【完結】出来損ないのオメガですが王族アルファに寵愛されてます~二度目の恋は天使と踊る~

高井うしお

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「ん……」

 ランは夜半に目を覚ました。

「良かった、熱……下がったみたいだな」

 ランはすっきりした頭と体の軽さを感じて、ベッドから起き上がった。そして窓を開けてこもった部屋の空気を入れ換える。夜の冴えきった空気が頬に心地いい。

「ふう」

 ランはベッドに倒れこんで、天井を見つめた。

「……あ、なんで」

 しばらくぼうっとしていたランは、体の中心に熱を感じて起き上がった。見るとランの陰茎は張り詰めていた。

「どうしたんだろう。はは、生存本能ってやつだろうか」

 ランは元々淡泊な方だったが、まったく自慰をしないかと言えばそういう訳でもなかった。

「元気になりたいのはそっちじゃないんだけど」

 そう苦笑しながら、ランはズボンの中に手を突っ込んだ。

「ん……」

 ゆるゆると手で陰茎をしごき上げると、先走りが溢れてランの手にまとわりつく。

「やば……気持ちいい」

 くちゅくちゅと淫猥な音がする。ランはそれに煽られ、手の動きを激しくした。

「んんっ……あっ……イクッ」

 とぷりとランの花芯の先から精液がこぼれる。

「はぁっ……は……」

 ランは荒い息を吐きながら濡れた自分の手を見つめ、そして拭った。

「ああ、もう……ベタベタする」

 しっとりとした汗をかいたランは寝間着のシャツを脱いで、洗面器の水にタオルを浸して体を拭いた。そしてまっさらのシャツを出して袖を通す。
 
「なにしてるんだろ」

 着替えても、なにかまだ中心にむずむずした感覚が残っている気がする。ランは枕に顔を埋めた。

「う……ん……嘘……」

 また熱を持った下半身。ランは戸惑いながら手を伸ばした。
 その時である。部屋の扉が叩かれた。

「ひゃっ」

 ランは心臓が口から飛び出るかと思った。

「誰……?」
「俺だ」
「レクス……?」

 ランはドキドキしながら扉の前へと近づく。

「どうしたの……ロランドさんに近づかないようにって言われたんじゃなかったの」

 扉越しにランはレクスに問いかけた。

「そうだけど……起きてるみたいだったから」
「うん、熱が下がったみたい」
「扉、開けてくれないか」
「でも……」
「心配なんだ、顔だけでも見せてくれ」

 ランは少し迷った末にそっと扉を開けた。

「ラン……」

 ランの顔を見たレクスに安堵の表情が広がる。

「痩せたな……」

 扉の隙間から伸びてきたレクスの腕が、ランを抱きしめた。

「レクス……」

 逞しい腕に抱擁されて、ランの中に甘い疼きが走る。ランは恥ずかしくなってその腕の中から逃れようとした
 その時、軽い眩暈と火照りがランの体に走った。

「うっ……」

 胸がドキドキと鼓動を打っている。高熱はもう下がったと思ったのに、とランは戸惑った。

「ラン、なんだかいい匂いがする」
「匂い?」

 唐突なレクスの言葉に、ランはドキッとした。

「うん、濃い花のような……? う……」
「レクス……?」

 急にランを抱きしめていた腕が解き放たれ、ランはベッドに投げ出された。

「ラン、これは一体……」
「どうしたの?」

 ランはレクスの様子がおかしいのに気が付いた。

「どうして発情ヒートが……? ラン、お前ベータのはずじゃ」
「……発情ヒート?」

 ランはその言葉にハッとした。まさか、そんなはずはない。だってランは性別不詳の出来損ないのはずなのだから。

「はぁ、はぁ……」
「レクス……!」

 ランが起き上がろうとすると、レクスの手が肩を掴み、ベッドへと押し倒した。

「レ……レクス……」

 そしてもう一度ランがレクスの顔を見ると……その目は情欲に濡れた雄の目をしていた。

「や……やめて、やめてレクスっ……」

 ランの悲鳴はすぐに押しつぶされ――そしてその体はレクスに貪られたのである。
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