に言った。」

土屋は辛そうな顔をしてアレスに頭を上げた

「僕も酷い事言った。ごめん、ごめんなさい。」

「でも、もう君には晴也以外の人が心の中にいそうだしね。」

「うるさい....」


なぜか土屋とアレスは仲良くなり週に一回は遊ぶ仲になった。
土屋は昔から片思いしていた幼馴染と色々あり無事にくっついた。
アレスは嬉しくて泣きながら晴也に言い、二人で土屋と彼氏さんの幸せを願った。


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