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乱れたお前に挿れたいのに…③

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∞∞ nayuta side ∞∞


なんだよこれぇ…。

頭がクラクラする。
視界がブレる。

巽にされるがまま狭いソファーの上に寝転ぶと下半身が外気に触れる。
布が擦っていく感覚が気持ち良くて体が震えた。
どうやら射精したみたいだ。
気持ちよさもあるが気怠さのほうが強く感じた。
熱に侵された体が冷やされるのに長く息を吐く。
恐る恐る視線だけ下げると、先端がヌメリを帯びていた。

「はっ………はッ、なに、これ……………ッ!ンンッ、ん」

ダルい。
頭の中が真っ白で外気に放り出されている性器だけがリアリティを感じる。
巽の指が完全に勃起しているペニスを扱き始めると、簡単に腰が揺れてしまう。
しかも、直ぐに陰嚢の奥の方が疼いて射精感が募る。

「那由多ッ……どう?大丈夫…?」

「大丈夫ッ…じゃ、ねぇっ、ん、はぁ、………あ!」

「じゃ、大丈夫になるまでするね。」

「ちょ……たつ、…待て、…まっ…………あ、あ、ァアッ!!」

言葉のやり取りが理解できない。
何が正しくて何が間違ってるのかわからなくなってくる。
片腕で顔を覆い、もう片方で自分の服を握りしめる。
巽が激しく扱き始めるとまた直ぐに白濁液が飛び散った。
ぼんやりとしてはいるけど、少しだけクリアになった思考で巽を見つめる。
肩で呼吸を繰り返していると、巽がどこかに向かうのがボヤケた視界で見て取れた。
俺の寝室近くの棚を開けると、手に何かを持って戻ってきた。

「おい、それって……」

「ん?コンドームとローション。
那由多も必要になるときが来るかなーと思って。」

『人の部屋に勝手に何置いてんだよッ』とか、『余計なお世話だ。』とか、いつも口から滑る言葉がうまく発せない。
意識が戻ったり、遠退いたりを繰り返すが、ずっともどかしさと股間の熱さだけはわかる。
早く、速く、発散したくて仕方ない。
勝手に性器へと伸びる俺の手よりも巽の手が陰茎を握り締める。
ローションを亀頭の先から垂らされると火照った体には冷たく感じられて体が震えた。
グチュグチュと卑猥な音を立てて自身を扱かれると堪らず内腿を擦り合わせてしまう。

「ッん…………は、…………ふ、ぅ……ぁ、ぁ、あ」

「脚閉じたら、出来ないけど。
那由多はずっとそのままでいいの?」

こんな頭の回らないままでは困るので緩く首を横に振る。
巽は俺の脚の間に割り込むように決して広くないソファーに乗り上げ、片足をソファーの背に乗せるようにして開脚させてしまう。
猛ったペニスにローションを塗り広げ、逆手に持っているのか、陰嚢を指先で擽られる。
腰が浮くほど気持ちよかったのだが、尻の穴に指先を充てがわれた瞬間、俺は目を見開いた。

「ちょ!そこ!!ダメだって!」

なんか、知識では聞いたことはある。
尻の穴に指突っ込んだら男は気持ちいいらしいって。
でも、俺はそんなアブノーマルな快楽は欲しくない、絶対欲しくないんだ。

「酷い《霊ヤラレ》 になったら、ここ使ったほうが早く治るって日当瀬が言ってたよ?
ちゃんとゴム付けて弄るから大丈夫、安心して?」

日当瀬、の言葉に思考が鈍る。
晴生がそう言ったのなら間違いないのかもしれないと。
なら、この行為は仕方がないって事か?
俺が正常に戻る為には必要なのかもしれない?
え?それでいいのか?それで、尻の穴イジられてもいいのか?

そう、惑う気持ちを持て余している間に、指が後孔を割って入ってきた。
ローションで濡れているからか、思ったよりも奥まで侵入してくる指に腰を引くように逃げようとするが、巽が椅子の背に置いている脚を膝裏から肩に担ぐように固定してしまったのでそれもままならなかった。

絶対気持ち悪いと思ったのに頭の中では一気快楽が押し寄せてきた。

「─────ァあっ!!何コレ………ッ、巽、たつ、みっ!
あたま、おかしくなるっ、気持ちよすぎて…て、やっばっぁあっ!」

腸壁の奥一点を巽は無遠慮にゴリゴリと押してくる。
自分でも考えられないくらい体が痙攣し体液を飛び散らせた。
背中が撓り、ショートしそうな頭を抱えるように顔を覆う。

何コレ、気持ちいいッ。
ヤバイ、尻の穴が気持ちいいとか絶対おかしい。
これは《霊ヤラレ》 のせいだ。
俺の体が変になってるだけだ。

「那由多ッ…もっと、気持ちよくなって……」

上から巽の飢えた声が降ってくる。
俺も余裕ないけど、俺よりも余裕がない声に、指の間から巽を盗み見る。
欲情した雄の表情が視界に入ると、俺はそのまま目が離せなくてゴクリと大きく喉を動かした。
三度目の射精を終えた辺りから少しずつムラムラし過ぎて辛いという感覚よりも、今の状態が滅茶苦茶気持ちいいに変わってきた。

「でも、那由多…これ、《霊ヤラレ》 になったら自分でしなきゃいけないんだよ?
こんな奥まで指挿れて、自分でここ擦れる?
あ、因みに、ここが那由多のいいところね?」

「無理ぃ……ッ!んな、奥まで、指、入んねぇっ、ぁっ!そこ、もー、いっ、…んん!」

巽の言葉に誘われるまま視線を下に向けると、自分の尻の穴が巽の指を2本も奥まで咥えている。
信じ難い光景に瞳を揺らし、ハッ、ハッと短い呼吸を繰り返す。
見せつけるようにゆっくりと指を抜き差しされた後、角度をつけて奥を擦られる。
少し持ち上げていた頭をソファーへと沈むと首を激しく横に振った。

「んー…困ったなぁ。
あ、そうだ、コレなら那由多もできるかもよ?」

俺の視界に、先程カフェボードを書くのに使用していたボードマーカーが入る。
それに何故かピンク色のコンドームが嵌められていてボヤケた頭で小さく首を傾げた。

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