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「おやおや、気の毒ではないですか」
そこに飛び込んで来たのは聞き覚えのない声だった。
「――アレン」
「遅れました。王弟殿下」
「マールス、紹介しよう。こちらが王位継承権二位のアレンだ」
「こんにちは……」
その男は焦げ茶の髪に鳶色の瞳で、レクスと少し似た感じのする男だった。ただ、レクスと違って人好きのする雰囲気を醸し出している。
「さて、せっかくのお茶会だ。楽しくお喋りをしましょう」
彼が来たことでピリピリとした場の空気は和んだ。その後もアレンを中心にして会話は続き、お茶会はお開きとなった。
「では」
終わったとみるやレクスはそそくさと立ち去ろうとする。その手をアレンは掴んだ。
「レクス、いい加減にしないと自分の立場を悪くするぞ」
「……余計なお世話ですね」
レクスはその手を振りほどいて部屋から出ていった。
「あっちゃあ……大丈夫かな」
「ランさん、行きましょう」
思わず声を漏らしたランに、ロランドは退出を促した。
「あ、はい」
ランは急いで来た道を引き返す。あんな態度でレクスは大丈夫かとやきもきしながらランが部屋に戻ると、レクスはすでに部屋にいた。
「……レクス」
レクスは明らかに不機嫌そうな仏頂面だった。
「かわいい子だったじゃないか」
「なんだ、ランは俺をあの子と結婚させたいのか?」
「そういう訳じゃないけど……あんな態度はちょっとかわいそうだなって」
「にこにこしてたらその気もないのに外堀を埋められる」
「そ、そっか……」
ぶすっとしたままのレクスにそう言われて、ランは不用意な発言をしたと反省した。鼻の奥がツンとしてくる。
「ごめん。勝手なこと言って」
「いや……別に……断れなかった俺がそもそも……」
そう言って振り返ったレクスは息を飲んだ。
「なんだ、泣いてるのか」
「泣いてない! けど……レクスは何も悪くないのに……」
「王族としてこなさねばならない責務だ。そのうちいい見合い相手に出会うかもしれないしな」
「そ、そう?」
「ああ、だから泣き止め」
「泣いてないよ!」
ぎゅっとレクスに背中から抱きしめられて、ランはわめいた。
「ちょっと目にゴミが入っただけ!」
「そうか」
ランは身をよじってレクスの腕の中から逃げ出した。
「もう……からかうなって」
「ごめんごめん。まあ、少しは気が晴れたかな」
「ならいいけどさ」
「うん」
「……ちゃんと好きって思える人がレクスに出来ればいいね」
「そう、だな」
ランがそう言うとレクスは一瞬気の抜けた顔をして、そして頷いた。
そこに飛び込んで来たのは聞き覚えのない声だった。
「――アレン」
「遅れました。王弟殿下」
「マールス、紹介しよう。こちらが王位継承権二位のアレンだ」
「こんにちは……」
その男は焦げ茶の髪に鳶色の瞳で、レクスと少し似た感じのする男だった。ただ、レクスと違って人好きのする雰囲気を醸し出している。
「さて、せっかくのお茶会だ。楽しくお喋りをしましょう」
彼が来たことでピリピリとした場の空気は和んだ。その後もアレンを中心にして会話は続き、お茶会はお開きとなった。
「では」
終わったとみるやレクスはそそくさと立ち去ろうとする。その手をアレンは掴んだ。
「レクス、いい加減にしないと自分の立場を悪くするぞ」
「……余計なお世話ですね」
レクスはその手を振りほどいて部屋から出ていった。
「あっちゃあ……大丈夫かな」
「ランさん、行きましょう」
思わず声を漏らしたランに、ロランドは退出を促した。
「あ、はい」
ランは急いで来た道を引き返す。あんな態度でレクスは大丈夫かとやきもきしながらランが部屋に戻ると、レクスはすでに部屋にいた。
「……レクス」
レクスは明らかに不機嫌そうな仏頂面だった。
「かわいい子だったじゃないか」
「なんだ、ランは俺をあの子と結婚させたいのか?」
「そういう訳じゃないけど……あんな態度はちょっとかわいそうだなって」
「にこにこしてたらその気もないのに外堀を埋められる」
「そ、そっか……」
ぶすっとしたままのレクスにそう言われて、ランは不用意な発言をしたと反省した。鼻の奥がツンとしてくる。
「ごめん。勝手なこと言って」
「いや……別に……断れなかった俺がそもそも……」
そう言って振り返ったレクスは息を飲んだ。
「なんだ、泣いてるのか」
「泣いてない! けど……レクスは何も悪くないのに……」
「王族としてこなさねばならない責務だ。そのうちいい見合い相手に出会うかもしれないしな」
「そ、そう?」
「ああ、だから泣き止め」
「泣いてないよ!」
ぎゅっとレクスに背中から抱きしめられて、ランはわめいた。
「ちょっと目にゴミが入っただけ!」
「そうか」
ランは身をよじってレクスの腕の中から逃げ出した。
「もう……からかうなって」
「ごめんごめん。まあ、少しは気が晴れたかな」
「ならいいけどさ」
「うん」
「……ちゃんと好きって思える人がレクスに出来ればいいね」
「そう、だな」
ランがそう言うとレクスは一瞬気の抜けた顔をして、そして頷いた。
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