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第一章:始まりの世界 ”準備運動編”
♯47.チームへの勧誘、その① 前半
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「ピッピッ」
夕暮れ時の通学路に切り替わった。生徒がポツポツと
見えるので帰宅途中らしい。目の前にはチーム作りに必
要なメンバーと目星をつけた同学年の男が居た。自転車
通学できる距離ではあるが家が貧しくて自転車を買って
貰えない事を同クラスの生徒から、それとなく聞き出し
ていた。立花マイカが好きでもあり、不良に憧れがある
事も調査済だった。
「堀部君。ちょっと相談があるんだけど良いかな?」
「何か用かい? あっ誰かと思ったら校長先生から特例
を貰った大山くんだよね?」
「あっ知っててくれたんだ。嬉しいよ」
「あの厳しい校長が特例を出したんだから僕のクラスで
も話題になってたよ。有名人だって」
「実は羨ましかったりして? 君だって本当は目立ちた
いんだよねっ」
「そりゃ男子生徒なら誰だって目立ちたいでしょ。男子
からはスゴイと認められたいし女子からはキャーキャー
言われたいもん。でも目立つ事は母さんから禁止されて
るからな~」
「そういう事情があったんだね。君は本気を出せば足が
早いって知っているんだ。だから君をスカウトしに来た。
学園始まって以来の大人が仕切らない子供達だけのイベ
ントを開催しようと思っている。チーム対抗戦だから、
僕のチームは君の力を必要としているんだ。一度考えて
貰えないかな?」
「どうかな? 母さんに聞いてみないと直ぐに返事は、
出来ないよ。何だか怪しい気もするし……」
「今すぐって話じゃないし、これ良かったら貰ってよ。
同じ系統のカード持ってて僕には必要ないから話をちゃ
んと聞いてくれたお礼に君にあげるよ!」
「えっこ、これって超レアカードじゃん!! 良いの?」
堀部が受け取ったカードは、生産数が限定されている
イベント限定の非売品で12枚しか存在しないとされて
いる星座に関連しているステータスUPの補助カードだ。
彼が唯一収集しているトレーディングカードでもあった。
堀部の顔がパっと明るくなり、足をバタつかせて喜び
を表現していた。
夕暮れ時の通学路に切り替わった。生徒がポツポツと
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貰えない事を同クラスの生徒から、それとなく聞き出し
ていた。立花マイカが好きでもあり、不良に憧れがある
事も調査済だった。
「堀部君。ちょっと相談があるんだけど良いかな?」
「何か用かい? あっ誰かと思ったら校長先生から特例
を貰った大山くんだよね?」
「あっ知っててくれたんだ。嬉しいよ」
「あの厳しい校長が特例を出したんだから僕のクラスで
も話題になってたよ。有名人だって」
「実は羨ましかったりして? 君だって本当は目立ちた
いんだよねっ」
「そりゃ男子生徒なら誰だって目立ちたいでしょ。男子
からはスゴイと認められたいし女子からはキャーキャー
言われたいもん。でも目立つ事は母さんから禁止されて
るからな~」
「そういう事情があったんだね。君は本気を出せば足が
早いって知っているんだ。だから君をスカウトしに来た。
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僕のチームは君の力を必要としているんだ。一度考えて
貰えないかな?」
「どうかな? 母さんに聞いてみないと直ぐに返事は、
出来ないよ。何だか怪しい気もするし……」
「今すぐって話じゃないし、これ良かったら貰ってよ。
同じ系統のカード持ってて僕には必要ないから話をちゃ
んと聞いてくれたお礼に君にあげるよ!」
「えっこ、これって超レアカードじゃん!! 良いの?」
堀部が受け取ったカードは、生産数が限定されている
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