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訓練シリーズ
くすぐりの特訓!
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柚木→由麗→七彩のくすぐり特訓。柚木視点
◇ ◆
「俺今度、由麗達と敵の組織に新入りとして潜入しなきゃダメかもー」
朝食を食べている時に、めちゃくちゃ溜息を吐いた七彩がそう話しかけてきた。
「それは大変だね。由麗達って、他には?」
「多分渚かなーまだ決定してないから正式に報告されてないけどさ。めっちゃ久々ぁー」
「気を付けろよ。お前まだ攻められたら敏感なんだから」
「そうそう、それなんだけどさ。由麗も柚木に触られたら反応してたじゃん。ついでにお前も俺が相手だと敏感だし。潜入捜査に行く前にちょっと特訓したいんだけど。訓練みたいな物々しい感じじゃなくてさー」
「まぁ本格的じゃないなら付き合うけど」
「んじゃ早速今日やろうぜー。由麗も誘ってくるー」
味噌汁を飲んだ七彩は食器を片付けると由麗に声をかけに行った。
嫌そうにしながらも了承した由麗。そうして三人で俺たちだけのプチ特訓が始まることになった。
◇ ◆
「じゃあまずは俺が柚木先輩を攻めたいです」
目を輝かせながら由麗がそう言うと、俺は余裕を感じながら了承した。
俺の部屋でする事になったプチ特訓は、本格的な拘束具などは使用せず、人力ですることになった。中央に腰掛けた俺の後ろに七彩が居り、腕を動かせないように羽交締めにした。
「ていうか俺、任務に行くわけじゃないしすぐ終わらせてね」
そもそもやる必要もないと訴えたが、「いつか任務に出る日がくるかもしんないからー」と言われたのだ。
「じゃあ…柚木先輩、行きますね」
今からされる側の俺より緊張している由麗は、真っ先に俺の首筋に指を這わせてきた。前に七彩に攻められてたのを見てたんだろう。
──しかし、やっぱり意識を変えると弱点だと認識している首でさえ全く感じない。
それに対して少しむっとした由麗は、動けない俺の首をこちょこちょと擽ったり、脇腹を擽ったりと様々な場所を触ってきた。
「悪いけど、何処触っても大丈夫だから交代しない?」
「こ、ここっ、触りたいです!!」
由麗は何故か顔を真っ赤にしながら俺の股間を指差した。
「変態みたいな申し出だね。いいよ別に、触れば?」
多分、由麗に何処触られても何も感じる事はないだろう。足を開いてやると、きゅっと遠慮がちに自身を揉みしだかれた。
触られてる俺よりも真っ赤な所が可愛くて攻めに回りたいが、七彩はガッチリと俺を拘束しているので動けない。
足の付け根を触ってみたり、自分の弱点である臍を触ってみたりと股間以外にも色々触られるが相変わらず俺の中にあるのは"無"。
「もういい?俺多分大丈夫だから」
「ふふー、じゃあ次は俺がしてあげようか」
「…っ、おい。お前は手出すなよ…っ」
「そんなルールないよー?今は柚木の特訓なんだからさ」
後ろから耳元で喋ってくる素の七彩に焦りを覚えて暴れると、更に体はがっちりと拘束された。由麗も負けじと足を押さえつけながら色んな場所を触ってくる。
「ほらほらー、首とかどう?ちゃんと克服したー?」
羽交締めしたまま、こちょこちょと首を擽られると、ビクンと激しく体が揺れた。
「ちょ……お前ふざけんなやめろって…ぁ、」
「柚木先輩、何で七彩にばっか反応すんの?むかつくんですけど」
「ひあっ……こ、コラ…っ由麗、やめっ…あはっ」
一度体が反応すると、すぐに意識を戻すことが出来なくて、脇腹を擽る由麗の手にもしっかりと反応を示してしまった。
「あはー可愛い。やっぱり首弱いなー。由麗の時普通だったのに何でー?お前のスイッチ適当すぎだろ」
「や…っ、めて…首やめろ!七彩っ…」
「はいはいー暴れんなって。由麗、そのまま乗っかったりしてこいつの足押さえてて」
「──うん」
七彩の命令だからか、由麗は不機嫌そうにしながらも俺の足に体重をかけた。
「何すんだよ…」
羽交締めを解放した七彩は俺を床に押し倒すと、両手を万歳にさせるとその手をガッチリと足で押さえつけた。
「いやー俺の攻撃が効かなかったらすぐ終わろうと思ったけど、効くなら徹底的にこちょこちょしよっかー」
「!…あ、ははっ!ぁ…、やめ…っ離して、離し…ははははは!やめてっ、ぁはははは!」
七彩が服の上から脇を擽り、由麗は脇腹を擽ってきた。俺を見下ろす七彩はめちゃくちゃニヤけているので、かなり悔しい。
「そんなに力入れても無駄無駄ー。ほらー柚木ー。こちょこちょ~」
「ぁははは!やめろっ、本当やめて…っ、俺はっ、もういい!もういいからっ、──んんっ、ふふ…ぁははっ」
「柚木先輩は首以外は何処が弱いんですか?」
「ゃ、め…由麗、後でっ……ぁ、はっ、ンン、やめて…お願いっ…」
「足も弱いよー?ねー、柚木ー。効くようになったら何処も弱いもんね」
「てめ…っ」
「あははー。余裕で終わろうとしてたのに残念だったねー」
俺と七彩が言い争っていると、足の裏を触れる位置にやってきた由麗が軽く爪を立てて土踏まずのあたりをなぞってきた。
「あ…っ、んん、ん!ん!」
必死に力を込めて抵抗を試みても、軽く擽られるだけで力が抜ける。強制的に笑わされるのは屈辱的で、特に俺を慕う由麗には間抜けな姿を晒したくなかったのに。
「柚木先輩可愛い。擽ったいですか?」
自分の攻撃で俺が反応するからか、由麗は嬉しそうに笑いながら両方の足の裏を擽り出した。
「やめ…っ、ぁ、ははは!擽ったい!擽ったいから…っ、ぁはははは!むりむりっ、ギブです!やめてっ、」
「えー?何言ってんのー?余裕ぶってたんだしもっと耐えなよー?」
「お前…っ、ぁ、あ!やめ…っ、ごめん、七彩…そこはやだ!!やだってば!!」
「んー?やなのー?へぇー。だから?」
こしょこしょと優しく首筋を撫でられると、体がより敏感に反応を示した。擽ったくて、少し気持ち良い。
──気持ち良いということは、多少なりとも下半身が反応しそうになる。それがどうしても嫌だったので七彩に目で訴えた。
すると、俺にしか聞こえないようにトーンを下げて意地悪な言葉が囁かれた。
「何?もしかして勃ちそう?──へぇぇ。由麗の前で?無様に勃起ですかぁ?」
「…お願い、許して……っ、お願い…!七彩…」
俺も同じように小声で返すと、ニタァと笑いながらも腕を解放された。
「──由麗の前だし解放してあげるけど、今度この借りは返せよ?」
「分かった……」
「はいはい由麗ー。終わり終わり。次はお前なー」
「えぇ?ちょ、なんでっまだ、」
由麗を俺の足から離すと、ドサリと押し倒されていた。
「お前!!邪魔すんなっ」
「先輩にお前はないでしょー。つーか俺が居なかったら柚木はずっと無反応だったよー?」
「……そんなことない!ずっと続けてたら俺にも反応してたっての!」
「あはー、全くだったじゃん。そんなに怒ってたら可愛い顔が台無しだよー?」
「るっさい…退けバカ七彩!」
俺の体と気持ちが整うまで、七彩は由麗の相手をしてくれたようで。押し倒されて全く動けない由麗はぎゃあぎゃあ騒ぎながら七彩に食ってかかっていた。
「ごめんね、お待たせ。さっきはありがとう。次は由麗の特訓しようか」
気持ちを落ち着かせた俺が由麗の手を掴んで万歳させると、恥ずかしそうにしながら騒いでいた口を閉じた。
「ね、由麗。腕押さえたりしないからさ。このまま自分で万歳キープ出来る?」
「……で、出来ます、けど…七彩居るんですか…?」
「うん。居るよ?任務に出たら七彩みたいな奴も居るかもしれないし、耐性つけないとね」
「何だよその言い方ー。ほら、とっとと始めるぞー」
「じゃあこのまま万歳しててね」
「……っはい」
きゅっと拳を握り締めたのを確認し、俺は手を離すとゆっくりと触りやすい脇に人差し指を置いた。
その瞬間、由麗はビクッと跳ねて泣きそうな顔になったが、仕返しも兼ねてクリクリと窪みを刺激するとブンブン首を振り始めた。
「ぁぁぁぁ……!柚木先輩…っ、擽ったぃ……っ」
「でもちゃんと万歳出来てて偉いね。ご褒美あげようか」
「ひゃははははは!それご褒美じゃないぃぃっ!!」
両脇に手を添えてこちょこちょと擽ってみると、由麗は大きく声を上げながら足をばたつかせた。俺が最初に命令したからか、震えながらも腕はキープしている。
「偉い偉い。じゃあ次は七彩に由麗の大好きなお臍触ってもらおうか」
「やだ…っ、やだぁ!やだっ」
「はいはい。いい子にしててねー」
体を押さえつけるように七彩が由麗に覆い被さると、やだやだと首を振って暴れ出した。
服をはだけさせ、腹部が見えるようにした七彩がゆっくりと人差し指で臍の周りをなぞると、流石に我慢出来なかったのか腕はキープをやめ、七彩の頭部にヒットした。
「いってーなー、腕はいい子にしてなさいー」
「ほら、由麗。叩いちゃダメでしょ」
手首を掴んで頭上で押さえつけると、抵抗出来ない事に焦って激しく暴れ出した。
「やめてっ!!柚木先輩っ、手ぇ離して…!!」
「だーめ。七彩に可愛がってもらってね」
暴れる両手を一纏めにして片手で押さえつけ、クルクルと脇の下を擽ると可愛い声を上げながら笑い出した。
「笑ってる顔の方が可愛いぞー」
「ひゃあああああああ!!あはははははっ…あ、ぁぁぁあ!!ぃああああ!擽ったいぃぃぃっ…」
七彩が臍回りに全ての指を置いて擽ると、ポロポロ泣きながら叫び出した。
「ひゃはははっ、あはぁっ!あはっ、やっ、はははは!ゃははははは!!だめぇっ!七彩ぇ、…お腹やだぁぁぁ!!」
「お腹というよりお臍だろー?俺はお臍が弱点だからやめて下さい七彩先輩って言ってみろよ」
「やだぁぁぁぁ!ふざけんなばかぁぁあ!」
相変わらず七彩に先輩をつけるのを嫌がる由麗は、暴れながらもその言葉を使わなかった。
「まぁいいけどー。中もいじるけど耐えれんのー?」
「ふぁぁ…っ、ぁぁぁ!ななっ…せぇ、やだぁ…」
「スッゲー甘い声出すじゃん。それじゃつまんねーんだよなー」
「ひゃあああああ!あはははははは!!やめれっ!やめてぇぇぇ!!」
臍の穴から指を抜き、周りをこちょこちょと擽ると、激しい叫び声を上げながら制止を求めていた。
「ひはぁっ、ぁっ、もぉっ、だめぇぇ、だめっ」
「本当だね。力、抜けてきてるね」
片手で難なく押さえつけたまま脇の下や胸の横、そして乳首を擽ってみると、顔を真っ赤にしながら笑い泣いた。
「ひゃははぁっ、ぁはっ、ぁ、っぁぁあ、…んんっ、擽ったいぃ……っ」
乳首に触れると明らかに甘い声になり、それがとても可愛く思えた。
「ふふ。──乳首気持ち良いの?けどごめんね。今日は特訓だから気持ち良いことはたくさん出来ないの」
「ぁ……」
乳首から指を離すと、由麗の口からは切なそうに声が漏れた。
「そういう事でー、いっぱい擽ってあげるからねー、由麗」
「ぁはははは!もぉぉっ、やめて!やめてっ、ぁはは」
随分敏感になった体は、少し指を動かすだけでビクビクと反応を示した。特に反応が強い臍は七彩が担当し、俺は脇の窪みを優しくマッサージすると、耐えられないと言わんばかりに激しい抵抗。
「ここはこうやって触るのが苦手?」
「ひはっ、あっ、はははっ、だめぇっ、それ、やだぁぁっ、…柚木せんぱっ……ぐり、ぐりしないれっ…」
(可愛いー…)
擽り続けて息も苦しそうな由麗。顔も真っ赤で体はピクピクしているので、正直かなりエロい。
「由麗ー。柚木には可愛いねー」
「ひゃぁぁっ、」
臍にキスをした七彩は、ゆっくりと舌で愛撫しながら指は脇腹に添えて優しく擽り出した。
「ぁぁぁあ!!やだぁぁ!七彩、それっ、やだぁぁ!舐めないでっ……ひ、ぁぁあ、はっ、はぁっ、」
「んー、本当に限界なら先輩つけようね」
「やっ、だぁぁ、やだっ、やっ、」
二人から一番苦手であろう刺激を受けながらも、由麗は何故か頑なに七彩に先輩を付けようとしない。
もちろん付けなければやめる気もないので、七彩は臍を舌で弄りながら脇腹を擽り、俺は脇の下を集中的にいじめた。
何分も擽り攻撃を続けていると次第に笑い声も小さくなっていき、体の痙攣も弱まってきた。そんな頃、由麗はボロボロと大粒の涙を流しながら小さく呟いた。
「な……なせ……っ、せんぱっ、…ゃめて、くらさ…っい、お願いっ、しま、…す…」
「はーい。よく言えましたー」
その言葉を聞いた七彩はパッとすぐに手を離してニヤニヤと笑いながら由麗を見下ろした。
「くっそ…覚えてろよ七彩ぇぇ……」
ピクピクと体を震わせ、泣きながら睨みつける由麗。それを見てニヤニヤ笑う七彩は、由麗の体を拭いてやるとポンポンと頭を撫でていた。
「まぁ柚木が居なかったら由麗も耐えれるようになってたし問題ないと思うけど、やっぱりお臍舐めた時の反応が可愛すぎてずっとそのままで居てほしいわー」
「確かに可愛いよね。俺達にしか見せないでほしいな。──じゃあ、次は七彩いこうか」
「ん…お願いします」
言い出したくせに、いざ自分がされる側になると大人しくなった七彩は頬を染めながら寝転んだ。
「じゃあさっきの仕返しさせろよバカ七彩!」
「はい、腕は俺が押さえておくから由麗どうぞ。七彩は優しく脇腹擽るのが一番弱いよ」
七彩は自分で万歳してくれたので両手で押さえつけると、由麗は七彩の体に跨った。服をはだけさせて腹部を晒すと、脇腹に人差し指を添えてゆっくりと上下し始めた。
「──っ、…んん、」
ピクンと小さく揺れて声を我慢する七彩に気を良くした由麗は、苦手な触り方でねっとりと脇腹をいじめ始めた。
「ぁ…はぁ…っ、んん、ははっ…俺、意識、変えても…っ、柚木みたいに、全然…我慢、出来なっ…」
「それほど脇腹弱いってことじゃない?──いっぱい擽って鍛えようか」
「ひっ、ぁ、んくっ……ん──…っぅ、ぅ…お願い、しますっ…いっぱい触って…っ、がんばるっ」
フルフルと震えながら、泣きそうな顔をして我慢する姿は加虐心を煽る。さっき助けてもらったのもあったので手加減しようとしたが、一生懸命克服しようとすふ姿を見て、俺も少しだけ訓練モードを出す事にした。
(というかコイツ、擽れば擽る程、敏感になってる気もするけど)
そう思いながら由麗に場所をチェンジしてもらい、俺は七彩の太腿に跨った。潤んだ瞳で見つめられると、──どうしてもいじめたくなる。
「ひゃははっ…ぁ、あ…はははは!柚木ぃ、それ…俺、やっぱだめっ、ずっとそれにしてっ…ぁはははは!頑張る!俺、頑張るっ…」
ビクビクと激しく跳ねさせて頑張る姿が可愛くて、七彩の弱い触り方を徹底すると、さっきの由麗と同じような状態になり始めた。
数分擽った後に手を止めると、涙目になりながら「最初よりかはマシかも……」と言ってきた。反応を見る限りそんな風には見えなかったが。
「本当か?──前も変わんないように見えたけど」
「めちゃくちゃ擽ったいけど、前より耐えれたよ!任務に出る時まで二人で特訓してくんない?」
「まぁいいけど…」
「俺も別にいいけど。じゃあ俺、トイレ行くんでまた。お疲れ様でした」
由麗が立ち上がって部屋を出ていくと、情事後のような火照った体の七彩と二人残された。そんな姿を見るとどうしても心配になる。
「七彩。お前、任務、気を付けろよ」
「うん。もちろん!元気に帰ってくるよー。そしたら今日の借り返してよ。また甘いもの食べ行こ」
「うん。絶対な。ちゃんと帰ってきて」
「心配性だなぁ柚木は。フラグみたいになるからやめてくんない?人気がある俺を退場させるような事しないから大丈夫だよ。千隼は一回退場しかけたけど」
「──そういう事言うなよ。まぁそうなんだけどさ。七彩はずっと一緒だったし、流石に心配なの」
寝転んだ七彩の横に寝転ぶと、昔ずっと一緒に寝てた事を思い出した。
「俺が出てる間、みんなのこと宜しくね。俺は一緒に任務に行く子のこと守るから」
そう言って寝転んだまま話していると、ノックもなしで扉が開いた。
「柚木。七彩こっちに来てない?──え?」
入ってきたのは風見先輩。はだけた服の七彩と寝転ぶ俺を見て、先輩が発狂したのは数秒後の話。
end.
◇ ◆
「俺今度、由麗達と敵の組織に新入りとして潜入しなきゃダメかもー」
朝食を食べている時に、めちゃくちゃ溜息を吐いた七彩がそう話しかけてきた。
「それは大変だね。由麗達って、他には?」
「多分渚かなーまだ決定してないから正式に報告されてないけどさ。めっちゃ久々ぁー」
「気を付けろよ。お前まだ攻められたら敏感なんだから」
「そうそう、それなんだけどさ。由麗も柚木に触られたら反応してたじゃん。ついでにお前も俺が相手だと敏感だし。潜入捜査に行く前にちょっと特訓したいんだけど。訓練みたいな物々しい感じじゃなくてさー」
「まぁ本格的じゃないなら付き合うけど」
「んじゃ早速今日やろうぜー。由麗も誘ってくるー」
味噌汁を飲んだ七彩は食器を片付けると由麗に声をかけに行った。
嫌そうにしながらも了承した由麗。そうして三人で俺たちだけのプチ特訓が始まることになった。
◇ ◆
「じゃあまずは俺が柚木先輩を攻めたいです」
目を輝かせながら由麗がそう言うと、俺は余裕を感じながら了承した。
俺の部屋でする事になったプチ特訓は、本格的な拘束具などは使用せず、人力ですることになった。中央に腰掛けた俺の後ろに七彩が居り、腕を動かせないように羽交締めにした。
「ていうか俺、任務に行くわけじゃないしすぐ終わらせてね」
そもそもやる必要もないと訴えたが、「いつか任務に出る日がくるかもしんないからー」と言われたのだ。
「じゃあ…柚木先輩、行きますね」
今からされる側の俺より緊張している由麗は、真っ先に俺の首筋に指を這わせてきた。前に七彩に攻められてたのを見てたんだろう。
──しかし、やっぱり意識を変えると弱点だと認識している首でさえ全く感じない。
それに対して少しむっとした由麗は、動けない俺の首をこちょこちょと擽ったり、脇腹を擽ったりと様々な場所を触ってきた。
「悪いけど、何処触っても大丈夫だから交代しない?」
「こ、ここっ、触りたいです!!」
由麗は何故か顔を真っ赤にしながら俺の股間を指差した。
「変態みたいな申し出だね。いいよ別に、触れば?」
多分、由麗に何処触られても何も感じる事はないだろう。足を開いてやると、きゅっと遠慮がちに自身を揉みしだかれた。
触られてる俺よりも真っ赤な所が可愛くて攻めに回りたいが、七彩はガッチリと俺を拘束しているので動けない。
足の付け根を触ってみたり、自分の弱点である臍を触ってみたりと股間以外にも色々触られるが相変わらず俺の中にあるのは"無"。
「もういい?俺多分大丈夫だから」
「ふふー、じゃあ次は俺がしてあげようか」
「…っ、おい。お前は手出すなよ…っ」
「そんなルールないよー?今は柚木の特訓なんだからさ」
後ろから耳元で喋ってくる素の七彩に焦りを覚えて暴れると、更に体はがっちりと拘束された。由麗も負けじと足を押さえつけながら色んな場所を触ってくる。
「ほらほらー、首とかどう?ちゃんと克服したー?」
羽交締めしたまま、こちょこちょと首を擽られると、ビクンと激しく体が揺れた。
「ちょ……お前ふざけんなやめろって…ぁ、」
「柚木先輩、何で七彩にばっか反応すんの?むかつくんですけど」
「ひあっ……こ、コラ…っ由麗、やめっ…あはっ」
一度体が反応すると、すぐに意識を戻すことが出来なくて、脇腹を擽る由麗の手にもしっかりと反応を示してしまった。
「あはー可愛い。やっぱり首弱いなー。由麗の時普通だったのに何でー?お前のスイッチ適当すぎだろ」
「や…っ、めて…首やめろ!七彩っ…」
「はいはいー暴れんなって。由麗、そのまま乗っかったりしてこいつの足押さえてて」
「──うん」
七彩の命令だからか、由麗は不機嫌そうにしながらも俺の足に体重をかけた。
「何すんだよ…」
羽交締めを解放した七彩は俺を床に押し倒すと、両手を万歳にさせるとその手をガッチリと足で押さえつけた。
「いやー俺の攻撃が効かなかったらすぐ終わろうと思ったけど、効くなら徹底的にこちょこちょしよっかー」
「!…あ、ははっ!ぁ…、やめ…っ離して、離し…ははははは!やめてっ、ぁはははは!」
七彩が服の上から脇を擽り、由麗は脇腹を擽ってきた。俺を見下ろす七彩はめちゃくちゃニヤけているので、かなり悔しい。
「そんなに力入れても無駄無駄ー。ほらー柚木ー。こちょこちょ~」
「ぁははは!やめろっ、本当やめて…っ、俺はっ、もういい!もういいからっ、──んんっ、ふふ…ぁははっ」
「柚木先輩は首以外は何処が弱いんですか?」
「ゃ、め…由麗、後でっ……ぁ、はっ、ンン、やめて…お願いっ…」
「足も弱いよー?ねー、柚木ー。効くようになったら何処も弱いもんね」
「てめ…っ」
「あははー。余裕で終わろうとしてたのに残念だったねー」
俺と七彩が言い争っていると、足の裏を触れる位置にやってきた由麗が軽く爪を立てて土踏まずのあたりをなぞってきた。
「あ…っ、んん、ん!ん!」
必死に力を込めて抵抗を試みても、軽く擽られるだけで力が抜ける。強制的に笑わされるのは屈辱的で、特に俺を慕う由麗には間抜けな姿を晒したくなかったのに。
「柚木先輩可愛い。擽ったいですか?」
自分の攻撃で俺が反応するからか、由麗は嬉しそうに笑いながら両方の足の裏を擽り出した。
「やめ…っ、ぁ、ははは!擽ったい!擽ったいから…っ、ぁはははは!むりむりっ、ギブです!やめてっ、」
「えー?何言ってんのー?余裕ぶってたんだしもっと耐えなよー?」
「お前…っ、ぁ、あ!やめ…っ、ごめん、七彩…そこはやだ!!やだってば!!」
「んー?やなのー?へぇー。だから?」
こしょこしょと優しく首筋を撫でられると、体がより敏感に反応を示した。擽ったくて、少し気持ち良い。
──気持ち良いということは、多少なりとも下半身が反応しそうになる。それがどうしても嫌だったので七彩に目で訴えた。
すると、俺にしか聞こえないようにトーンを下げて意地悪な言葉が囁かれた。
「何?もしかして勃ちそう?──へぇぇ。由麗の前で?無様に勃起ですかぁ?」
「…お願い、許して……っ、お願い…!七彩…」
俺も同じように小声で返すと、ニタァと笑いながらも腕を解放された。
「──由麗の前だし解放してあげるけど、今度この借りは返せよ?」
「分かった……」
「はいはい由麗ー。終わり終わり。次はお前なー」
「えぇ?ちょ、なんでっまだ、」
由麗を俺の足から離すと、ドサリと押し倒されていた。
「お前!!邪魔すんなっ」
「先輩にお前はないでしょー。つーか俺が居なかったら柚木はずっと無反応だったよー?」
「……そんなことない!ずっと続けてたら俺にも反応してたっての!」
「あはー、全くだったじゃん。そんなに怒ってたら可愛い顔が台無しだよー?」
「るっさい…退けバカ七彩!」
俺の体と気持ちが整うまで、七彩は由麗の相手をしてくれたようで。押し倒されて全く動けない由麗はぎゃあぎゃあ騒ぎながら七彩に食ってかかっていた。
「ごめんね、お待たせ。さっきはありがとう。次は由麗の特訓しようか」
気持ちを落ち着かせた俺が由麗の手を掴んで万歳させると、恥ずかしそうにしながら騒いでいた口を閉じた。
「ね、由麗。腕押さえたりしないからさ。このまま自分で万歳キープ出来る?」
「……で、出来ます、けど…七彩居るんですか…?」
「うん。居るよ?任務に出たら七彩みたいな奴も居るかもしれないし、耐性つけないとね」
「何だよその言い方ー。ほら、とっとと始めるぞー」
「じゃあこのまま万歳しててね」
「……っはい」
きゅっと拳を握り締めたのを確認し、俺は手を離すとゆっくりと触りやすい脇に人差し指を置いた。
その瞬間、由麗はビクッと跳ねて泣きそうな顔になったが、仕返しも兼ねてクリクリと窪みを刺激するとブンブン首を振り始めた。
「ぁぁぁぁ……!柚木先輩…っ、擽ったぃ……っ」
「でもちゃんと万歳出来てて偉いね。ご褒美あげようか」
「ひゃははははは!それご褒美じゃないぃぃっ!!」
両脇に手を添えてこちょこちょと擽ってみると、由麗は大きく声を上げながら足をばたつかせた。俺が最初に命令したからか、震えながらも腕はキープしている。
「偉い偉い。じゃあ次は七彩に由麗の大好きなお臍触ってもらおうか」
「やだ…っ、やだぁ!やだっ」
「はいはい。いい子にしててねー」
体を押さえつけるように七彩が由麗に覆い被さると、やだやだと首を振って暴れ出した。
服をはだけさせ、腹部が見えるようにした七彩がゆっくりと人差し指で臍の周りをなぞると、流石に我慢出来なかったのか腕はキープをやめ、七彩の頭部にヒットした。
「いってーなー、腕はいい子にしてなさいー」
「ほら、由麗。叩いちゃダメでしょ」
手首を掴んで頭上で押さえつけると、抵抗出来ない事に焦って激しく暴れ出した。
「やめてっ!!柚木先輩っ、手ぇ離して…!!」
「だーめ。七彩に可愛がってもらってね」
暴れる両手を一纏めにして片手で押さえつけ、クルクルと脇の下を擽ると可愛い声を上げながら笑い出した。
「笑ってる顔の方が可愛いぞー」
「ひゃあああああああ!!あはははははっ…あ、ぁぁぁあ!!ぃああああ!擽ったいぃぃぃっ…」
七彩が臍回りに全ての指を置いて擽ると、ポロポロ泣きながら叫び出した。
「ひゃはははっ、あはぁっ!あはっ、やっ、はははは!ゃははははは!!だめぇっ!七彩ぇ、…お腹やだぁぁぁ!!」
「お腹というよりお臍だろー?俺はお臍が弱点だからやめて下さい七彩先輩って言ってみろよ」
「やだぁぁぁぁ!ふざけんなばかぁぁあ!」
相変わらず七彩に先輩をつけるのを嫌がる由麗は、暴れながらもその言葉を使わなかった。
「まぁいいけどー。中もいじるけど耐えれんのー?」
「ふぁぁ…っ、ぁぁぁ!ななっ…せぇ、やだぁ…」
「スッゲー甘い声出すじゃん。それじゃつまんねーんだよなー」
「ひゃあああああ!あはははははは!!やめれっ!やめてぇぇぇ!!」
臍の穴から指を抜き、周りをこちょこちょと擽ると、激しい叫び声を上げながら制止を求めていた。
「ひはぁっ、ぁっ、もぉっ、だめぇぇ、だめっ」
「本当だね。力、抜けてきてるね」
片手で難なく押さえつけたまま脇の下や胸の横、そして乳首を擽ってみると、顔を真っ赤にしながら笑い泣いた。
「ひゃははぁっ、ぁはっ、ぁ、っぁぁあ、…んんっ、擽ったいぃ……っ」
乳首に触れると明らかに甘い声になり、それがとても可愛く思えた。
「ふふ。──乳首気持ち良いの?けどごめんね。今日は特訓だから気持ち良いことはたくさん出来ないの」
「ぁ……」
乳首から指を離すと、由麗の口からは切なそうに声が漏れた。
「そういう事でー、いっぱい擽ってあげるからねー、由麗」
「ぁはははは!もぉぉっ、やめて!やめてっ、ぁはは」
随分敏感になった体は、少し指を動かすだけでビクビクと反応を示した。特に反応が強い臍は七彩が担当し、俺は脇の窪みを優しくマッサージすると、耐えられないと言わんばかりに激しい抵抗。
「ここはこうやって触るのが苦手?」
「ひはっ、あっ、はははっ、だめぇっ、それ、やだぁぁっ、…柚木せんぱっ……ぐり、ぐりしないれっ…」
(可愛いー…)
擽り続けて息も苦しそうな由麗。顔も真っ赤で体はピクピクしているので、正直かなりエロい。
「由麗ー。柚木には可愛いねー」
「ひゃぁぁっ、」
臍にキスをした七彩は、ゆっくりと舌で愛撫しながら指は脇腹に添えて優しく擽り出した。
「ぁぁぁあ!!やだぁぁ!七彩、それっ、やだぁぁ!舐めないでっ……ひ、ぁぁあ、はっ、はぁっ、」
「んー、本当に限界なら先輩つけようね」
「やっ、だぁぁ、やだっ、やっ、」
二人から一番苦手であろう刺激を受けながらも、由麗は何故か頑なに七彩に先輩を付けようとしない。
もちろん付けなければやめる気もないので、七彩は臍を舌で弄りながら脇腹を擽り、俺は脇の下を集中的にいじめた。
何分も擽り攻撃を続けていると次第に笑い声も小さくなっていき、体の痙攣も弱まってきた。そんな頃、由麗はボロボロと大粒の涙を流しながら小さく呟いた。
「な……なせ……っ、せんぱっ、…ゃめて、くらさ…っい、お願いっ、しま、…す…」
「はーい。よく言えましたー」
その言葉を聞いた七彩はパッとすぐに手を離してニヤニヤと笑いながら由麗を見下ろした。
「くっそ…覚えてろよ七彩ぇぇ……」
ピクピクと体を震わせ、泣きながら睨みつける由麗。それを見てニヤニヤ笑う七彩は、由麗の体を拭いてやるとポンポンと頭を撫でていた。
「まぁ柚木が居なかったら由麗も耐えれるようになってたし問題ないと思うけど、やっぱりお臍舐めた時の反応が可愛すぎてずっとそのままで居てほしいわー」
「確かに可愛いよね。俺達にしか見せないでほしいな。──じゃあ、次は七彩いこうか」
「ん…お願いします」
言い出したくせに、いざ自分がされる側になると大人しくなった七彩は頬を染めながら寝転んだ。
「じゃあさっきの仕返しさせろよバカ七彩!」
「はい、腕は俺が押さえておくから由麗どうぞ。七彩は優しく脇腹擽るのが一番弱いよ」
七彩は自分で万歳してくれたので両手で押さえつけると、由麗は七彩の体に跨った。服をはだけさせて腹部を晒すと、脇腹に人差し指を添えてゆっくりと上下し始めた。
「──っ、…んん、」
ピクンと小さく揺れて声を我慢する七彩に気を良くした由麗は、苦手な触り方でねっとりと脇腹をいじめ始めた。
「ぁ…はぁ…っ、んん、ははっ…俺、意識、変えても…っ、柚木みたいに、全然…我慢、出来なっ…」
「それほど脇腹弱いってことじゃない?──いっぱい擽って鍛えようか」
「ひっ、ぁ、んくっ……ん──…っぅ、ぅ…お願い、しますっ…いっぱい触って…っ、がんばるっ」
フルフルと震えながら、泣きそうな顔をして我慢する姿は加虐心を煽る。さっき助けてもらったのもあったので手加減しようとしたが、一生懸命克服しようとすふ姿を見て、俺も少しだけ訓練モードを出す事にした。
(というかコイツ、擽れば擽る程、敏感になってる気もするけど)
そう思いながら由麗に場所をチェンジしてもらい、俺は七彩の太腿に跨った。潤んだ瞳で見つめられると、──どうしてもいじめたくなる。
「ひゃははっ…ぁ、あ…はははは!柚木ぃ、それ…俺、やっぱだめっ、ずっとそれにしてっ…ぁはははは!頑張る!俺、頑張るっ…」
ビクビクと激しく跳ねさせて頑張る姿が可愛くて、七彩の弱い触り方を徹底すると、さっきの由麗と同じような状態になり始めた。
数分擽った後に手を止めると、涙目になりながら「最初よりかはマシかも……」と言ってきた。反応を見る限りそんな風には見えなかったが。
「本当か?──前も変わんないように見えたけど」
「めちゃくちゃ擽ったいけど、前より耐えれたよ!任務に出る時まで二人で特訓してくんない?」
「まぁいいけど…」
「俺も別にいいけど。じゃあ俺、トイレ行くんでまた。お疲れ様でした」
由麗が立ち上がって部屋を出ていくと、情事後のような火照った体の七彩と二人残された。そんな姿を見るとどうしても心配になる。
「七彩。お前、任務、気を付けろよ」
「うん。もちろん!元気に帰ってくるよー。そしたら今日の借り返してよ。また甘いもの食べ行こ」
「うん。絶対な。ちゃんと帰ってきて」
「心配性だなぁ柚木は。フラグみたいになるからやめてくんない?人気がある俺を退場させるような事しないから大丈夫だよ。千隼は一回退場しかけたけど」
「──そういう事言うなよ。まぁそうなんだけどさ。七彩はずっと一緒だったし、流石に心配なの」
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「俺が出てる間、みんなのこと宜しくね。俺は一緒に任務に行く子のこと守るから」
そう言って寝転んだまま話していると、ノックもなしで扉が開いた。
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入ってきたのは風見先輩。はだけた服の七彩と寝転ぶ俺を見て、先輩が発狂したのは数秒後の話。
end.
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