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2026
編入交渉 〜軍と隊〜
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「大和へ発光信号を送れ
貴艦ヘ移乗シ今後ノ相談ヲ致シタイ
小艇ニテ向カフ為 回収願イタシ 返答求ム」
ピカピカピカピカ
発光信号を送ってから
約2分後 応答
「解読してくれ」
「此方大和 確認シタ 小艇デ此方二向ワレタシ」
「了解した 航海長、艦を頼んだ」
「了解しました」
艦側面に搭載されている
11m作業艇に乗り込み 微速で航行中の大和へと向かう
(あの大和に乗れるのか………)
…………
「まやより発進せり小型艇此方へ向かいます」
「クレーンで吊り上げてやれ」
「長官 私が艦尾まで行って長官室まで誘導しますので」
有賀艦長がそう言ってエレベーターで降りて行った
「さて、お客さんのおもてなしをするとしようか」
クレーンで吊り上げられ、
最上甲板にあがった野上1佐
待っていたのは有賀艦長だった
「もしや…あなたは 大和艦長有賀幸作様ですか」
「あぁ その通りだ……なぜ貴殿が私の名を知っているのかについては
ひとまず置いておいて 伊藤長官が艦長室でお待ちだ ついてこられよ」
(うぉぉお 45口径3連装46糎砲……
尾道で見た撮影キットとは違って重々しさというか重厚感というか)
「貴殿はこの主砲について何かご存知か?」
「えぇ…もちろん 45口径3連装46糎砲
世界最大の艦砲ですよね まさか見ることができるなんて」
「なぜ知っているのか………まぁいい
ここのエレベーターを使い艦橋内を行き来する」
グォォォォォン
(やっぱり令和のエレベーターに比べると揺れがすごいな
艦内というのを考えればすごいんだけど)
エレベーターの扉が開き
出ると、右側に艦長室 左側に長官室と書いてある
もちろん向かうのは左側
コンコンコン
有賀艦長がノックすると
「入っていいぞ」
と中から声が
「失礼します」
「失礼します」
少し視線を下げながら入室し
顔を上げるとそこには椅子に座った 伊藤整一中将その人がいた
「よく来てくれたね 乗艦は護衛艦…まやと言ったかな 名は?」
「野上俊介1等海佐……旧帝国海軍でいうところの大佐であります」
「そうか 私の名は…」
「伊藤整一中将、この第一遊撃艦隊の長官…ですよね」
「ほう。なぜ私の名だけではなく階級、役職まで知っている?」
「それについて、説明させていただきます
少しばかり、想像も混ざっていることもご了承ください」
「まず、この第二艦隊は、沖縄の米軍を叩くための天一号作戦発令により出撃した
これで間違い無いですか?」
「あぁ」
「その後、宮崎県沖、日向灘で米軍潜水艦の雷撃を受け日向、葛城、大和が被雷
長官は作戦中止を命令し、佐世保へと進路を変更し、その後暴風に巻き込まれた」
「あぁそうだ」
「それで、佐世保に到着するとこの状態と」
「いや、佐世保入港前にあの高速機から空襲を受けた
葛城の甲板に着弾したがほぼ被害なしだ」
「なるほど…今、私が考えているのはこの第二艦隊がその暴風によって
時空転移をしたということです」
「今のこの時代は2026年12月28日
第二艦隊の出撃…というか太平洋戦争終戦から81年が経過しています」
「ほう………我が大日本帝国は負けたのか」
「えぇ 1945年8月15日 当時の昭和天皇陛下が玉音放送を流し、終戦しました
アメリカによる占領統治が行われ軍備を持たない憲法などの制定が行われますが、
朝鮮半島で発生した朝鮮戦争である程度自由となり
自衛軍…今の自衛隊が設立されます 陸、海、空の3種に分かれ
私はその海上自衛隊所属です
ソ連とアメリカの対立により実際の戦闘は行わないものの
圧力をかけ続ける冷戦が戦後しばらく続きます
その冷戦は1996にソ連崩壊によって集結しました
…そこから時は流れ 時は令和…2025年12月8日
隣の中国…中華人民共和国が沖縄の西方の島々の利権を主張し
台湾、日本に宣戦布告
現在は台湾の半分程度が占領され 沖縄は完全に掌握されております」
「………激動の時代だな 天皇陛下は…裕仁殿下は崩御されたのか」
「1989年1月7日に…」
「そうか」
「そして…私はお二方 いやこの艦隊全乗組員にお話があってここにやってきました
まやが警戒しますので機関を停止し総員上甲板、
直衛艦も近くに寄せていただけませんでしょうか」
「…まぁいまは貴殿の話を信じる他あるまい あいわかった 艦長 総員上甲板」
「了解 総員上甲板!」
…………………
戦艦大和 艦首部付近
「私は、日本国海上自衛隊所属護衛艦まや艦長 野上1佐であります
私は皆様にお願いがあってここに参りました
この艦隊は時空転移によって1945から2026に転移しております
この世界では、中国によって 日本は軍事侵攻を受けております
恥ずかしながら、我々は多くの艦艇を失っており、
とても対抗できる状況ではありません
そこで、皆様方にお願いです
この第二艦隊のお力を我々日本国にお貸し願えませんでしょうか!!!
時代が変わろうと、呼び名が変わろうと、この国はみなさんにとっての故郷です
どうか、お力をお貸し願いたい!!!!!!!!」
そういうと1佐は深々と頭を下げた
「どうだ 総員この艦を 君たちの力を貸してくれるか」
「おぉ!!!!!!」
「もちろんであります!!!」
甲板の上は大盛況
時空転移がよくわかってない乗組員もいるようだが
ひとまずは同意を得られたようだ
「だそうだ 野上殿 協力しよう どうすればいい」
「でしたら長官 ひとまずこの艦隊を佐世保に入港させます
武蔵を建造したドックが開いているはずなのでそこで空母ないし重巡の近代化改装
できれば元々の配備値が佐世保の艦艇を佐世保で近代化改装を行い
配備地が呉の艦…主に大和以下半数程度ですね
それらを呉のドックで修理させます
無理な艦は護衛艦の護衛の下、舞鶴、横須賀へ回航し改装を行います」
「なるほど 了解 とりあえず貴君はまやへ戻られ、
艦隊の引率を頼む 縦列陣を組んでまやに続く」
「宜候」
……………
まやに戻った野上1佐は航海長と副長に手短に伝え
佐世保総監に緊急電
「我 第二艦隊トノ交渉成立セリ
日本国ヘノ編入可能 之ヨリ縦列陣ヲ組ミ帰港ス」
貴艦ヘ移乗シ今後ノ相談ヲ致シタイ
小艇ニテ向カフ為 回収願イタシ 返答求ム」
ピカピカピカピカ
発光信号を送ってから
約2分後 応答
「解読してくれ」
「此方大和 確認シタ 小艇デ此方二向ワレタシ」
「了解した 航海長、艦を頼んだ」
「了解しました」
艦側面に搭載されている
11m作業艇に乗り込み 微速で航行中の大和へと向かう
(あの大和に乗れるのか………)
…………
「まやより発進せり小型艇此方へ向かいます」
「クレーンで吊り上げてやれ」
「長官 私が艦尾まで行って長官室まで誘導しますので」
有賀艦長がそう言ってエレベーターで降りて行った
「さて、お客さんのおもてなしをするとしようか」
クレーンで吊り上げられ、
最上甲板にあがった野上1佐
待っていたのは有賀艦長だった
「もしや…あなたは 大和艦長有賀幸作様ですか」
「あぁ その通りだ……なぜ貴殿が私の名を知っているのかについては
ひとまず置いておいて 伊藤長官が艦長室でお待ちだ ついてこられよ」
(うぉぉお 45口径3連装46糎砲……
尾道で見た撮影キットとは違って重々しさというか重厚感というか)
「貴殿はこの主砲について何かご存知か?」
「えぇ…もちろん 45口径3連装46糎砲
世界最大の艦砲ですよね まさか見ることができるなんて」
「なぜ知っているのか………まぁいい
ここのエレベーターを使い艦橋内を行き来する」
グォォォォォン
(やっぱり令和のエレベーターに比べると揺れがすごいな
艦内というのを考えればすごいんだけど)
エレベーターの扉が開き
出ると、右側に艦長室 左側に長官室と書いてある
もちろん向かうのは左側
コンコンコン
有賀艦長がノックすると
「入っていいぞ」
と中から声が
「失礼します」
「失礼します」
少し視線を下げながら入室し
顔を上げるとそこには椅子に座った 伊藤整一中将その人がいた
「よく来てくれたね 乗艦は護衛艦…まやと言ったかな 名は?」
「野上俊介1等海佐……旧帝国海軍でいうところの大佐であります」
「そうか 私の名は…」
「伊藤整一中将、この第一遊撃艦隊の長官…ですよね」
「ほう。なぜ私の名だけではなく階級、役職まで知っている?」
「それについて、説明させていただきます
少しばかり、想像も混ざっていることもご了承ください」
「まず、この第二艦隊は、沖縄の米軍を叩くための天一号作戦発令により出撃した
これで間違い無いですか?」
「あぁ」
「その後、宮崎県沖、日向灘で米軍潜水艦の雷撃を受け日向、葛城、大和が被雷
長官は作戦中止を命令し、佐世保へと進路を変更し、その後暴風に巻き込まれた」
「あぁそうだ」
「それで、佐世保に到着するとこの状態と」
「いや、佐世保入港前にあの高速機から空襲を受けた
葛城の甲板に着弾したがほぼ被害なしだ」
「なるほど…今、私が考えているのはこの第二艦隊がその暴風によって
時空転移をしたということです」
「今のこの時代は2026年12月28日
第二艦隊の出撃…というか太平洋戦争終戦から81年が経過しています」
「ほう………我が大日本帝国は負けたのか」
「えぇ 1945年8月15日 当時の昭和天皇陛下が玉音放送を流し、終戦しました
アメリカによる占領統治が行われ軍備を持たない憲法などの制定が行われますが、
朝鮮半島で発生した朝鮮戦争である程度自由となり
自衛軍…今の自衛隊が設立されます 陸、海、空の3種に分かれ
私はその海上自衛隊所属です
ソ連とアメリカの対立により実際の戦闘は行わないものの
圧力をかけ続ける冷戦が戦後しばらく続きます
その冷戦は1996にソ連崩壊によって集結しました
…そこから時は流れ 時は令和…2025年12月8日
隣の中国…中華人民共和国が沖縄の西方の島々の利権を主張し
台湾、日本に宣戦布告
現在は台湾の半分程度が占領され 沖縄は完全に掌握されております」
「………激動の時代だな 天皇陛下は…裕仁殿下は崩御されたのか」
「1989年1月7日に…」
「そうか」
「そして…私はお二方 いやこの艦隊全乗組員にお話があってここにやってきました
まやが警戒しますので機関を停止し総員上甲板、
直衛艦も近くに寄せていただけませんでしょうか」
「…まぁいまは貴殿の話を信じる他あるまい あいわかった 艦長 総員上甲板」
「了解 総員上甲板!」
…………………
戦艦大和 艦首部付近
「私は、日本国海上自衛隊所属護衛艦まや艦長 野上1佐であります
私は皆様にお願いがあってここに参りました
この艦隊は時空転移によって1945から2026に転移しております
この世界では、中国によって 日本は軍事侵攻を受けております
恥ずかしながら、我々は多くの艦艇を失っており、
とても対抗できる状況ではありません
そこで、皆様方にお願いです
この第二艦隊のお力を我々日本国にお貸し願えませんでしょうか!!!
時代が変わろうと、呼び名が変わろうと、この国はみなさんにとっての故郷です
どうか、お力をお貸し願いたい!!!!!!!!」
そういうと1佐は深々と頭を下げた
「どうだ 総員この艦を 君たちの力を貸してくれるか」
「おぉ!!!!!!」
「もちろんであります!!!」
甲板の上は大盛況
時空転移がよくわかってない乗組員もいるようだが
ひとまずは同意を得られたようだ
「だそうだ 野上殿 協力しよう どうすればいい」
「でしたら長官 ひとまずこの艦隊を佐世保に入港させます
武蔵を建造したドックが開いているはずなのでそこで空母ないし重巡の近代化改装
できれば元々の配備値が佐世保の艦艇を佐世保で近代化改装を行い
配備地が呉の艦…主に大和以下半数程度ですね
それらを呉のドックで修理させます
無理な艦は護衛艦の護衛の下、舞鶴、横須賀へ回航し改装を行います」
「なるほど 了解 とりあえず貴君はまやへ戻られ、
艦隊の引率を頼む 縦列陣を組んでまやに続く」
「宜候」
……………
まやに戻った野上1佐は航海長と副長に手短に伝え
佐世保総監に緊急電
「我 第二艦隊トノ交渉成立セリ
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