チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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58.シャノンの初恋

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「ケリーは18歳でメンバーの3人は女の人が16歳、男の人2人は17歳だって。ケリーカッコいいでしょ?」
「そうか?」
「そりゃぁ顔はシアとルークのがカッコいいけど、大人な感じがね?」
ケリーの話をするシャノンがその辺の女に見える
端的に言えば、理性的に話の出来ない厄介な女
妹でなければ一切話を聞こうとも思わないかもしれない

「シア、何とか言ってやれよ?」
「何とかって言われてもなぁ…」
今のシャノンに何か言っても無駄だろう?

「シアー?」
ルークの恨めしそうな目にため息を吐く

「…まぁ、冒険者やってる18のヤローが、成人前のシャノンを選ぶこと自体は気持ち悪いとは思うけどな?」
ロリコンだっけ?
そもそも犯罪にはならないのか?
あ~でも貴族なら幼い頃に婚約結んでたり、父親のような男に嫁いだりすることもあったか
元の世界の常識が必ずしもこっちに当てはまるわけじゃない
俺は母さん程そのギャップに苦しむことは無いけど、過去の記憶のせいで戸惑わないわけではない

「だろ?絶対おかしいって」
「そんな言い方しないでよ…」
「事実だろ。逆で考えてみろよ。18の女が僕に言い寄ってるってどう思う?」
「え~それは…嫌かも」
「ほら見ろ。平民でも年の差のあるカップルはそれなりにいるけど、大抵は両方とも成人してるんだからな?」
口ごもるシャノンにルークは得意げな顔をする

「シャノン」
「なに?」
「俺はそのケリーに会ったことも、見たこともないから何とも言えないけどな、そう言う見方をされることもあるってことは覚えとけ」
「…わかった」
「気持ちなんて簡単に切り替えられるものじゃないだろうしな」
そう言うとホッとしたように笑う

「とにかく、何かあった時は助けてやるから一人で抱え込むことだけはするなよ?」
「うん。有難うシア」
満面の笑みでそう言うと今日もこれからデートだと飛び出していった

「…いいの?」
ルークが不貞腐れたように言う
何としても諦めさせたかったって感じだ

「仕方ないだろ?シャノンの性格からして真っ向から反対すれば余計意地になる」
「それはそうだけど…でも絶対怪しいって。この町では弾丸のこと知られてないし…」
それにも関わらず兄妹で旅してて、ここにいる期間も限られてる成人前の小娘を狙うのは普通じゃない
「確かにな。だからこそだ」
「え?」
「何かあった時にシャノンが俺達を頼りやすいようにしとかないと、裏賭博の二の舞いなりかねないだろ」
あの時は誰にも相談できずにかなりヤバイ所まで行ってたからな

「あのまま笑顔でいさせてくれる相手ならいいんだけどな」
「どうかなぁ…何となくきな臭い感じがするけど」
「裏から手を回してもいいけど、それするとシャノンの為にならないだろうし、自分の目でちゃんと見る力を付けるべきだ。今のままじゃどうも危なっかしい」
できれば傷つかずに済んで欲しいけど、無理に引き離しても納得しそうにないのも事実だし…

「まぁお姫様だったからね。僕も一応気にはかけとく。シアより外に出てること多いし」
「あぁ、頼む。結果的にシャノンが傷付くことになっても、無駄な経験にはならないはずだしな」
俺自身も外に出た時は気にするようにしてたけど、行く場所が違うせいか2人を見かけることは無かった


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