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103.隣町
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オークションでかなりの収入を得た俺達は父さん達の勧めもあって休みを増やすことにした
「ホント贅沢だよね」
「何が?」
「ふつうの成人したての冒険者なんて、休みなく依頼や迷宮攻略こなしても日々の生活がままならないでしょ?」
「まぁ…そうだな」
俺達が特殊なだけだ
一番普通に近いヘンリーですら週1日の休みを取っても問題ない稼ぎはある
これまで固定パーティーをもっていなかったヘンリーは、俺達が旅に出ている間にパーティーを組んでいた
パーティー名は、『幸運』で孤児院出身の17歳のモーリスをリーダーにした5人体制
他のメンバーは孤児院出身で16歳のドイル、隣町出身で16歳のフライ、メリッサさんの同僚の息子で15歳のガント
ヘンリーもあと2か月ほどで16歳になるしかなり年の近いパーティーといえる
モーリスとドイルは同じ孤児院出身ということもあり元々2人で組んでいて、マリクたちの『暁』と即席パーティーを組むことが多く、そこでヘンリーも一緒になることがあった
ガントとヘンリーは親の繋がりでよく一緒に行動していたし、ガントとフライは商会で出会ってからよく組むようになったらしい
そんな面々が揃ったのはギルドからの合同依頼の時で、思いのほか気があった為パーティーを組むことになったと手紙に書いてあった
今のランクは全員Dランクだけど、モーリスとヘンリーはもうすぐCランクに上がれるはずだ
『幸運』のメンバーもそのつながりのおかげか何度も『弾丸』から直接指導を受けている
それ故の休み1日体制だ
「でしょ?これ迄でも充分恵まれてたのにそれが1日おきに休みになるんだもの」
「そうだよなー。有り難いけど休みの日何するかなー」
「ふふ…シャノンとルークは買い物する頻度が増えそうね」
レティが笑いながら言った
確かにその線は濃厚か…
俺とレティはどうするか…
「ねえ、買い物するなら隣町に行きたいな」
「隣町?何をいきなり…隣町までどれだけかかると思ってるんだ?」
「分かってるよ?だから往復込みで2週間くらい。この町離れてもいいと思わない?」
シャノンは尋ねているが既にお願いの体勢だ
隣町まで歩いて5日、往復10日だから向こうにいるのは2日
そう考えると移動手段が欲しいと思うのは俺だけだろうか?
「龍化していく?」
「いや、それは大ごとになるだろ…」
「やっぱり?」
レティはそういいながらも絶対分かってたはず
でも実際、龍化していけば1日で往復も問題なくできる
大事になる未来しか見えないからやらないけど
「俺としてはこないだ帰ってきたとこだし、行くならもう少し先にしてもらいたいとこだな」
「私も少し落ち着きたいかな」
レティも同意した
「そっか~確かに帰ってきたとこでまた2週間もってなると…」
特にケインが拗ねそうだということに行きついたようだ
ケインは俺達が下にいる時は大抵引っ付いて来る状態が続いていた
旅の間我慢していた反動が出たんだろうってのが母さんたちの予想
俺もそう思うから今は好きにさせている
シャノンは表情を曇らせた
多分その頭の中では母さんのしかめっ面が浮かんでいることだろう
「じゃぁ今回は見送りってことかな?」
「残念だけど仕方ないかぁ…買い物したかったんだけどな~」
「もう少し落ち着いてからな」
「は~い」
つまらなそうに頷くシャノンに俺達は苦笑した
+-+補足+-+
この世界は1週間が6日、5週間で1か月、12か月で1年です
「ホント贅沢だよね」
「何が?」
「ふつうの成人したての冒険者なんて、休みなく依頼や迷宮攻略こなしても日々の生活がままならないでしょ?」
「まぁ…そうだな」
俺達が特殊なだけだ
一番普通に近いヘンリーですら週1日の休みを取っても問題ない稼ぎはある
これまで固定パーティーをもっていなかったヘンリーは、俺達が旅に出ている間にパーティーを組んでいた
パーティー名は、『幸運』で孤児院出身の17歳のモーリスをリーダーにした5人体制
他のメンバーは孤児院出身で16歳のドイル、隣町出身で16歳のフライ、メリッサさんの同僚の息子で15歳のガント
ヘンリーもあと2か月ほどで16歳になるしかなり年の近いパーティーといえる
モーリスとドイルは同じ孤児院出身ということもあり元々2人で組んでいて、マリクたちの『暁』と即席パーティーを組むことが多く、そこでヘンリーも一緒になることがあった
ガントとヘンリーは親の繋がりでよく一緒に行動していたし、ガントとフライは商会で出会ってからよく組むようになったらしい
そんな面々が揃ったのはギルドからの合同依頼の時で、思いのほか気があった為パーティーを組むことになったと手紙に書いてあった
今のランクは全員Dランクだけど、モーリスとヘンリーはもうすぐCランクに上がれるはずだ
『幸運』のメンバーもそのつながりのおかげか何度も『弾丸』から直接指導を受けている
それ故の休み1日体制だ
「でしょ?これ迄でも充分恵まれてたのにそれが1日おきに休みになるんだもの」
「そうだよなー。有り難いけど休みの日何するかなー」
「ふふ…シャノンとルークは買い物する頻度が増えそうね」
レティが笑いながら言った
確かにその線は濃厚か…
俺とレティはどうするか…
「ねえ、買い物するなら隣町に行きたいな」
「隣町?何をいきなり…隣町までどれだけかかると思ってるんだ?」
「分かってるよ?だから往復込みで2週間くらい。この町離れてもいいと思わない?」
シャノンは尋ねているが既にお願いの体勢だ
隣町まで歩いて5日、往復10日だから向こうにいるのは2日
そう考えると移動手段が欲しいと思うのは俺だけだろうか?
「龍化していく?」
「いや、それは大ごとになるだろ…」
「やっぱり?」
レティはそういいながらも絶対分かってたはず
でも実際、龍化していけば1日で往復も問題なくできる
大事になる未来しか見えないからやらないけど
「俺としてはこないだ帰ってきたとこだし、行くならもう少し先にしてもらいたいとこだな」
「私も少し落ち着きたいかな」
レティも同意した
「そっか~確かに帰ってきたとこでまた2週間もってなると…」
特にケインが拗ねそうだということに行きついたようだ
ケインは俺達が下にいる時は大抵引っ付いて来る状態が続いていた
旅の間我慢していた反動が出たんだろうってのが母さんたちの予想
俺もそう思うから今は好きにさせている
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多分その頭の中では母さんのしかめっ面が浮かんでいることだろう
「じゃぁ今回は見送りってことかな?」
「残念だけど仕方ないかぁ…買い物したかったんだけどな~」
「もう少し落ち着いてからな」
「は~い」
つまらなそうに頷くシャノンに俺達は苦笑した
+-+補足+-+
この世界は1週間が6日、5週間で1か月、12か月で1年です
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2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
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