【R18】義姉に婚約者を奪われた私は、冷酷無慈悲だと噂の公爵に娶られました~元騎士団長の初心で一途な溺愛は、時々エッチ~

弓はあと

文字の大きさ
7 / 16

尻を叩きながら、メス豚とおっしゃって

しおりを挟む


「それとゴーシュタイン様、閨の場での『ダメ』という言葉は、『すごく良いからもっとして欲しい』という意味になります。そのため私は、ゴーシュタイン様がダメだとおっしゃった時に行為を続けました。注意事項を先にお伝えできておらず申し訳ございません」

 浮気現場を見学していた時にマクリ様が口角を片方上げた表情で腰を振りながら「ダメじゃなくて、すごくイイもっとして欲しい、だろ?」と何度も言っていたのを思い出す。

「ふむ、分かった。閨の場でダメだと言うのは、もっとしてという意味なのだな。肝に銘じておく」

 ゴーシュタイン様は真剣な表情で、私が教えた内容を復唱し学ぼうとしてくれた。
 話した事を理解しようとしてもらえる事が、こんなに嬉しいなんて。
 今やっと気付いた、私は悲しかったのだ。
 領民のためだと思ってフテイシ伯爵領の運営について話しても、父も義母も義姉もマクリ様もまともに聞いてくれなかった事が。

「メスフィルール、俺の方から貴女にしてあげられる事があるなら教えてほしい」

 ゴーシュタイン様は私の言葉に耳を傾け聞こうとしてくれる。
 それならば私も、学んだ知識をしっかりとお伝えできるように努めなければ。

 ベッドに胸をつけてうつ伏せになりお尻の位置だけ高く上げ、ピラ、と夜着の裾を捲る。
 下着はつけていないから直にお尻が空気に触れて、ほんの少しだけひんやりとした。
 んグッ、と喉を詰まらせたようなゴーシュタイン様の咳が聞こえたけれど、うつ伏せの体勢からだと咳き込んでいる表情は見えない。

「ゴーシュタイン様、私のお尻を叩きながら私の事を『メス豚』とおっしゃってください」
「尻を叩きながら……、メス豚、と……?」

 表情は見えないけれど、ゴーシュタイン様の戸惑ったような呟きが聞こえてくる。
 今まで知らなかった事を急にたくさん学ばなければいけないのだもの、戸惑ってしまうのも無理もない。

「はい、私はゴーシュタイン様の事を『ご主人様』と呼びます。そう呼び合いながら男性が叩いて肌に赤い痕を所有印としてつける事は、女性へのご褒美になるようなのです」

 浮気現場を見学していた時、マクリ様は『メス豚、お前は誰のものだ?』と聞き『ご主人様のものです』という返事に満足したような表情を浮かべて『いい子だ。そら、僕のものだと分かるご褒美をやろう』と言いながらペシンッペシンッと勢いよく叩いていたのを思い出す。

「そうか……だが騎士団長の経験もある俺が叩いたりしたら、メスフィルールの尻の骨が折れてしまうかもしれない。こんな感じで、どうだ?」

 そっと触れるように、ゴーシュタイン様の大きな手が私のお尻へ当たる。

「少し弱すぎる気もしますが……私も実際には叩かれた事が無いのでどのくらいが正解か分かりません。ご褒美になる強さについては徐々に調整していきましょう、最初は今の感じでお願いします」

「分かった。それと呼び方だが、俺は日頃訓練していることが咄嗟の時に出てしまうから、閨で呼んでいると人前でもメスフィルールの事を『メス豚』と呼んでしまうおそれがある。最初の二音が同じだからメスフィと、普段も閨でもメスフィルールの名前の一部で呼ぶのはどうだろう?」

「承知いたしました。では私も、人前で間違えても差し支えないようにゴーシュ様とお呼びするのはどうでしょう? それならご主人様と音が似ていますし」

「ああ、そう呼んでくれ、メスフィ」

 メスフィと私を呼ぶゴーシュ様の低い声が、不思議と甘く感じられる。
 名前を呼ばれ大きな手がペタ……とお尻に触れるたび、お腹の奥がゾクリと震えた。
 なんだかもどかしくて、身体が疼く。いっその事もっとしっかりと触れて欲しい。
 
「……ゴーシュ、さまぁ……」
「すまない、痛かったか?」
「痛くは無いのですが、お腹のあたりがムズムズします……」
「そうか、俺も腹のあたりがムズムズ……いや違うな、下腹部がムラムラする」

 私のお尻に触れていた手の動きが止まり、ゴーシュ様は私の隣にごろんと寝そべった。

「ゴーシュ様?」
「俺の硬い尻とは違う尻のやわらかさが男の本能を刺激するのかもしれない。これ以上ムラムラするとメスフィにご褒美をあげられず素振りをしに行かねばならなくなりそうだから叩くのは背中にしてもいいだろうか?」
「はい、では背中を叩いて、ゴーシュ様のものだという赤い所有印をつけてください」

 ゴーシュ様の大きな手が優しく、私の背中をトン……トン……と叩く。
 この、感じは……。
 幼い頃、寝る時に実母が私の背を優しく叩いてくれた時のリズムに似ている気がする。
 なんだかすごく、安心して……

「……ごーしゅさま……ん……ねむ……ぃ……」
「ん、眠いのかメスフィ? 今日は結婚式で疲れただろう。眠いなら寝てしまえばいい」

 その夜の記憶はそこで終わり、私が朝起きた時にゴーシュ様はベッドにいなかった。
 ひとりきりのベッドはすごく広く感じてしまい、寂しくて胸が切ない。

 部屋へ朝食を運んでくれた侍女の方にゴーシュ様の居場所を聞いてみると「早朝から剣の素振りを三千回ほどしたあと、騎士団の訓練場へ行くとおっしゃって出発なさったようですよ。執事長が言っていました」と教えてくれた。






しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。 そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。 相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。 トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。 あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。 ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。 そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが… 追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。 今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...