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16.つい最近冒険者ギルドで起きた事件
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「良かったな。これなら買い物の時間が増えるぞ」
「あら、本当に空いているわね。煩い奴らもいないし良かったわ。もしうちの可愛いアーベルとおチビさんに絡んでくるようなら、ここから出て行ってもらおうと思っていたのよ」
「おい、この前ドアの修理代を払ったばかりなんだぞ」
「分かっているわよ、だから今度はドアを壊さないように、ドアからは丁寧に出して、外で説明して、アーベル達が登録を終わらせるまで、待っていてもらおうと思っていたのよ」
「丁寧に? 待っていて?」
パパが嫌そうな顔をして先に中へ進み始めて、ママはある方向を確認しながら中へ。僕はそんなママの洋服を掴んで中へ。
今パパが言ったのは、1ヶ月前のこと。ちょうど僕もその時、一緒に冒険者ギルドへ来ていたんだけど……。
実は冒険者ギルドに中には、食堂がついている。色々な依頼や個人の活動から戻ってきた冒険者達が、ゆっくりご飯を食べながら、情報交換ができるようにだ。
もちろんギルドじゃなくて、別のお店に行けば良い話だけど、疲れて帰ってきている冒険者達も多いからね。すぐにゆっくりご飯を食べられるようにって、食堂がついているんだよ。
ただ、この食堂。今言った通り、『ゆっくり』っていうのが1番の目的で。この食堂ではお酒も提供されているんだけど。お酒を飲むことが大好きな人が多い冒険者。もちろん飲まない人もいるけれど。
そのお酒大好きな人達が、もう仕事が終わっている状態で、大好きなお酒を飲めばね。本や映画みたいに、飲み過ぎて酔って、盛り上がりすぎる人達も出てくるわけで。
今日は空いていて珍しいって言ったけど、酔っ払いがいないのも珍しいんだよ。そう、1ヶ月前の時は、酔っ払いがわんさか。そんな酔っ払いが、なぜか僕に絡んできて。
最初はパパが、あんまり大きな揉め事にならないようにって、その酔っ払い達を食堂に戻そうとしたんだけど。
それが気に入らなかった酔っ払いの1人が、僕にビールを引っ掛けてきたんだよ。ママが急いで魔法で守ってくれたから、僕は大丈夫だったんだけど。またそれも気に入らなくて、更に絡んできた冒険者達にママがキレたんだ。
基本冒険者ギルドの職員は、ギルド内の揉め事にはノータッチ。ただ、あまりにも理不尽なことで、まだまだ対応を上手くできない、新人冒険者なんかが絡まれた場合は、手を貸してくれるし。子供が関係している時は、すぐに間に入ってくれる。
くれるんだけど、なぜかこの時は、ギルドの職員は僕達を無視して、通常業務をしていたんだよ。それで何で来てくれないの? 早く来てって思っていた僕。でも結局職員の人が来てくれる前に、ママが解決してくれたんだ。
バキッ!! バキバキバキバキッ!! ガガガガガッ!! バーンッ!! バキバキバキッ!!
凄い音がしたと思ったら、絡んできた3人の冒険者が、僕の前から消えていた。その代わり見えたのは、ドアのなくなった出入り口で、外が完璧に見えていたんだ。
ゆっくりとドアに近づいていくママ。その後ろを付いて行く、パパと手を繋いでいる僕。その時、状況が分かっていなかった僕に、パパが教えてくれたのは。ママが冒険者達を吹っ飛ばしたから入り口のドアが壊れたって事で。
え? と思いながら外へ出て行ったママの後。壊れた出入り口から外を覗けば。パパが言っていた、ママが吹っ飛ばしたはずの冒険者が1人もいなくて。もしかして逃げちゃった? でもママはまっすぐ歩いて行ってるし。
パパに、冒険者が逃げちゃった? ママはなんでまっすぐ歩いているの? って聞いた僕。その時パパが言ったのは。
「ああ、良かった。通行人に被害がなくて」
でした。それから僕と一緒にギルドを出て、ママが進んだ方へ、ギルドからまっすぐ進むと。ママが入って行ったのは商業ギルド。そしてよく見れば、商業ギルドのドアも完璧に壊れていて。
少し進んで止まったパパ。その時商業ギルドの中から、何かが飛んで出てきました。なんと出てきたのは、僕に絡んでママに吹っ飛ばされた冒険者達。みんな体を丸めて痛がってい立てないみたいで。
そんな中、またゆっくりと商業ギルドから出て来たママ。そうして冒険者達の前に来ると、あれだけ痛がっていたのに、ビクッと震えて固まる冒険者達。
「良いかしら、お酒を飲むのは別に構わないわ。仕事終わりのお酒は美味しいものね。でもそれで酔っ払って、人に絡むのはダメよ。それが私の可愛い子なら尚更ね」
「お、お前、何者だ!」
「俺達を誰だと思ってやがる!」
「こんなことして、どうなるか分かって……」
ママに吹っ飛ばされて倒れているのに、しかも固まっているのに、それでも突っかかる冒険者達。でもママが3人の近くに寄って、僕に聞こえない声で何かを言ったら、すぐに冒険者達の顔色が変わって。
怒っているのとお酒で顔は赤かったのに、真っ青になったんだよ、それで今度は凄い勢いで謝り始めたんだ。
「す、すみませんでした!!」
「ゆ、許してください!!」
「もう、絡むなんて馬鹿なことしません!!」
他にも色々謝罪の言葉を言ってさ。それでママが、もうしちゃダメよって言うと、冒険者達は無理やり体を起こして、フラフラしながら逃げて行ったんだ。
それからだよ、問題だったのは。ママが僕を守るために、冒険者達を吹っ飛ばして壊しちゃったドア。ママの攻撃は大通りを挟んだ商業ギルドの方も壊しちゃっていたでしょう? もちろん冒険者達に修理費は請求したけど。
ママがこれからもドアを壊す可能性の方が高い、ドアを強化しなくちゃいけないって。両方のギルドとママ達の話し合いで、満場一致で決まって。その強化分の請求がママに。そのお金をこの前支払ったみたいなんだ。
なんかママね。ギルドの物を壊したの、その時が初めてじゃなかったみたい。その辺は詳しくは分からないんだけど。だからパパは心配して、ママに払ったばっかりだって言ったんだよ。
ママは冒険者ギルドで、ううん、商業ギルドでも、一体何をしているのか。この前は僕を助けるためだったけどさ。あんまり暴れちゃダメだよ? それにしても、ママってどれだけ強いのか。
「あら、本当に空いているわね。煩い奴らもいないし良かったわ。もしうちの可愛いアーベルとおチビさんに絡んでくるようなら、ここから出て行ってもらおうと思っていたのよ」
「おい、この前ドアの修理代を払ったばかりなんだぞ」
「分かっているわよ、だから今度はドアを壊さないように、ドアからは丁寧に出して、外で説明して、アーベル達が登録を終わらせるまで、待っていてもらおうと思っていたのよ」
「丁寧に? 待っていて?」
パパが嫌そうな顔をして先に中へ進み始めて、ママはある方向を確認しながら中へ。僕はそんなママの洋服を掴んで中へ。
今パパが言ったのは、1ヶ月前のこと。ちょうど僕もその時、一緒に冒険者ギルドへ来ていたんだけど……。
実は冒険者ギルドに中には、食堂がついている。色々な依頼や個人の活動から戻ってきた冒険者達が、ゆっくりご飯を食べながら、情報交換ができるようにだ。
もちろんギルドじゃなくて、別のお店に行けば良い話だけど、疲れて帰ってきている冒険者達も多いからね。すぐにゆっくりご飯を食べられるようにって、食堂がついているんだよ。
ただ、この食堂。今言った通り、『ゆっくり』っていうのが1番の目的で。この食堂ではお酒も提供されているんだけど。お酒を飲むことが大好きな人が多い冒険者。もちろん飲まない人もいるけれど。
そのお酒大好きな人達が、もう仕事が終わっている状態で、大好きなお酒を飲めばね。本や映画みたいに、飲み過ぎて酔って、盛り上がりすぎる人達も出てくるわけで。
今日は空いていて珍しいって言ったけど、酔っ払いがいないのも珍しいんだよ。そう、1ヶ月前の時は、酔っ払いがわんさか。そんな酔っ払いが、なぜか僕に絡んできて。
最初はパパが、あんまり大きな揉め事にならないようにって、その酔っ払い達を食堂に戻そうとしたんだけど。
それが気に入らなかった酔っ払いの1人が、僕にビールを引っ掛けてきたんだよ。ママが急いで魔法で守ってくれたから、僕は大丈夫だったんだけど。またそれも気に入らなくて、更に絡んできた冒険者達にママがキレたんだ。
基本冒険者ギルドの職員は、ギルド内の揉め事にはノータッチ。ただ、あまりにも理不尽なことで、まだまだ対応を上手くできない、新人冒険者なんかが絡まれた場合は、手を貸してくれるし。子供が関係している時は、すぐに間に入ってくれる。
くれるんだけど、なぜかこの時は、ギルドの職員は僕達を無視して、通常業務をしていたんだよ。それで何で来てくれないの? 早く来てって思っていた僕。でも結局職員の人が来てくれる前に、ママが解決してくれたんだ。
バキッ!! バキバキバキバキッ!! ガガガガガッ!! バーンッ!! バキバキバキッ!!
凄い音がしたと思ったら、絡んできた3人の冒険者が、僕の前から消えていた。その代わり見えたのは、ドアのなくなった出入り口で、外が完璧に見えていたんだ。
ゆっくりとドアに近づいていくママ。その後ろを付いて行く、パパと手を繋いでいる僕。その時、状況が分かっていなかった僕に、パパが教えてくれたのは。ママが冒険者達を吹っ飛ばしたから入り口のドアが壊れたって事で。
え? と思いながら外へ出て行ったママの後。壊れた出入り口から外を覗けば。パパが言っていた、ママが吹っ飛ばしたはずの冒険者が1人もいなくて。もしかして逃げちゃった? でもママはまっすぐ歩いて行ってるし。
パパに、冒険者が逃げちゃった? ママはなんでまっすぐ歩いているの? って聞いた僕。その時パパが言ったのは。
「ああ、良かった。通行人に被害がなくて」
でした。それから僕と一緒にギルドを出て、ママが進んだ方へ、ギルドからまっすぐ進むと。ママが入って行ったのは商業ギルド。そしてよく見れば、商業ギルドのドアも完璧に壊れていて。
少し進んで止まったパパ。その時商業ギルドの中から、何かが飛んで出てきました。なんと出てきたのは、僕に絡んでママに吹っ飛ばされた冒険者達。みんな体を丸めて痛がってい立てないみたいで。
そんな中、またゆっくりと商業ギルドから出て来たママ。そうして冒険者達の前に来ると、あれだけ痛がっていたのに、ビクッと震えて固まる冒険者達。
「良いかしら、お酒を飲むのは別に構わないわ。仕事終わりのお酒は美味しいものね。でもそれで酔っ払って、人に絡むのはダメよ。それが私の可愛い子なら尚更ね」
「お、お前、何者だ!」
「俺達を誰だと思ってやがる!」
「こんなことして、どうなるか分かって……」
ママに吹っ飛ばされて倒れているのに、しかも固まっているのに、それでも突っかかる冒険者達。でもママが3人の近くに寄って、僕に聞こえない声で何かを言ったら、すぐに冒険者達の顔色が変わって。
怒っているのとお酒で顔は赤かったのに、真っ青になったんだよ、それで今度は凄い勢いで謝り始めたんだ。
「す、すみませんでした!!」
「ゆ、許してください!!」
「もう、絡むなんて馬鹿なことしません!!」
他にも色々謝罪の言葉を言ってさ。それでママが、もうしちゃダメよって言うと、冒険者達は無理やり体を起こして、フラフラしながら逃げて行ったんだ。
それからだよ、問題だったのは。ママが僕を守るために、冒険者達を吹っ飛ばして壊しちゃったドア。ママの攻撃は大通りを挟んだ商業ギルドの方も壊しちゃっていたでしょう? もちろん冒険者達に修理費は請求したけど。
ママがこれからもドアを壊す可能性の方が高い、ドアを強化しなくちゃいけないって。両方のギルドとママ達の話し合いで、満場一致で決まって。その強化分の請求がママに。そのお金をこの前支払ったみたいなんだ。
なんかママね。ギルドの物を壊したの、その時が初めてじゃなかったみたい。その辺は詳しくは分からないんだけど。だからパパは心配して、ママに払ったばっかりだって言ったんだよ。
ママは冒険者ギルドで、ううん、商業ギルドでも、一体何をしているのか。この前は僕を助けるためだったけどさ。あんまり暴れちゃダメだよ? それにしても、ママってどれだけ強いのか。
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