30 / 45
本当に
しおりを挟むクラウド様が眉を寄せ、心配そうに僕の顔を覗き込んできた。
「もしかしてデュオン、また怪我をさせられたりしている? だから隠したいのかな?」
「なんだと、さっき脱がせた時は気付かなかったが。デュオ、フォッグから何かされてたのか? 気付かなくてすまない、身体をよく見せてくれ」
僕を気遣うふたりの様子に、慌てて首を横へ振って否定する。
「ち、違います。怪我なんてしていませんっ」
「本当に? それならタオルをどけて身体を見せて、デュオン」
おずおずとタオルを身体から離して肌を晒すと、僕の背中をレイン様が、前側をクラウド様がじっくりと眺め始めた。
「新たな傷は無さそうだな」
「そうだね。デュオン、本当に痛い所は無い?」
コクリと頷くと、クラウド様は安心したようにホッと小さく息を吐いた。
そうか、ふたりは僕の身体が貧相で平凡以下でも、そんな事は気にしないんだ。
僕の身体が無事かどうか、そういった事だけを心配してくれている……。
ふたりの優しさに、鼻の奥の方がツンとして涙が出そうになった。
でも……
「ひァ、はぅぅ……ッ」
新たな刺激で身体が驚いて、出そうになっていた涙は引っ込み代わりに情けない声が口から零れてしまう。
ふふ、と僕の目の前でクラウド様が悪戯っぽく微笑んだ。
僕の股間を、優しく優しく撫でながら。
「私たちに見られているだけで興奮しちゃったのかな、デュオンのココは。それともこんな風に大きくなってしまったのは、レインとキスをしていた時から?」
「っ、はぅン……んッァア……」
クラウド様の手の動きが激しくなってきたので、股間を隠すために手をソコへ伸ばす。
そうしたらクラウド様にパッと両手首を掴まれて、上に持ち上げられた。
まるで万歳をしているみたいに。
「レイン、デュオンの手を持ってて」
はぁ、と背後から大きなため息が聞こえた。
「ほら、デュオ。俺と手をつなごう。一度クラウドに気持ちよくしてもらえば、楽になるから。クラウド、あんまりデュオを虐めるなよ」
同じ部屋で一緒に寝るようになって、分かったことがある。
クラウド様はすごく優しいのに、ほんの少ーしだけ意地悪だ。
そしてレイン様は剛健だけど、もの凄く繊細で気遣いをしてくれる。
クラウド様は左手を僕の膝裏へ添え思いきり脚を開かせると、もう一方の手で僕の陰茎を扱いた。
僕は降参、といった感じで手を上げた位置で、うしろに座っているレイン様と手をつながれている。
両手と右脚を拘束され与えられる快楽から逃れる事もできず、ただ翻弄されて喘ぎ続ける事しかできない。
「ぁ、ぁ、はぅッ……ん、んン、ぁああッ!」
クラウド様の手で導かれあっという間に白濁液を吐き出した僕は、うしろにいるレイン様にぐったりと寄りかかってしまった。
僕は椅子に座っているレイン様の膝の上にのせられ、わしゃわしゃと髪を洗われている。
レイン様が髪を洗ってくれている間に、クラウド様が背中と股間以外の場所を洗ってくれた。
背中を洗うため、正面から向き合うようにしてレイン様の脚に跨って座る。
クラウド様が、僕の背中を洗ってくれた。
「今日はここも、しっかりと洗おうか」
「ひぅッ!?」
クラウド様の指で軽く撫でられただけで、身体をビクッと大きく震わせてしまった。
触られた場所が、後孔のすぐそばという敏感な場所だったから。
「クラウド、そこは俺が洗う。場所を変われ」
「昨日の夜レインはここに指を挿れていただろう? 今日は私の番だよ」
「しかしさっきからクラウドばかりデュオの身体に触れていて、ズルくないか?」
んー、と声が聞こえたので首だけそちらへ向けると、クラウド様が顎に手をあて、何か考えていた。
「それなら私が指を挿れている時に、レインがデュオンにキスしながら前を扱いてあげたらいいんじゃないかな。そうすればレインも満足だろうし、デュオンも痛みを紛らわす事ができる」
「わかった、俺がデュオの痛みを和らげてやる」
「ぇ、ほん……ム、んンッ」
本当にそこも洗うのですか、と聞こうとした言葉はレイン様の口づけに吞み込まれてしまった。
僕の後孔に何か――おそらくクラウド様の指が触れ、ビクッと身体が大きく揺れる。
59
あなたにおすすめの小説
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
弟勇者と保護した魔王に狙われているので家出します。
あじ/Jio
BL
父親に殴られた時、俺は前世を思い出した。
だが、前世を思い出したところで、俺が腹違いの弟を嫌うことに変わりはない。
よくある漫画や小説のように、断罪されるのを回避するために、弟と仲良くする気は毛頭なかった。
弟は600年の眠りから醒めた魔王を退治する英雄だ。
そして俺は、そんな弟に嫉妬して何かと邪魔をしようとするモブ悪役。
どうせ互いに相容れない存在だと、大嫌いな弟から離れて辺境の地で過ごしていた幼少期。
俺は眠りから醒めたばかりの魔王を見つけた。
そして時が過ぎた今、なぜか弟と魔王に執着されてケツ穴を狙われている。
◎1話完結型になります
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
溺愛の加速が尋常じゃない!?~味方作りに全振りしたら兄たちに溺愛されました~
液体猫(299)
BL
毎日AM2時10分投稿
【《血の繋がりは"絶対"ではない。》この言葉を胸に、末っ子クリスは過保護な兄たちに溺愛されながら、大好きな四男と幸せに暮らす】
アルバディア王国の第五皇子クリスが目を覚ましたとき、九年前へと戻っていた。
巻き戻す前の世界とは異なるけれど同じ場所で、クリスは生き残るために知恵を振り絞る。
かわいい末っ子が過剰なまでにかわいがられて溺愛されていく──
やり直しもほどほどに。罪を着せた者への復讐はついで。そんな軽い気持ちで始まった新たな人生はコミカル&シリアス。だけどほのぼのとしたハッピーエンド確定物語。
主人公は後に18歳へと成長します(*・ω・)*_ _)ペコリ
⚠️濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭のみ重い展開あり。それ以降はコミカルでほのぼの✌
⚠️本格的な塗れ場シーンは三章(18歳になって)からとなります。
⚠️若干の謎解き要素を含んでいますが、オマケ程度です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる