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本編
00 日常
しおりを挟む「朱音と恭弥、来られないって。どうする?」
一度家に帰ってから晴香の家に遊びに来た。手土産は晴香の好きなシュークリームだ。箱を晴香の前に差し出したら、光放つんじゃないかってくらいの笑顔になった。
「えーうそ、うれしい、あがって」
「おじゃましまーす」
いつもの通り、玄関で挨拶したけど返事がない。ま、いいかと晴香の後を追った。晴香の部屋に入ったら、もうゲームの用意がしてあった。
「ねーねー親は?」
机にシュークリームの箱を置いた晴香は、こっちを向こうとしない。
「明日から連休でしょ。泊まりで出かけるって」
「へえ、ちなみに兄さんは?」
「残業」
こっちを向かない晴香を追い詰めるように、晴香を背中側から抱きしめ、少し屈んで首筋の匂いを嗅ぐ。
「だから良い匂いがするんだ」
「……ダメ?」
「えーなにが?」
そう言いながら晴香の体を俺の方に向ける。潤んだ目と赤らんだ頬。ツヤツヤのグロスはあまり好きじゃないけど、いちご味のする唇にキスをする。
「今日は勉強とか、言わないんだ」
「言って欲しい?」
頬を指で撫で、少し開いた唇に深く唇を重ね、舌を入れる。
「晴香、好きだよ」
「ん、ん、しんご、すきぃ」
「すっげえ良い匂いする」
晴香は桃のボディソープの香りだ。
「慎吾だってシャワーして来たんでしょ? 薔薇の香りがする」
「そお? 薔薇の香りがするんだ」
晴香をベッドに押し倒して、ゆっくりと服を脱がして行く。
「晴香、かわいい」
「うれしい、しんご、だいすきだよ」
※
「ついにヤッたって? どうだった? 晴香」
学校で会ってすぐ、恭弥は俺の肩に腕を乗せて来て、鬱陶しく絡んで来る。
「そういうの話さない主義だから」
「はあ? あんなに渋ってたのに早い早い。晴香すっげーよかったって頬赤らめてたって聞いたぜ? おまえどんなテク持ってんだよ?」
「あー鬱陶しい。そんなん普通だよ、普通。女よろこばせねえ男なんてクソだろ」
恭弥の腕を外して逃げた。
「はあ? マジで言ってんの? どこでテク学んだんだよ? 動画? 何のサイトだよ、教えろよー」
「大声出すなよ、ヘンタイ」
恥ずかしい恭弥を置き去りにして、俺は自分の教室に入った。
連休なんてすぐに終わった。
今日からまた平凡な日常が始まる。
おわり
番外編1話あります。
お読み頂きありがとうございました。
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