誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

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第三話 概ね普通の先輩後輩

02※

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 ──最も安全なテリトリーとは? と聞かれると、俺はとりあえず自分の部屋を思い浮かべる。

 一人暮らしの俺はこれといって誰かに邪魔されることもないし、リラックスしていられるからだ。しかし。


「ッヒ、い゛ぁ……ッ!」


 その安全なはずの自室のベッドで、現在の俺はバチンッ、と尖った胸の突起を二つともV型のクリップで挟まれる痛みに、低く呻いて仰け反っていた。

 思わず中をきつく締めつけると、俺を犯していた嫌がらせの犯人──三初が、パシンと叱るように内腿を叩く。

 挿入と共に時折体内の襞を擦られながら携帯サイズのコールドスプレーを乳首に振りかけられ、やめろと言ったのに、容赦のない三初は硬く勃起させた俺の乳首にクリップをつけたのだ。マジでいってぇ。

 乳首に噛みついているのかと思うくらいがっぷりと食い込む小さなクリップが、これほど憎いとは思わなかった。


「あぁぁ……ッ」

「似合ってますよ、セーンパイ。嬉しそうに俺の締めつけちゃって……さすがドマゾ。悦んでますね」

「ク、クソッ……嫌だって言ったッ……! 俺マゾじゃねぇし嬉しくねぇッ……い、痛ぇんだよ、アホ……ッ」


 愉快げにせせら笑う男に屈しないよう、必死に抗議する。乳首にクリップとかどんな罰ゲームだよこの鬼畜野郎が……ッ!

 どこをどう見たら俺が悦んでるように見えるのかてんでわからない。
 速やかに眼科へ直行し、そのまま脳外科にも行ってほしい。切実に。


「痛い? そうでもないですよね。ちゃんと感覚マヒするまでキンキンに冷やしてからしてやったでしょ」

「気遣いの見せ場が違ぇッ」

「はいさっさと這い蹲って」

「んッ……ぅ、っく、っ叩くな……っ!」


 開かされていた足を抱えられ強引にうつ伏せにさせられてから、自分で四つん這いになれと、尻をバチンッと叩かれた。

 いつも眠っているベッドのシーツが今は凶器に感じる。
 胸のクリップが触れてもし無理に取れると、絶対に痛い。そこに触れないように腕を伸ばし、肩に力を入れて懸命に上体を浮かばせ続ける。

 くそ、オモチャ扱いしやがって……!
 ストレス解消に付き合うって言ったくせに俺のストレス増やすんじゃねぇ……!


「は…ぁ……っ」


 体を動かすたびグチ、と粘膜が擦れ、腹の中に長大なモノの存在感を感じた。
 震える足でどうにか四つん這いになると、三初は後ろから俺の腰を両手で掴む。


「んッ……ぅ…く……ッ」


 ズルゥ……ッ、と抜けるギリギリまで引き抜かれ、思わず身震いしてしまった。
 肉棒に絡みつく襞を振り切っていくものだから、腰が痺れ、快感に背筋が粟立つ。


「ソレ。取れないように、精々頑張って下さいね」

「あっ……ぁあっ!」


 次いで小馬鹿にしたような言葉を投げつけられたかと思うと、ズチュッ、と一息に内臓の角深くまで突き込まれ、間抜けな悲鳴があがった。

 いきなり抉られる快感に、ガクンと上半身が崩れ落ちそうになる。

 それを意にも介さず激しく掴まれた腰を揺さぶられれば、挿れられてからまだ一度も激しく犯されていない体は、我慢できない。




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