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訓練シリーズ

先輩と訓練②(柚木過去編)

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柚木過去編

拘束/擽り/言葉責/羞恥/玩具/目隠/連続絶頂/媚薬

攻→桜花おうか
受→柚木/視点

◇ ◆

「じゃあ柚木くん。訓練を始めようか」

「はい。宜しくお願いします」

組織に加入して暫く経った頃、俺は七彩と同じ日に訓練を受ける事になった。

教育係で先輩の桜花さんはとても穏やかで、感情を表に出したりしないとても大人びた人だった。

そんな人が拷問の訓練なんて出来るんだろうかと思いながら訓練部屋に入るとそこは何となくひんやりとしていて、長居したくないと思わせる様な場所だった。

小さな窓が一つしかないその部屋はとても薄暗くて、いい天気な昼間なのにも関わらず暗い。

「柚木くん、洋服を脱いでそこの前に立ってくれる?」

「はい」

下着姿になり、指定された場所へ立つと、今から自分がされる状況が分かり緊張感が走る。

壁際にX字の磔があり、ガッチリと拘束出来る手枷や足枷。桜花先輩に言われて手を万歳にすると、丁寧に拘束された。足も肩幅よりも少し広げた状態で固定された。

「じゃあ今から訓練を始めます。何をされても情報は言わない様に」

磔台の後ろに少し空いたスペースがあり、そこへ回り込んだ先輩。耳元で「始めるね」と囁かれた瞬間にスルリと肌に指が這った。

「…」

優しく撫でられてもただ「触られてるな」くらいな感覚。背後からサワサワと脇腹を撫でられても少しだけくすぐったいなと思うレベル。

「ねぇ」
「!」

耳元で突如先輩の声が聞こえてビクッと体を反応させると、小さく笑った声が聞こえた。

「ここね、擽ったくない?」

脇腹を撫でていた指は腰回りへ下がったり、万歳して晒された脇へ移動したり。

「──ん」

そう言葉にされると少しだけさっきよりも擽ったいかもしれない。もじもじと体を捩ると、少し指の動きを早めた先輩。

「…っ、」
「さっきより体動いてきてるね。擽ったい?」
「ぁ…っ」

先輩らしい優しい指使い。プラス耳元で囁いてくるのが更に気持ちを焦らせる。

「こことか閉じれないから触り放題だよ」

スッと脇の窪みに入る指はクルクルと動き出すと小さく腕が揺れた。最初は全然我慢出来るレベルだった刺激が、少しずつ我慢出来ないものへ変わっていった。

「…ッ、ん……そ、そこ……ゃだ……」

小さく呟くと、更に集中して我慢出来ない箇所へと送られる刺激。ぎゅっと手の平を握り締めて堪えていると、先輩の指が下へと降りていった。

「君。まだ幼いけどこことかは自分で触った事あるの?」

下着の上からやんわりと股間を撫でられると、初めての他人からの刺激に頬が赤らんだ。

「可愛い。ここ恥ずかしい?」

人差し指で自身の形をなぞるように動くとカチャンと小さく拘束具が鳴った。恥ずかしさと絶妙な刺激に震えていると、先輩の指はどんどん大胆なものになっていった。

「少し大きくなってきてる気がするけど何で?知らない奴に触られて勃起する変態さん?──もしかしてわざと捕まりに来たの?」

「──ッ」

訓練の一貫なんだろうが、先輩の言葉にかなり羞恥を感じてしまい、俯くとやわやわと揉む先輩の手が見えて余計恥ずかしくなったのでぎゅっと目を固く閉じた。

「少しあったかくなってきたけど、中はどうなってるのかな?」

簡単に下着の中へ侵入した手は、直接俺の自身を撫で上げた。

「あっ──」
「へぇ、濡れてる。──俺に触られて感じたの?何処が一番感じるか探してあげるね」
「ん、ン…っ」

後ろから優しい手つきで自身を触る先輩の手。ゆっくりと握りながら上下に扱かれると涙が出そうになるくらいに恥ずかしくて気持ち良い。

根元と玉をやんわりと揉まれ、もう片方の手で先端を擽られた。

「ぁ、…ッ、そこ…やだ!やっ…め、…離して、せんぱ…っ」

「訓練だから今は"先輩"じゃないよ。次からはそう言わない様に気を付けてね?お仕置きするからね」

「ひぁっ!」

お仕置きと言わんばかりに爪で先端を弄られるとガクガクと足が震え出した。

「君はここが苦手なんだね。了解、じゃあ素直にさせるためにこれをプレゼントするよ」

下着をずらされると、ぽろんと飛び出た俺の自身。中途半端な格好が余計恥ずかしくて首を振ると、先輩は何かを準備し始めた。

「君は知らないだろうけど、気持ち良くする玩具ってたくさんあるんだよ。例えばここにこうやって付けて、スイッチを入れると──」

先輩は俺の竿を支えて固定しながら、すっぽりと先端部分を覆う役割を果たす玩具を装着した。

「!?──んッ、」

「先端だけを刺激してくれるんだよ?どうかな」

「は、外して…っ、外して…やだっ、」

ブルブルと震えて先端に刺激を送られると頭がジンジンするような変な感覚が襲う。

「や…っ、これやだ!やだ!外して…っ、ぁッ…」

「外してあげるには一つ条件があるんだけどさ。君の組織の名前を教えてくれない?その答えによっては外してあげてもいいよ」

「!」

「──どう?言えばすぐに楽にしてあげるよ。もし言わないならずっとこのままだよ?どうする?」

「い、言いません…」

「そう。了解…じゃあ少しの間、可愛がってもらってね?君の体じゃ、ここだけでイケる訳ないと思うからスッキリ出来ない苦しさを味わってね」

顔を見なくてもクスクスと笑う表情が目に浮かぶ。先輩は玩具のスイッチを強めると、俺に目隠しを施した。

「少ししたら様子見に来るからね」

そう告げた先輩は部屋を後にした。残された俺は真っ暗闇の中、先端だけに送られる刺激に耐えた。

「んん…っ、何だよ……これ、くそっ……」

腰を捩っても手足をバタつかせても位置すらも動かせない。敏感な箇所への一定の刺激が辛くて意味もなく暴れて気を紛らわせた。

「──っはぁ…うそ…やだぁ…」

ポカポカと熱が出た時の様な体の火照り。少しずつ体全体が過敏になってきたのが分かる。

「桜花先輩…っ、助けて…これ…きつい、やだぁ…っ」

傍に気配がないので居ないと思い込んで弱音を吐くと、クスッと笑う声が聞こえた。

「あ…っ、違…」

「居ないと思った?クネクネ動いてるのも可愛かったし、俺の名前呼ぶのも可愛かった」

「お、お仕置きやだ…っ」

「んー?どうしようかな。思いっきり俺の名前呼んでたから情報漏洩になって本当ならこの時点で失敗だけど一回だけ見逃してあげる」

足音が近付いてくると、先輩は再び俺の背後に移動した。その間もずっと先端に付けられた玩具は動いていたので足は震えたまま。

「その代わりお仕置きはちゃんと受けてね?──今、体さっきよりも敏感なんじゃない?ここ触ったらどう?」

「んんんッ!?」

「男でもここ感じる人多いよ。今みたいに敏感になってたら余計に」

乳首に触れない様に周りをなぞる指。たまにほんの一瞬だけ弾かれるとピリッとした快感が駆け抜ける。

「んぁ…っ!あっ……」

「少し膨らんできたね。簡単に摘めちゃう」

きゅっと指の腹で乳首を摘まれると、そのままゆっくりと捏ねられた。その瞬間に股間に熱が送られ、玩具の刺激がより強く感じられる。

「んん…っ、ん、ん、ぅ…ッ」

「気持ち良さそうだね」

「良くない…っ!やめて…っ、くださ…っい」

「ふぅん?こんなに乳首も硬くしておいて?下もびしゃびしゃじゃん。先っぽの部分に穴が空いてるけどそのから恥ずかしい汁が出てるよ?」

「~~…言わないで…っやだ、」

「…嫌なの?じゃあいっぱい言ってあげるよ」

目隠しをされて今の状況が見えなくても、体が明らかに気持ち良くなっているのは分かる。わざわざ指摘されるのが恥ずかしくて首を振った。

先輩は言葉通り、わざと指摘しながら指を動かし続けた。熱を発散させたくても上手く吐き出し方が分からず、どんどんと蓄積されて体が苦しい。

「や……やだっ、もう…だめ……っ」

「何がだめなの?」

「あ、熱い…っ、我慢出来ない…ですっ…玩具、取って…!」

「だーめ。いっぱい感度上げてからこことかいじめようと思ってるから」

「ひゃあっ!?」

乳首から指を離すと、さっきある程度我慢出来た脇腹を撫でられた。

「ちょ…っ!」

「凄い今体が跳ねたね」

「ひゃぁ……っ、ぁ…はっ…あは、やだっ」

「どうしたの?さっきは何とか我慢出来てたじゃない。この子のおかげかな?」

横腹を擽りながら、勃ち上がって触り易くなった裏筋を撫で上げた後、装着された玩具を軽く突かれた。

「ひあ!!…ま、てっ……んはぁ…!や、やばい…っ、」

「やばいの?ふぅん…もう少し先っぽに付けた玩具強くしようか。振動パターンも変えれるんだよ」

「ひゃぁぁ……!やめて…!やめてっ…だめ!ぁ、…ん、ッ、んん~~!!」

「可愛い。このままスッキリ出来ない刺激だけ与えられたら辛いでしょ?やめて欲しかったらどうしたらいいか分かるよね?」

「ひゃはは!!やめっ、…変なとこっ、触っ…ないで!!」

「変な所って何処?ここ?」

「ひゃはぁぁっ!!やぁぁっ……!」

ゆっくりと裏筋を撫で上げられ、下着からはみ出した玉も擽られた。横腹を撫でる手も止まってないので、目隠しに使われたタオルも涙でぐっしょりと濡れ始めた。

「ぁっ…!あ!やだ!やめっ…んんん、擽ったい、気持ちい…!変っ、になるから…やめて、やめっ…」

「変になるなら気持ち良いのはやめようか。ここさっき弱かったよね」

「!?──っっぁぁぁあ"!!」

股間から離れていった指は、両脇に添えられて全ての指で優しく擽ってきた。

「ひぁぁ…っ!!やめて!やめっ、擽ったい…離しっ、てっ、やだ!んひあ、ひははっ……」

「そんなに暴れたら恥ずかしい汁が飛び散るよ?床が濡れちゃってるよ」

「しらな…!んん!やだぁあははっ、──あッ、ゃはっ…ぁははは!ぁぁあっ、」

特に激しいことはされていない。先輩の指は終始優しい動き。そして玩具は敏感な場所に装着されているとは言え、痛みを伴う様な強さではない。それなのに我慢出来ない。

「やだぁぁあ!!やめて!!やだ!やっ、ぃあああ!ははははっ、ひっ、はぁっ、ぁぁぁっははははは」

「一回我慢出来なくなるともう無理でしょ?どうする?このままじゃ苦しくなるだけだよ」

「っああ!ぁはははは!!それッ、やめ"ッ」

「ずっと同じ動きじゃ体が慣れちゃうからね。たまにはこうやって突いてあげたり…激しく擽ってみたり…そうだなー、窪みを爪で優しく引っ掻いてあげたりもいいよね」

「やぁははははは!やめて!やぁあはははは!──っ、ひぁ!あはっ、や、だっ!やめ…ッ、~~!我慢出来ない!出来ないやめてぇぇっっ!!離して、お願いッ、もぉっ…もぉ無理、無理!無理だよっ、やぁぁぁ!」

「──じゃあ名前、教えてくれる?」

「ひぅ…っ、んん……」

耳元で優しく問いかけられると、頭がふわふわして口が開いてしまいそうになる。

「教えて?」

でも、これに失敗したら次は複数の先輩達に責められて全く同じ訓練が行われる。それなら絶対に今回で終わらさなければ。他の人にも自分の痴態を見せるのは嫌だ。

「言い、ませ…んっ、言わないぃ…けど、休ませてぇ……っ」

「ふふ、甘ったれたこと言わないで?そんなの無理に決まってるよね」

「ひァァぁああ!!」

「次は前から責めてあげるね。辛かったらいつでもお話ししていいからね」

真っ暗で見えないが、先輩が移動するために本当の一瞬だけ擽りが止まった。先端の玩具はいつまでも安定して動き続けているが、少しだけ慣れてきた。

「擽ってばかりで辛そうだから次はこういう刺激にしようね」

「!?」

前から声が聞こえると、耳にゾワリとした感覚が襲う。唾液の音を響いてきて初めて耳を舐められたことを理解した。

「~~!!ぁぁぁぁ……ッ」

口からは間抜けが声が漏れたが、先輩はゆっくりと耳を愛撫しながら、結局脇を擽ってきた。

「やはぁぁぁ……ぁ、あッ、」

「ここ擽ってもさっきより気持ち良さそうだね」

「ゃぁぁぁ……めてっ、お願、」

「どれだけ力を込めても、拘束は取れないよ?残念だったね。どうせ取れないんだから暴れない方が賢いよ」

それはそうだけど刺激が強すぎて体が勝手に暴れるんだよ。と、心の中で悪態を吐きながら耐えていると、耳を舐めていた唇が首筋へやってきた。

その瞬間、どの刺激よりも大きく反応した体。手足を繋ぐ拘束具も激しく音を立てると、先輩が小さく笑った声が聞こえた。

「凄い反応だね。首、苦手なの?」

「ぁ、あ"っ、──んぅぅぅ…ッふ、ぁぁ……やぁぁぁぁぁあ」

「──ふふ、可愛い。首も擽ったいよね。でもその反応は気持ち良い方が強いのかな?」

唇でムニムニと刺激され、カプリと甘噛みされると身体中が熱くなる。

(やばい、蕩ける…!)

「ひぁ……ぁ…」

「──可愛いね。いっぱい蕩けていいよ。気持ち良いしか考えられなくなって俺に堕ちてくれたら嬉しいな。そしたら君についていっぱい教えてもらうからね」

「や……だ、堕ちない…!絶対…っ、」

「そっか。中々頑張るね、って言いたい所だけどまだまだ俺も本気出してないしね。しかも時間も全然経ってないし。どれだけ君が頑張れるのか見せてね」

「!?──ッ、うぅ……」

「君は射精した事ある?今まではわざと焦らしてたけど、ちょっと快感地獄で与えてあげようね」

先端から漸く離れていった玩具。それが外されると、次は先輩の指が直接そこへ触れた。

「わぁ、ぬっるぬるだね。そこはローション要らずで楽だなぁ」

グチュ、と激しい水音が響くと少し強めに握られて上下された。今回は確実に追い詰める動かし方なので、体も早々にのけ反って暴れて悲鳴を上げた。

「ぁぁあア!い、くッ……出る!出るっ、んひゃぁぁぁ」

「いいよ?イッた後に続けて触られたらどうなるか教えてあげる」

ゆっくりと首筋を舐めながら手を早めた先輩に我慢なんて出来るはずもなく、俺は勢い良く吐精した。

「わぁ、イク時そんなにだらしない口になるんだね。次はどんなに切ない顔でイクのかな」

しゅるりと目元のタオルが取られると、暗い部屋だが少し眩しく感じられた。

先輩はいつもの表情とは全く違う、とても意地悪な笑みを浮かべていて。少しだけ別人に思えた。

「一回目は全部出たね。まだまだいっぱいイッてね?」

「ひゃあああ!?何…ッ、むりむりむりむりっ……今、触られたら…っ、俺、──ぃあああああああ!」

クチクチと敏感な先端を穿られ、目の前がチカチカすると再び足が震え出して身体中が限界を訴えた。

「い、ぁぁぁぁ!また、ッ……クル!イク…っ、やばい…だめ、っぁ"、ぁあ、あああぅぅ…ッんんん、~~~っ」

「凄いエッチな顔、目がトロトロになってるよ?そんな顔、敵の俺に見せていいの?もっといじめたくなっちゃう」

「せ、……っぱ、ぃ…ぃ……」

「先輩って言うのはダメだって言ったよね?」

「き、もちいぃ…っ、きもち、いッ……」

「顔見れば分かるよ」

「でも…っ、俺、何されても……絶対に、何も言わない……ッ、から、」

「うん。その為に今からもっと激しく責めるからね。あーあ、お口も凄いだらしなくなっちゃってさ」

「…んむぅっ」

未だに緩々と自身を扱かれているが、空いたもう片方の手の指を俺の口に突っ込んできた先輩。

「わぁ。あったか」

「ふぁぁ……」

「口の中にもたくさん気持ち良い所があるからね」

「んぅ……」

唾液の音を響かせながら、指は口内を弄った。蕩ける様な気持ち良さと、自身への刺激もプラスされめちゃくちゃ癒される。

「んむぅ…、ん、ん…」

「ここの少しザラザラしてる所、擽ったくて気持ち良くない?」

「きも…ちひ…ぃぃ、」

「ん、いい子だね」

優しい先輩の声は甘い媚薬のように心地良い。意識がふわふわして蕩けた頃、刺激は全て止まった。

「ねぇ、もっと気持ち良くしてほしい?」

「…して、ほしぃ……っもっとして…」

「いいよ。じゃあ何て言えばいいか分かる?」

じっと見つめる先輩の目は、先輩だけど違う。しっかりと訓練と分けている表情に、俺の意識は少しだけ持ち直した。

「──分かりません」

「そう。じゃあ気持ち良くしてあげないけどいいの?」

「ぁ……っ」

「もっと触って欲しいでしょ?」

緩々と扱かれると期待したように漏れる声。もっとして欲しい、気持ち良い。でもここで何か言えば二回目は見逃してくれないだろう。──先輩以外に触られたくない。

「……触って、欲しく、ない……ッ」

「ふふ、よく出来ました。まぁ情報さえ吐かなければおねだりしても問題ないけどね。逆に敵を欺けるかもしれないし」

「ん、んっ、…」

「少し触るだけでこんな甘い声出してるくらいだし、捕まったら心配だなー…って事で、次はもう二度と気持ち良い事してほしくないって思うほどに責めるね」

「ん、…責め、て…っ先輩なら、気持ちい…いっぱいしてほしい……」

優しい甘い刺激しか知らない無知な俺は、生理的に溢れた涙を流しながらそう強請った。


◇ ◆


「~~!ぅ"、ぅぅぅ──っ!!」

X字の磔台から解放された俺は、部屋の中央に置かれていた台の上に寝転ぶ様に指示をされた。

『あんまり激しくしたら足腰持たなくなるだろうし、立ち拘束は危ないからね』と言って大の字で台に拘束してくれた時までは優しい先輩だった。──のに。

俺の体には様々な玩具が装着された。

口には猿轡、乳首にはブルブルと振動する小さめのローターに、股間には自身全てを覆う筒のようなモノ。すっぽりと被せられると、竿を揉みしだく様な刺激に、先端には──。

「先っぽはこちょこちょしてくれるんだよ。結構キツくない?画期的なオナホがあったものだよ本当に」

(キツイに決まってる…!!何この玩具何処で売ってんの…)

言葉に出すことは出来ないのでコクコク頷きながらキツイと訴えても、先輩はニコニコしながら俺の暴れ狂う様子を眺めていた。

「んんんん~~~!!」

ドバッと勢い良く射精すると、少しだけ空いたオナホの穴から白濁液が飛び散った。

「これずっと付けてても問題ないように精液が溜まらないようになってるんだぁ。だからいっぱい扱いてもらいながら、先っぽは擽ってもらってね」

射精した直後にも動きは止まらないので俺の腰は思いっきり跳ねまくった。ガタガタ揺れる拘束台は頑丈に出来ているので全く体の位置を変えることは出来ない。

「泣いてる君にスペシャルサービス。いっぱい笑顔になれるように擽りターイム」

「ん!?っ、んっ、ん"んんんん!!」

楽しそうに笑いながら容赦なく肌を擽る先輩の指。飛び跳ねる体にも躊躇うことなく攻撃してきた。

「んんぐぅ"ぅぅぅぅッッ、──っ、ん、ン~~~!!」

「最初は何処にしようかな~」

トコトコと二つの指を脇腹に乗せると、階段を登るような動きで脇に近付いてきた。

「ん!!?っ、んんんん、ぅぅぅ!」

「はい、最初はここにしましょう」

「ん──!!っ、~~~!!」

「両方こちょこちょしようね…ってあれ、またイッたの?イッたら体が敏感になっちゃうから我慢した方がいいよ?」

無茶を言うなと叫びたいが、口からはくぐもった声しか出せない。そもそも口を塞がれたらリタイアも言えないので、かなりキツイ。

「はい、ここ引っ掻いてあげようね」

両脇の窪みに軽く爪を立てて優しく引っ掻かれるとあまりの擽ったさに背中がのけ反った。

(やばいこれはっ、無理だ!)

目を見開いてブンブン首を振ってリタイアを訴えても、先輩はニッコリと笑うだけ。

「あらら、辛そうだね。せっかく笑顔にさせてあげようと思ったのに。足りないのかな?じゃあ次はもっと擽ったくなる魔法のアイテムを使おうか」

「ふっ、ぅぅッ、ぅ…ん、」

「ジャジャーン。ローションです。知らないと思うから直接体に教えてあげる」

トロリと粘り気のある液体を俺の脇に垂らすと、馴染ませるようにグニグニと親指を突き立ててきた。

「ん──────ッッ!!」

「んー?どうしたのー?」

グリグリとマッサージするように脇を解す動きに耐えきれずに激しく悶えると、楽しそうに笑う先輩。擽ったすぎて笑えない程に苦しくて泣きながら暴れた。

「脇だけじゃなくて、ローション使うと何処も気持ち良くなるよ」

たっぷりとローションのついた手が脇腹に降りてくると、これもまた激しい擽ったさ。

そして定期的に玩具の振動が変わり、自身を揉む強さが変わるとそれにも反応してしまい再び絶頂した。

「殆ど出てないけどまたイッたの?だめだなー、少しは我慢しなきゃ」

「ぅっ、んっ、ンン、んっ、ん"」

「お腹も凄い力入ってる。力抜いて?」

ぬるりと手の平全体で腹部を撫でられ、たまに臍をツンと指で刺激されるとガクンと腰が跳ねた。

「お臍も震えてて可愛い」

追加でローションが臍に垂らされると、クチュクチュと人差し指が中をほじる様に侵入してきた。

じんわりと体が温かくなる臍への刺激は、擽ったかっただけの愛撫を和らげてくれた。

「んぅぅ……っ、んんん」

やらしい音を響かせながら臍の穴を掻き回されると、次第に意識は快感だけに向き始めた。

「また顔がトロンとしてきたね」

「ん……ぅ……」

何度も絶頂し、擽られて、体はもう限界で声もあまり出ない。猿轡の所為で飲み込めていない唾液がダラダラとこぼれ落ちた。

「ふふ。じゃあ可愛い君に特別サービス。──疲れ切った体を癒してくれるお薬を投入します」

「…?」

先輩が玩具の動きを止めると、次に向かったのは尻。一瞬だけやばいと思ったが、もう抵抗する力もない。残ってたとしても拘束具があるので無駄に疲れるだけだろう。

ツプリと尻に何かが挿入されると、少しの違和感があったが坐薬を入れられる時と同じ様な感覚。

「お薬注入していくね」

中に投入された薬は、一体どんな効果があるのか分からないが、今以上に追い詰められるのは理解出来た。

(これが訓練なんだ)

優しい先輩がどんな風に責めてくるのか想像つかなかったが、中々鬼畜なモノだった。

「さてお薬が効いてきたら玩具のスイッチ入れるね」

ちゅぽんと尻から薬が抜けると、次は先輩の指が入ってきた。薬とローションの滑りのおかげで難なく受け入れた体。

「んん…っんん…っ」

「中凄い熱いね。これからもっと熱くなるだろうけど耐えれるかな?後で口、外してあげるから遠慮なく自分の名前言ってね」

クチュクチュと中で動く指が気持ち悪くて尻を動かすと、クイッと指が曲げられた。

「──?」

一瞬変な感覚がして先輩を見ると、ニコッと微笑んで集中して同じ場所だけを刺激する。

最初は『他と少し感覚が違うな』と思っただけだったが、身体中が熱くなり、火照り出した頃には『結構気持ちいかも』と思うレベルになった。

「お薬効いてきたから、こっちの玩具は再開ね」

乳首と自身に挿入された玩具が動き出すと、思いっきり体に力が入り指を締め付けた。

熱すぎる体は、さっきと感じ方が全く違う。これが薬の効果なのはすぐ理解出来た。

(薬の所為だと分かってても無理だ…なんだこの感じ…っ)

体が制御出来なくて、自分でも分からないタイミングで絶頂すると、先輩はその様子を見てクスクスと笑っていた。

「あーあ、イッちゃったね。早いなぁ」

「~~ッッ!!」

絶頂したタイミングでグニっと中の指を動かされると目の前がチカチカと光った気がした。

「中でも随分感じれるようになったね。ここは男でも感じる場所だよ。奥にもあるみたいだけど、君はこっちで感じれる様になるだけで十分だね」

「──~~ッッ、──ぅぅぅ…っ、」

動く指に止まらない玩具。何度も耐えきれずに絶頂してもう何も吐き出されることがなくなった頃に、猿轡は外された。

「そろそろいいかな」

「ぅ…ぁ………ぁ、」

ついには止まらなくなった絶頂。何度イッてもイッても、体がバカになったのか、最高潮の快感が襲いまくる。

「ふふ、イキすぎだよ。体ビックビクだね。じゃあ仕上げにしようか」

最後に見せつけられたのは細い棒状のモノ。さっきまで指を受け入れていた後孔に当てがわれた。

「ひ……ぁぁぁ……もぉ、…やぁぁ…」

か弱い声が響くと、先輩はさっきまで俺が感じまくった一箇所に玩具をセットした。

「ここが君のいいところだよ。指よりかは感じないかもしれないけど、今の体には十分だよね」

「ひッ、──~~っつ、ぅぅぅぁぁ、はっ、──ぁっ、ぁぁぁ、あ、ぁ、んッ」

中でピンポイントに動く玩具に、自身を揉みしだいて先端を擽る玩具。その二つが強くてあまり効果がないけれど、動き続ける乳首の玩具。

全てを玩具に任せ、両手が空いた先輩がやってきたのは俺の頭上。ニッコリと笑いながら見下ろすと、首筋に指を添えられた。

「ゃぁぁ……くび…やらぁ、やっ、ぁぁ……!」

「もう上手く呂律が回ってないよ?目もトロトロだし…」

コショコショと動く指が堪らなく気持ち良くて体が跳ねると、先輩は最後に問いかけた。

「名前、教えてくれるかな?」

勿論ここまで耐えた俺の答えは一つ。

「──言う、わけ…ねーだろ、ッ」

「そう。ここまでかなり激しくしてきたけどまだそんな言葉が吐けるんだ。でも残念。君がどれだけ頑張っても、時間はまだまだあるんだよ。最後の最後に負けない様に祈ってるよ」

初めて聞く先輩の黒い声に反抗出来る気力もない。まだ恐らく時間は大して経っていないだろうけど、絶対に言わない。もうこんなキツイ攻め、二度と受けたくない。

心の奥底にそれだけを思い続けて、俺は残りの時間も懸命に耐え続けた。


◇ ◆


「お疲れ様」

48時間。俺にとってはあり得ないほどの長い時間は、漸く終わった。

全身は汗だくで、もう喋る気力もない。あの後何度も薬を投入されて枯れるまで全てを吐き出す事になったが、俺はなんとか耐え切った。

「正直、今後任務に就かせたくないからクリアさせたくなったけどよく頑張ったね」

「……先輩、…以外に…責められたく、なかったから…」

「そうだよね。俺も当時担当してくれた先輩にしか自分の痴態なんて見せたくなったし気持ちは良く分かる。七彩くんも耐えたみたいだし、これから命令されたら君達も任務に出なきゃならないけど気を付けるんだよ。じゃあ体は綺麗にしたけど、動ける様になったら好きにしてね。俺は上司に報告してくるから」

ポンポンと先輩は俺の頭を撫でると、そのまま訓練部屋を後にした。几帳面な先輩らしく、めちゃくちゃ綺麗になった体は、未だに動くのは一苦労。

暫くぼんやりしていると、遠慮気味に扉が開いた。

「柚木ぃ……終わったって聞いたから来たぁ…」

中に入って来たのは俺と同じくらい弱々しい七彩だった。

「七彩もお疲れ。大丈夫?」

「じゃないぃ…キツかったぁぁ。歩ける?お風呂でゆっくり喋りたいぃ…」

「ん、俺ももうなんとか歩けるから行こうか」

二人で重たい体を引き摺りながら風呂場へ行き、お互い体を洗う手伝いをしながら綺麗さっぱり汗を洗い流した。

湯船に浸かると心に沁み渡る気持ち良さ。七彩も幸せそうな顔で浸かっているので見ていると何だがほっこりした。

「先輩めちゃくちゃ厳しかったね」

「うんうん。まぁそうしないとその人のためにならないって言われたらその通りだと思ったよー」

「──けど俺、先輩達と同じ立場になった時、厳しく出来るかな」

「俺も出来るか分かんないけど、後輩が出来たらその子のために頑張る。どうしても柚木が厳しくなりきれないなら、俺が柚木の分も鬼になるからさぁ。柚木が鬼になった時は俺がちょっと優しくするし、二人で調整しながら頑張ってこうよー」

「うん、そうだな」

「えへへ。とりあえず、お互い訓練完了を祝ってー…明日は甘いもの食べに行こ!お休みしていいってさー!」

「うん、行こ行こ。──七彩、これからも宜しくな」

「うん!こちらこそ宜しくー。ずっと二人で支え合っていこーぜぃー」

ニコニコ笑う七彩に癒されながら、明日のことを話しながらゆっくりと体を休めた。

end.
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