チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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58.シャノンの初恋

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セトイカに来て1か月もするとこの町の人たちとも随分親しくなった
特にグースの店で知り合ったルワードさんをはじめとした漁師への伝手はかなり広い
料理する代わりに獲物を譲ってもらうことも増えた
お陰でインベントリの中はかなりの量の魚介類がストックされることになった

「それはやっぱり帰りの道中では食べないんだよね?」
ルークと今あるストックの確認をしてたらシャノンが聞いてきた

「一応週に1回くらいは食べれるようにちょっとずつ買いだめはしてるぞ」
「本当?」
「お土産は?」
「みんなへの土産は別で確保してある。漁師に料理の対価で譲ってもらったのは俺自身のストックだけどな」
インベントリの分割は本当に便利な機能だ
最近、それぞれのスペースに名前を付けれることに気付いた
母さんに報告したら知らなかったのかと逆に驚かれた
どうやら母さんはパソコンの画面のフォルダに見立てて管理してるらしい
フォルダを開けば区画の中身が見れる感じ
勿論、俺も真似をした

「私は貝殻やサンゴをいっぱい持って帰るの」
「母さんに何か作ってもらう気だろ?」
「そうだよ?多分スカイも気に入ると思うんだよね。最近ブローチとかも作り始めたみたいだから」
スカイは身の回りにあるもので色んなものを作って楽しんでいるらしい

「じゃぁ僕は海の中の薬草でも探そうかな?保管はシアに頼むことになるけど」
「了解。好きなだけ採取して来い」
「一気には大変だから小分けして取って来るよ。そう言えばシャノン、お前最近変なのとよく一緒にいるな?」
ルークが思い出したように尋ねる
変なのってどんなのだ?

「それは…ほら…ね?」
「何が“ね?”だ」
「だからぁ…町で何度も顔合わせてたんだけどね、3日前からお付き合いを…」
シャノンの顔が真っ赤に染まる

「…シャノンの初カレってことか?」
「そういう言い方しないでよ…どうせ私はルークと違って、ちゃんとお付き合いするのは初めてですよぉだ」
初カレねぇ…
そういやこいつやたらと目移りするわりに、付き合ったって話は聞いてない気もする

「付き合うってあれ冒険者だろ?それに年も離れてる感じがしたけど?」
「うん。彼の名前はケリーって言って、Aランクの冒険者なんだって。女の人1人含んだ4人のパーティーで、パーティーランクはBって言ってた」
「それで?」
何かルークが父さんみたいになってるのは気のせいか?
父さんがこの場に居たら確実にルークと同じように詰め寄ってる
父さんだけでなく弾丸の皆もかもしれないけどな
そう考えるとちょっと遠い目をしたくなる
帰ってからこのことを知った皆がどう反応するか…
想像しようとして自分の思考を遮った

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