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15 チグハグさにやられる ※

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 ミルルからのキスは、私を舞い上がらせる。

 ミルルの体の向きを代えて、正面から抱き合いながら、キスをする。

 舌を絡めるキスを、ミルルはどこで覚えたのか。見た目と行動のチグハグさに驚きつつも、未成年に手を出した顧客がいる事に腹が立つ。

「いやらしいな、ミルル」

「ごめんなさい」

 怯んだミルルに笑んで見せる。

「ここ、初めてなのに、なぜキスが上手なの? 悪い子っていうのは、こういうこと?」

 怯みながらも見上げて来る。欲しそうに唇を見られたら、キスをやめられない。

「ミルル、わるいこ、ごめんなさい」

 はぁ、ダメだな。
 ミルルが妖艶に可愛い。
 これは引き取るのが遅ければ、娼館に売られていたんだろう。そういう訓練が少しずつなされていた。孤児院の内情を調査する必要がある。

 可愛いミルルに言い寄られながら、思考は難しい方へと追いやる。未成年のミルルを襲う訳には行かない。

「ふ、うぅ…ん——」

 毛布の中に手を入れて、ミルルを慰めている。初めての精通は、そんなに時間がかからなかった。

「大丈夫?」

 私の膝の上で荒い息を吐くミルルを労う。

「お風呂、入ろうか」

 冬眠中は体温を下げているから、汗をかかず、風呂の必要はないのだが、精を吐き出した事で体温が上がったようだ。

 お風呂まで抱き上げて連れて行き、ふらふらのミルルを手助けして、お風呂に入れる。大丈夫そうなのを確認して、着替えを取りに行った。

 裸体を素直に見せてくれるのは、孤児院で仲間と暮らしているからか? 恥じらいもなく服を脱がせてくれて、裸体を抱き上げさせてくれた。

 邪な気持ちには蓋をしたけど、これはなんと言うか、役得? 年甲斐もなく浮かれている。この先もさせてくれる? 濡れた体を拭って、服を着せて……首を振って思考を変える。

 ミルルを怯えさせたら元も子もない。

 湯上がりのほこほこのミルルをタオルで拭き、寝る服を着せて、巣穴へ運んだ。

「眠い?」

 聞けば頷いて、ギュッと抱きついて来る。

 クッションの上に体を横たえてあげて、毛布に包む。でも手が離れないから、ミルルの横に添い寝した。

「好きだよ」

 思わず心の声が漏れてしまう。
 前髪を撫でて、つむった目が開かれて行くのを見守った。

 ほわっとした笑みが広がる。
 可愛いから、頬を撫でたら、手のひらにキスをされた。

「あれす、ぼくも、すき」

 舌足らずの、甘えた口調で、呼び捨てにされる喜び、すきの言葉の破壊力。でも耐える。全てに蓋をして、笑んで見せる。

「ありがとう、ミルル」

 ああ可愛い。
 安心し切って眠りに落ちるミルルを見守る。

 ミルルのスキは、保護者に対するものかもしれない。でも一歩前進で良いと勝手に決めた。
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