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「ねぇシア」
「ん?」
チビとカーロ、リトスとリアンが遊んでいるのを、庭に出したベンチに座って眺めているとレティが声をかけて来る
「ちょっと気になったんだけど…」
「どうした?」
視線をレティに向けるとレティの視線の先にはシエラがいた
「シエラは左目が悪かったりする?」
「え?ああ。生まれつき見えないみたいだな。それがどうかしたか?」
前世で言う障害を持った子供に対する嫌悪みたいのはレティにはないとは思うけどちょっと心配になる
「左側だけ随分ゆとりのない動きだなって思って」
「あぁ、確かに壁すれすれで動くからな」
見えてないから視野が狭いんだろうけどこればっかりはシエラが慣れていくしかない
「サラサさんの力でも治らないの?」
「母さんが治せるのは後天的なものだけだな。レティも知ってる通りケインの足は治せるけどケインがそれを望んでないから今は様子見。シエラの目はもともと見えないからその辺はどうしようもないらしい」
母さんなりに色々試したらしいけど、加工したり治したりすることは出来ても存在しない物を作り出すようなことは出来なかった
それにイメージできる物質なら代用品なんかを使いながら再現できるけど、目の組織までは知らないからってことらしい
それでも何か方法がないか探し続けてはいるみたいだけど
もちろん俺としても治せるものなら直してやりたいと思ってる
「…試してみたいことがあるんだけど」
「試す?」
一体何を?
そう思いながら首をかしげる
「ひょっとしたらなんだけど…見える様になるかもしれない。私もまだ使った事のない力だから絶対とは言えないんだけど…」
「レティ?」
「私…シアもシアの家族もこの家の人もみんなすごく良くしてくれるし大切にしたいと思ってる。目が見えないことが悪だなんて言わないけど、そのせいでシエラの世界が狭められるのは嫌なの」
レティは真っすぐ俺の目を見てそう言った
「…レティの気持ちは有り難いけど、それでレティに何かあったりは?」
「それは大丈夫。必要なモノも運よく残ってるし…」
「必要なモノ?」
「純粋な龍神族の子が生まれた時に持ってる水晶」
そう言いながら直径5cmほどのしずくの形をした水晶を取り出した
エメラルドとイエローゴールド、そしてルビーの3色が層をなしている
「純粋な龍神族の子…レティが生まれた時に持ってた水晶ってことか?」
「うん。両親が残してくれたモノ。これを核にして力を使えば…」
その言い方に少し不安を覚えた
核にするってことはその力を使ったら残らない気がする
「…本当にレティはそれでいいのか?」
逃げながらの生活をしていたレティの両親が残したものなんてそう多くはないだろう
下手したらそれが唯一の形見かもしれない
だからきっと大切にしてきたはずだ
なのに…
「うん。両親は心の中にずっと生きてるもの。それに今の私は一人じゃないから」
そう言って見せた笑顔は慈愛に満ちていた
きっと俺が何を言っても意見は変えないだろう
暫く回避する方法を探してみても何も浮かびはしなかった
「…母さんたちに話してみよう」
「ありがと。シア」
微笑むレティを抱きしめる
レティを思ってと言うよりは俺自身のためだ
何もしてやれないのが酷くもどかしい
「ん?」
チビとカーロ、リトスとリアンが遊んでいるのを、庭に出したベンチに座って眺めているとレティが声をかけて来る
「ちょっと気になったんだけど…」
「どうした?」
視線をレティに向けるとレティの視線の先にはシエラがいた
「シエラは左目が悪かったりする?」
「え?ああ。生まれつき見えないみたいだな。それがどうかしたか?」
前世で言う障害を持った子供に対する嫌悪みたいのはレティにはないとは思うけどちょっと心配になる
「左側だけ随分ゆとりのない動きだなって思って」
「あぁ、確かに壁すれすれで動くからな」
見えてないから視野が狭いんだろうけどこればっかりはシエラが慣れていくしかない
「サラサさんの力でも治らないの?」
「母さんが治せるのは後天的なものだけだな。レティも知ってる通りケインの足は治せるけどケインがそれを望んでないから今は様子見。シエラの目はもともと見えないからその辺はどうしようもないらしい」
母さんなりに色々試したらしいけど、加工したり治したりすることは出来ても存在しない物を作り出すようなことは出来なかった
それにイメージできる物質なら代用品なんかを使いながら再現できるけど、目の組織までは知らないからってことらしい
それでも何か方法がないか探し続けてはいるみたいだけど
もちろん俺としても治せるものなら直してやりたいと思ってる
「…試してみたいことがあるんだけど」
「試す?」
一体何を?
そう思いながら首をかしげる
「ひょっとしたらなんだけど…見える様になるかもしれない。私もまだ使った事のない力だから絶対とは言えないんだけど…」
「レティ?」
「私…シアもシアの家族もこの家の人もみんなすごく良くしてくれるし大切にしたいと思ってる。目が見えないことが悪だなんて言わないけど、そのせいでシエラの世界が狭められるのは嫌なの」
レティは真っすぐ俺の目を見てそう言った
「…レティの気持ちは有り難いけど、それでレティに何かあったりは?」
「それは大丈夫。必要なモノも運よく残ってるし…」
「必要なモノ?」
「純粋な龍神族の子が生まれた時に持ってる水晶」
そう言いながら直径5cmほどのしずくの形をした水晶を取り出した
エメラルドとイエローゴールド、そしてルビーの3色が層をなしている
「純粋な龍神族の子…レティが生まれた時に持ってた水晶ってことか?」
「うん。両親が残してくれたモノ。これを核にして力を使えば…」
その言い方に少し不安を覚えた
核にするってことはその力を使ったら残らない気がする
「…本当にレティはそれでいいのか?」
逃げながらの生活をしていたレティの両親が残したものなんてそう多くはないだろう
下手したらそれが唯一の形見かもしれない
だからきっと大切にしてきたはずだ
なのに…
「うん。両親は心の中にずっと生きてるもの。それに今の私は一人じゃないから」
そう言って見せた笑顔は慈愛に満ちていた
きっと俺が何を言っても意見は変えないだろう
暫く回避する方法を探してみても何も浮かびはしなかった
「…母さんたちに話してみよう」
「ありがと。シア」
微笑むレティを抱きしめる
レティを思ってと言うよりは俺自身のためだ
何もしてやれないのが酷くもどかしい
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