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現象
しおりを挟む「ハーラン」
呼びかけは消えた。
一度も答えたことはない。
小さい頃は、絶望の石は吐かなかった。
多分、何もかもを知らなかったから。
ただ、窒息していた。
子供の囲いから労働者の囲いに移されて、いつからか体が絶望を石にすることを覚えた。
きっと足掻いたのだ。
あれだけ長い窒息に関わらず、体の細胞たちは生きることをひたすら持続しようとして。
常に流動して生きることが仕事だから、固まる絶望を追い出さないと機能しないのだ。
未来が決まっていても。
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