お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治

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25 精神を削られる1日の始まり

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「きゃあああああああああああああ!!」

 間近で響いた絹を裂いたような悲鳴が空気を裂く。

 その声に座りながら眠っていた意識が覚醒し、すぐさま跳ね起きる。

「あいた、……ムニャムニャ」

 目を開けた先にいたのは腰を抜かし、恐怖に顔を染めた若い女性。

「どうした!?」

「う、うしろに……」

 その言葉に後ろを見るがそこにはクウの尻尾しか見えない。

「うしろがどうしたんだ?」

「後ろに獣が!!」

 振り絞り、目を閉じながら叫ぶ彼女の声にもう一度後ろを向くがあるのはやはりクウの尻尾だけ。

「おかしいものはなにもないが?」

 その言葉に恐怖を顔に浮かべて更に叫ぶ

「み、みえないんですか!?そこに!巨大な白い獣が!ああ、子供達が……」

 そこまで言われてやっとわかった、この女性が何に驚いていたのかを。

「あー……落ち着いてくれ、この大きい狐だな」

「聖獣だから心配ないわよ、アンナ。」

 後ろから声をかけられる。

「あ、ルイス様!え、どうして!?」

 伸びと欠伸をして寝癖を直して立ち上がるルイスに困惑しているようだ。

「それよりお兄ちゃん、急に立ち上がって酷いじゃない!折角気持ちよく寝てたのに!」

「いや、仕方ないだろ、目の前で悲鳴が上がったんだから俺もびっくりしたんだ」

「それでもよ!抱きしめたままおきてくれてもいいじゃない!」

「無理言うなって」

「お兄ちゃんなら無理じゃないわよ」

 突然目の前で始められた兄妹喧嘩に目を白黒させる目の前の女性。

「あの、ルイス様、これは……?」

「ああ、ごめんねアンナ、この人はお兄ちゃんでこの子は聖獣のクウちゃん、危ない事ないから安心してね、子供達も凄く懐いてるから」

「え、聖獣様……子供達もって、あっ!」

 その言葉に目を丸くして驚いたと思ったら子供達が抱きついているのを見て更に驚く。

「仲良くしてるから、おちついてね」

 苦笑いを浮かべながらルイスは言った。






「お騒がせしてすみません!!」

 さて、どうしたものか。

 俺達の目の前には事情を聞いて状況を理解したアンナが涙目で頭を下げている。

 単純に驚いただけの彼女を責めるのは違うし、そういったとしてちゃんと受け取れるかどうか。

「ああ、いいっていいって、クウちゃん大きいし見慣れないからいたら驚くのも無理ないよね。私だってクウちゃんを最初見たとき驚いたんだから」

 悩んでいるとルイスが気軽な態度でアンナに話しかける。

「でも、寝てるところを起こしてしまいましたし、他の皆さんだって」

 そういって申し訳なさそうにしているが

「いいっていいって、この人達も最初クウちゃん見てびっくりしてたから」

 確かに、クウを最初見たとき身構えてたな、その自覚があるのか彼女の声に集まってきた警備隊の人達も何も言わない。

「大体最初に注意しておいてくれてたらアンナもこんなに驚かずに済んだんだから、この人達も同罪よ」

 そういって微笑みかけるルイス、彼女らしい晴れやかな笑みなんだが、その横で警備隊の人達が心を打ちぬかれてつらそうにしているぞ。

「えーっと、ルイス様、その辺で、皆様も困っているようですので……」

「え?あ……」

 アンナの言葉で振り返ったルイスはしまったという表情をして言葉が出ない。

「いいすぎだ」

 コツンと頭を軽く小突くと頭を抑える

「ごめんなさい」

 その言葉に警備隊の面々も怒るに怒れず

「ロ、ロイド殿!我々は気にしておりませんのでどうかその辺りで……」

「あ、ああ、そうかすまない。ほら、ルイスも」

「ごめんなさい」

 促されて謝るルイスにばつが悪くなったのか

「いえ、お気になさらず、それでは我々は持ち場に戻りますので!」

「ああ、よろしく頼む」

 その会話を区切りに彼らは持ち場に戻っていく。

「ったく、周りをちゃんと見るようにっていつも言ってるだろ?」

「うん……」

「ちゃんと気をつけるんだぞ」

「ごめんなさい……」

「この話はこれで終わり、子供達を起こして朝飯にするか」

 そういって涙目になってるルイスを見て慰める。

「ほら、いつまでしょげてんだ、次から気をつければいいから、切り替えて元気だせよ」

「そんな事いってもお兄ちゃんみたいにすぐ切り替えられないよ、慰めて!」

「おいおい」

「な・ぐ・さ・め・て」

 そういって頭をこちらに向けてくる

「しょうがないな。でも、見られてるぞ?」

「見せ付けてるのよ!」

 そう言って頭を撫でながらため息をつく。

「は、あははは、お二人とも本当に仲がいいんですね。」

 その姿を見たアンナは笑いながら感想をいうと。

「当然よ!たった一人の肉親なんだから!仲良くて当然!」

 ドヤ顔で言うルイス。

「あら、まぁ」

 そう言ってコロコロと笑うアンナ。

 なんだかいたたまれない空間で過ごした後に、漸く子供達を起こして朝食を取る事ができるのだが、それまでに大分疲れたのは言うまでもない。

 だれかこのブラコンシスターをどうにかしてくれ!

『アキラメロ』
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