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を(お)まけの話が始まります
しおりを挟む※を(お)まけの話はBL小説大賞というお祭りを読者様により楽しんでいただけたらという思いから、他の拙作とコラボしています。
そのためBL小説大賞終了後は削除させていただく可能性が高いです。
大変申し訳ございませんが、前触れなく削除の可能性があること予めお含みおきくださいませ。
でも話が中途半端な所で消す事はしませんので、その点はご安心ください。亀更新なのはごめんなさい……
ちなみにコラボキャラとのBL展開はありません。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日は城内が全体的にソワソワしている感じがする。
特にクラウド様とレイン様は忙しそうだ。
「今度フレイツファルジュ王国からお客様がいらっしゃることになったの。警備を万全にして迎えなければならないから、ふたりはしばらく忙しいでしょうね」
ミチェーリ様のお世話をしている時に、ネージュ様が教えてくれた。
「フレイツファルジュ王国……ですか」
国名を聞いてもピンとこなかった。
この国には接していないし、交流があるとも聞いたことがない。
「そう、王太子殿下と妃殿下がいらっしゃるのよ。おふたりとも私と年が近いみたいだから、お会いできるのが楽しみだわ」
「そのご様子だと会うのは初めてで、今までにお付き合いがあったわけではなさそうですね」
なぜ突然、フレイツファルジュ王国の王太子ご夫妻がこの国を訪問する事になったのだろう……。
僕の疑問が顔に出ていたのかもしれない。
ネージュ様がその疑問に答えてくれた。
「私が生まれ育った国がグロウドリックという国と交流があって王家とも縁があるのだけれど、最近そのグロウドリック王国が隣国のフレイツファルジュ王国と親密な関係にあるみたいでね」
「友達の友達の友達……みたいな感じですね」
ふふ、と可憐にネージュ様が笑った。
「そうね、そのご縁でグロウドリック王国の王弟殿下が、間をとりもってくださったの」
フレイツファルジュ王国の話をしている時のネージュ様はすごく楽しそう。
隣国からこの国に嫁いできたネージュ様は、周りに知り合いが多いわけじゃない。
フレイツファルジュ王国の王太子ご夫妻が、特に王太子妃殿下がいい人でネージュ様と仲良くなってくれるといいなぁ。
クラウド様とレイン様は、ネージュ様がおっしゃった通り多忙な日々を過ごすようになった。
夜、寝室で一緒に寝る時も、クラウド様は僕の頭を優しく撫でて、レイン様は僕をぎゅッと抱きしめて寝るくらいでそれ以上の愛撫は無い。
正直、少し寂しい。
でもクラウド様とレイン様が大変な時期だから、寂しくて物足りないのは我慢しないと。
クラウド様とレイン様のようには無理でも、僕がこの国のためにできる事はないだろうか。
僕はネージュ様の許可をもらって、休みの日は自分の出身の所に限らず孤児院を訪問しその環境改善に取り組んだ。
そんな風に毎日が過ぎ、とうとうその日がやってきた。
クラウド様とレイン様が準備に万全を期したおかげだろう。
滞りなく無事にフレイツファルジュ王国ご一行を迎えることができた。
そして今、僕は心臓が壊れそうなくらいバクバクしている。
恐れ多い事に、ご一行をもてなす茶会の席にミチェーリ様のお世話係として同席することになったから。
金髪碧眼の王太子ラッドレン殿下は王族特有のオーラがあり、甘く微笑んだその表情は言葉では言い尽くせないほど美しい。
隣に座る亜麻色の髪と瞳のミーネ妃殿下も、とても可愛らしくて魅力のある方だ。
それに……
ラッドレン殿下とは違うタイプの美しさだけれど。
名前を紹介されていた宰相と護衛騎士の男性も、かなり眉目秀麗だ。
ふたりとも、クラウド様とレイン様より若そう。
もしかして二十歳の僕と同い年くらいかな。
宰相の……確かタジェロン様とおっしゃった方は、クラウド様と同じ銀色の髪がよく似合っている。
ただクラウド様よりも少し冷たそうな印象を受けるのは、タジェロン様が銀縁の眼鏡をかけていて切れ長の目のせいだろうか。
だけど会話の合い間に時々見せる、ふ、と微笑む笑顔はなんとも優しい。ずっと笑っていればいいのに。
護衛騎士の男性は、燃え盛る炎のような赤い髪。
背が高い、けど、レイン様の方がもう少し高いかな。
精悍な顔つきだ、王太子殿下の護衛をしているくらいだからきっとすごく強いんだろうなぁ。
名前は、ネイ……あれ、なんだっけ。
直接話をする機会は無いと思うけど、万が一にも失礼の無いように後で誰かに確認しておいた方がいいかも。
ラッドレン殿下にはミーネ妃殿下がいらっしゃるからもちろん結婚しているけれど。
タジェロン様と護衛騎士の男性はどうなんだろう、結婚してるのかな。
結婚はしていなくても、おそらく恋人はいるだろう。かなりモテそうだもの。
ぁ、でも、モテるからあえて恋人を作らないっていうケースもあるか……。
ん……待てよ……もしかしたらネージュ様が好きな物語のように、宰相と護衛騎士の男性が恋仲という可能性もあるかもしれない。
そうだったらネージュ様、目をキラキラさせて喜ぶだろうな……。
こんな事を考えながらフレイツファルジュ王国の人たちをポーッと眺めていたから僕は気付かなかったんだ。
その時クラウド様とレイン様が、心配そうな視線で僕を見つめていたことに。
応援ありがとうございます!
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みんなの感想(13件)
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ヒューイちゃんだったのね。(´•ω•̥`)
勘違いだけど、絆が深まったね。
(*´σω・、)ホロリ
ぱら様
いつも感想をくださり、本当にありがとうございます!
勘違いだったけど絆は深まりました☆彡
次回は、ざまぁ要素ありの展開になる予定です♪
本日、最新話を拝読しました。
え……!?
う、うそ、ですよね……!?
エントリー、おめでとうございます……!
少し遅くなってしまいましたが、本日投票させていただきました。もちろん、お知り合いだからではなく、内容が好きだからです……!
柚木ゆず様
ふゎぁあああッ、拙作のために貴重な一票を使ってくださり本当にありがとうございます!!
すごく励みになりました♪
こちらの話も読んでもらえて、しかも感想までいただけて感謝の気持ちでいっぱいです♪♪
嘘ですよね?!。゚(•ㅁ•`;;≡;;´•ㅁ•)゚。
ぱら様
今回も感想をくださり本当にありがとうございます!
嘘ですよね、な展開で申し訳ありませんっっ
なるべく早く次話を更新できるようにがんばります、読んでいただけると嬉しいです☆彡