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124.捕まった辺境伯
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「大丈夫よ。使い切る前に回復してるから」
母さんは心配そうに見守る父さんに苦笑しながらそう言った
「お前の大丈夫をどこまで信用していいのか…」
ため息交じりに吐き出される言葉に、これまでに聞いた母さんのやらかしを思い出す
実際創造のスキルレベルがある程度上がるまでは、毎回魔力が枯渇して倒れたりしてたみたいだし…
しかも無駄に耐性があるからその自覚がなかったこともあると言われれば、側で見てる方はたまらないだろう
「丁度いい機会だから『リジェネレイト(細胞組織の再生)』シアに譲渡しとくわね。人相手なら問題ないけど他種族は魔力量的にきつそうだから」
丁度いい機会と前置きする意味が分からない
でも『リジェネレイト(細胞組織の再生)』は取得方法が分からないだけにありがたい
「そう言えばシアの魔力量はサラサの3倍になってたか?」
父さんが改めて俺と母さんのステータスを確認しながら言う
俺も自分のステータスを確認したら回復魔法の細目に『リジェネレイト(細胞組織の再生)』が増えていた
ちょっと待てよ?
母さんが1回で上級の魔力回復薬を3本使ったってことは、枯渇前に余裕見て飲んだとしても俺9本いるってことか?
あんなの大量に飲んだら気持ち悪いだろ
回復薬は初級にしろ上級にしろ滅茶苦茶苦くてまずい
それを大量に飲むなんて考えただけでも嫌だ
どう考えても目の前の人を癒す以前に、自分自身が精神的なダメージで動けなくなる未来しか描けない
特級の魔力回復薬なんて聞いたことないし何か考えるべきか?
人族以外の種族でも獣人族と小人族、龍神族、鬼神族は力特化に近いから魔力量はそこまで高くない
高くないと言っても人族に比べればはるかに高いけど…
魔力量が多いと言われているのは森人族と呼ばれるエルフだ
まだ会ったことは無いけどぜひ会ってみたいものだ
ひょっとしたらいい回復薬を持っているかもしれないし…
それに魔力量だけじゃなく肉体の組織と言う点で考えれば、妖精よりもはるかに魔力を持って行かれる可能性もある
細胞組織は全体を一気に再生するわけじゃなく、小さな範囲を順に再生していくタイプと言うことを考えれば何度かに分ければ何とかなるだろうけど、こればっかりは未知の世界だ
そもそも魔力が枯渇しかけたのなんて何年も前の事だし俺の今の魔力が枯渇するイメージもピンと来ない
それでも何らかの対策は必要な気がする
「やはり素晴らしいな」
呟いたのはコーラルさんだ
おそらく光のたまにしか見えてないだろうに綺麗な球体になったことである程度理解はしているんだろう
さらに元気になった闇の妖精にクロムが抱き付いていた
気丈にふるまってたけどずっと気になっていたんだろう
今のクロムの顔には寂し気な笑みではなく喜びを含んだ笑みが浮かんでいた
治癒できたからといって心の傷まで消えるわけじゃない
でも仲間がまだ囚われている不安と、また捕まるかもしれないという恐怖が取り払えただけでも一歩前進といったところだろうか
これから時間と共にクロムたちの心の傷が軽くなることを願わずにはいられなかった
母さんは心配そうに見守る父さんに苦笑しながらそう言った
「お前の大丈夫をどこまで信用していいのか…」
ため息交じりに吐き出される言葉に、これまでに聞いた母さんのやらかしを思い出す
実際創造のスキルレベルがある程度上がるまでは、毎回魔力が枯渇して倒れたりしてたみたいだし…
しかも無駄に耐性があるからその自覚がなかったこともあると言われれば、側で見てる方はたまらないだろう
「丁度いい機会だから『リジェネレイト(細胞組織の再生)』シアに譲渡しとくわね。人相手なら問題ないけど他種族は魔力量的にきつそうだから」
丁度いい機会と前置きする意味が分からない
でも『リジェネレイト(細胞組織の再生)』は取得方法が分からないだけにありがたい
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ちょっと待てよ?
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高くないと言っても人族に比べればはるかに高いけど…
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2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
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