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7.大切な質問

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2日後、探してくれたお店の最寄駅で待ち合わせする日時の連絡がきた。

翌日、彼の行きつけの地元の店が突然閉店になることになり、
ショックを受けてるというラインがきた。
さちこは励まそうとヘタウマの落書きをした写真があったのでそれを送った。

「特別にとっておきの気分転換を君に授けよう。笑えた?」
「でた!!わおう。」

というメッセージとともに唾を吐くスタンプが返ってきた。
その人間性にドン引きだった。

「でも、ありがとう。」
「唾吐かれた。。。ショック!」
「こんな唾吐くスタンプないんで、何気なく気に入ってます。」
(そういう問題じゃないよね。ここで使うスタンプではない。)

「いやいや、唾吐かれた後で何言われてもあかんわ。
お気に入りの自画像やったのに。笑」
「まじ?もうちょっとグラマラスだったらさつきみどりみたいで反応大ね。」
(こいつとは笑いのツボがやっぱ合わねえな。)

「色っぽいやろ?貧乳やで。笑」
「貧乳でレーズンつけとる。」
「嫌いか?」
「ええでええで。」
「不満そうやな。笑 ウタ男くんはボインが好きなんやな。」
「そんなことないで。」
「この間は図星やな。笑」
<そんなバナナ>のスタンプがきた。

これはもうやりたいとは思わないが、統計学として、
あの質問を投げかける千載一遇のチャンスとしか思えなかった。

「ウタ男君のバナナは剥けてるん?」
「それは直接確認してくださいよ~。」
「そー言う奴は剥けてないな。」

意味深な表情をした犬のスタンプ

「図星やな。笑」
「裏の裏をかく高度な心理戦。」
(いやいや、もうカセイ人の反応丸出しで、全然心理戦になってないし。
そーいうめんどくさいことほざく奴 興味ないし。)

「いや、絶対剥けてへんわ。」
「果たしてウタ男のバナナは剥けているの否か。乞うご期待!!!」
(まだ言うかあ?だからカセイ人に期待もなにもないって。)

「だから剥けてへんって。期待できへんわ。笑」
「標準的な日本人ですから。笑」
(うん、標準的な日本人=カセイ人)

「7割の人がね。」
「ちょっとちょっと~乙女に何言わせてんのさ~
この辱めは高くつくからね。覚えてやがれい。」
(???ここまで意味不明にごまかすということは絶対カセイ人確定!)

「おかげで飲み屋を失う悲しさが薄れました。ありがとう。」
(あ、話変えよった。)

「元気になってよかったね。」
(私は剥け男の期待が薄れたけど。。。)

翌日、
「昨日のやり取りを見返して、
剥けてる剥けてないって40超えた大人のやり取りかなと。ウケる。
多分、ウタ男はむけてるな。
以上むけてます速報でした。」
(ここまで必死でフォローしてくること自体怪しい。
ってか、フォローすればするほど剥けてませんって言ってるようなもの。
剥けてる人は「うん。」の一言で終わるものよ。)

ますます彼はカセイ人だと確信した。
とりあえず<確認します>スタンプを送った。
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